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イギリス留学今週の振り返り【week6】

以前留学1ヶ月の振り返りをしたのですが、週ごとに振り返っておけばよかった!と後悔したのでweek6ですが今回が初めての今週の振り返りnoteです😅
主に今週受講した授業のまとめと感想を書きます。

授業まとめ

①Development and the State

今回のテーマは福祉国家。
福祉国家の類型や、福祉国家のメリットデメリットなどを学びました。

デンマークの社会学者アンデルセンは福祉国家の3つの類型を提唱しました。
1つ目は、自由主義です。例としてはアングロサクソン諸国(アメリカ、イギリスなど)が挙げられます。
自由主義においては社会保障は最低限の選別主義であり、受給者は一定の社会的スティグマを伴います。例えば、中世イギリスで導入された救貧院 (ワークハウス)では、自立した生活を送ることができない人に住居と仕事を提供していましたが、劣悪な環境にすることで自立するインセンティブとして機能していました。そのような福祉のスティグマ化は、スピーナムランド制度(=最低限の賃金を保障する制度)下で労働意欲を失った者たちが溢れ社会的大混乱を引き起こしたという歴史が背景にあります。

2つ目は保守主義です。イタリア、ドイツなどの大陸ヨーロッパ諸国が挙げられます。
このモデルはリスクの共同負担(連帯)と家族主義を志向しています。所得再分配の規模は自由主義よりも大きく、社会民主主義も小さいのが特徴です。これらの国では、カトリック教会が社会サービスを主導的に担ってきた長い伝統の影響を受け、伝統的な家族主義やギルドに代表される封建的な職域を重視していることが背景にあります。

3つ目は社会民主主義です。スウェーデン、デンマークなどの北欧諸国が挙げられます。
社会民主主義は普遍主義に基づいており、社会保障を受けるのは市民の権利であるという考えに基づいています。福祉の水準が高い分、負担も多いというモデルです。(高福祉・高負担)
一般的に福祉国家というと北欧諸国を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

このような福祉国家にはそれぞれにメリットやデメリットが存在します。
しかし、福祉に何を求めるかは各国の国民性の違いや歴史にも影響されるのだというのがこの授業での気付きでした。

②Environmental Perspectives on Development

Global food systemがテーマでした。

実は世界の土地の50%以上が農業に使用されており、30%のGHGガスは農業分野から排出されたものだそうです。それほど環境と農業は切っても切り離せない関係にあります。

この状況において、持続可能な農業の導入がますます重要となっています。地球規模での食糧生産と供給を維持するために、従来の農業モデルを見直し、新しいアプローチを模索しなければなりません。

③Political Ecology and Environmental Justice

今週のテーマはプランテーションでした。

プランテーションというと、奴隷労働が一番に思い浮かんだのですが、環境、社会、経済的にも大きな影響を与えます。プランテーションでは多くがCash Cropの単作農業なので土壌劣化を引き起こす可能性が高まり、その影響は長期間にわたります。また、植民地でプランテーションによる農業が盛んに行われた結果、先進国のような工業化のプロセスが遅れそれが現代のグルーバル経済の格差に直結しているという主張もあります。

the Plantationocene(プランテーション新世)は、現在のグローバルな環境問題とその背景にある暴力的、搾取的な構造を表している言葉です。
しかも、現代における搾取構造は市場を媒介することで不可視化されています。商品が市場で売買されるときには、生産過程とは切り離されているからです。ただ無意識に生活して消費しているだけでも、この搾取構造に加担している可能性があるということです。

感想

Political Ecology and Environmental JusticeとEnvironmental Perspectives on Developmentは現在起きている問題について理解を深める授業で、Development and the Stateは開発と国家の役割について理論的に学んで解決策を考えるための授業という位置付けで、いいバランスで授業を取ることができたのかなと思ってます!

今週取り扱ったテーマである食糧問題やプランテーションは、いかにグルーバルな格差構造を歴史的に構築し、現代においてもそれを固定化しているかという点で共通していたと思います。そのような格差構造は非常に根深く複雑です。

グルーバルな格差構造を解決するためにはどうしたらいいのか?
この問いについてはこの学期を通して少しでも自分の中の仮説を磨けるようにしたいと思います!







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