見出し画像

イギリス留学今週の振り返り【week7】

サセックス大学に留学中のまいやんです。
授業の7週目が終わったので振り返りをしようと思います。

前回はこちら

授業まとめ

①Development and the State

今週のテーマはスターリンのソビエトロシアと東ヨーロッパ諸国を中心とした「社会主義」でした。
国家資本主義の社会が事実上資本主義国家であり、西側資本主義とのイデオロギー闘争に繋がっていったのはなぜかという点について検討しました。

正直あまり理解できなかったので感想は薄めです;;
ただ留学前に冷戦史の授業とウクライナ侵攻の本を輪読するゼミをとっていたので、興味深いテーマでした。なぜロシアは国家資本主義として成立したのか、戦後なぜ世界で支配的な2つのイデオロギーが現れ対立構造になったのか、という問いについて理解が深まった気がするので一歩前進でした。

②Environmental Perspectives on Development

今週のテーマはカーボンオフセットでした。
個人的に1番興味のあるテーマだったので長めにまとめようと思います。

主要な炭素源である森林の焼却による温室効果ガス排出量は膨大な量であり、森林破壊が12 ~ 17%の地球規模温室効果ガス排出に繋がっているというデータがあります。

Carbon offsetting is a carbon trading mechanism that allows entities such as governments or businesses to compensate for (i.e. “offset”) their greenhouse gas emissions

wikipedia

wikipediaによると、カーボンオフセットは炭素の排出量を補償できる炭素取引メカニズムのことであると書かれています。要は、炭素を排出した分を他で排出量削減/除去しましょうねという理屈です。

一見うまくいきそうに思えるシステムですが、自然を市場で取引可能な「商品」にするために過度に単純化した自然観を生み出す恐れがあります。
また、自然の市場化が不平等の拡大にさらに寄与する可能性もあります。

私はこの炭素市場というアイデアを初めて知った時に違和感がありました。環境破壊や気候変動の原因は資本主義の中で人間が大量生産・大量消費を加速させ市場を拡大させていったことなのに、さらに自然を市場化するこの取り組みは逆説的ではないか?と思ったのです。
これはむしろ「万物の商品化」のプロセスにあたり期待している結果と真逆の結果をもたらすのではないか?というのが直感的な感想でした。

炭素市場が本当に排出量の削減、さらには気候変動・環境破壊の問題にアプローチできるのかという点については自分がまだまだ勉強不足なところがあり解が出せていませんし、研究もまだまだこれからの分野であると認識しています。

ただ、その是非はともかく、非常に興味深いテーマであると感じたので、ファイナルエッセイと卒業論文のテーマの候補の1つにしたいと思いました!

③Political Ecology and Environmental Justice

今週は国家主権と先住民族の主権を比較し、"turn to ontology"をテーマにした論文を扱いました。

turn to ontologyとは、存在論的転回のことを指します。存在論的転回がなんやねんっていう話なのですが、ここからは私の個人的な理解でまとめます。

認識論は世界をどう「認識」するかを問題にし、存在論は世界がどのように「存在」するのかを問題にするものです。
それを自然に当てはめた時に、認識論では1つの自然があり、自然をいかに「認識」するかという点で様々な意見がある一方で、存在論においては自然の一元的な見方を批判します。自然は1つではなく、さまざまな自然が「存在」するということを問題にするのが存在論であるということです。社会と自然の二元論への否定がこの主張には含まれています。

(自分の言語能力と理解力が拙くてもどかしい;;)

global↔︎localの主権問題は他の分野でもしばしば議論の種になっているように感じます。私はこの授業を受けているときに、自身が所属していた団体も中央と下部組織のような構造でしばしば対立が生じていたことを重ねていました。おそらくどの規模、どのレベルで生じうる問題であると同時に、それほどありふれていて解決が難しい課題なのだろうと感じました。

感想

今週は授業で扱う文献の理解にかなり苦戦しました…
読んでもわからない→諦めて日本語に翻訳する→日本語で読んでもわからない→絶望^^という感じで辛かったのですが、同じ授業をとっているネイティブの子も「私もよくわかってないからあなたが理解できないのも当然よ」と言ってくれて少し心が慰められました(でも悔しい)

1番関心のあるテーマである炭素市場について授業で扱ったのでかなり知的好奇心がくすぐられて学問へのモチベーションにつながりました。
マスターのコースのシラバスにアクセスして関連したテーマの資料を読んでみようと思っています。

1/20にイギリスに来てから2ヶ月が経とうとしていますが、授業は残り3週間になりました!早すぎる!
来週は中間エッセイを終わらせ、期末レポートに向けて関心のあるトピックをふかぼる時間をとりたいと思っています!

来週もがんばるぞーー!🔥









この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?