バレエの舞台裏②
バレエシューズとトウシューズ(ポアント)って、何が違うの?
バレエシューズは、ポアントを履くまでの
基礎固めをするシューズであり、
普段のレッスンで使用するもの。
上級者はポアント技術を向上させるために、
普段のレッスンの後半からポアントに履き替えたり、
レッスンの始めからポアントで練習することもあります。
でも、どこまで、やわらかく美しい爪先をつくれるか、
五本の指に均等に体重がかけられるか、
足で床を掴む感覚を養い、正しいポジションを覚えるには、
バレエシューズでのレッスンがどこまで繊細に
日々行えているかが鍵。
クラシックバレエの本番ではポアントを使用して、
コンテンポラリーダンスなどでは、
本番でもバレエシューズを履くことがありますが、
あまり語られないシューズ。
そんな陰の立役者であるバレエシューズを
今日は、表立った主役にさせたいと思います。
写真左から、BLOCH プロエラスティック 3.5D
こちらは布製で、履き口に引き紐がなく、ゴムになっている為、
フィット感が抜群。
ただ、ゴムの伸縮具合が調節できないというところと、
個人的には甲が出やすい体質なので
履き始めはサポート力が弱く感じました。
今は慣れてきて、自分の足との一体感が出てきているところです。
写真右は、同じくBLOCHですが、皮の3C
実は、こちらをフランス学校時代から使い、
私にとっては、切り離せない存在です。
さすがに長年の活躍でボロボロになってしまったので、
日本でも取り扱っているところを探し、
全く同じものを最近新しく購入。
何故、二足揃えているかと言うと
その日の湿度、床の環境に合わせて変えるためです。
フランスで言えば、一年を通して湿度がほとんどありません。
汗のかき方も違ってきたり、
床が湿度を吸い込む度合いが全く異なる。
日本の雨の日は、皮のシューズだと
回転する時など、ぎゅうっとブレーキがかかり過ぎてしまう。
仕事をする国によって環境は全く違って当然なので、
シューズにパターンを持たせておくことも大切かもしれません。
実際は、布製のシューズが一般的なイメージで
皮派は少ない。
でも、皮は自分の足に合わせて馴染む分、
消耗するのではなく、育てていく面白味もあります。
そして、同じメーカーでもソールの形、縫い方がここまで違うのです。
プロエラスティックのソールの幅は狭くても
多少厚めに作られていて
ジャンプ後の着地のクッション性が素晴らしい。
生地が薄く、かなり軽量なので
素足感が追求されています。
一方、皮はソールの面積が少し広め。
自重を分散し、常に安定感があって
土踏まずの部分だけ布になっているので
通気性も考えられています。
重さは布製に比べると重たくはなりますが、
耐久性に優れ、マットな動きを求める方には、お勧めしたい。
因みにアメリカ製CAPEZIOのHANAMIも、
現在、かなり高評価を得ているシューズの一つで
素足で踊っているかの如く
指の動きに解放感を与えてくれます。
このように同じメーカーでも、ここまでの違いがあり、
ポアントと同じく様々な国のメーカーで作られている。
どのような物も考え尽くされ、
人の手で人を想って作られていくのだと
しみじみ思います。
シューズは喋らない。
でも、どんな時も変わらず、そこにいてくれます。
ただただ支え続けてくれている存在に
ふとした時に感謝と愛おしい気持ちでいっぱいになる。
本当の主役。
https://www.instagram.com/maiya.goshima
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