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強迫性障害の原因かもしれない出来事

前回、強迫性障害かもしれないということを書いたが、どうしてそうなってしまったか思い当たることを書いてみたいと思う。

《前回の記事はこちら》

私が強迫性障害かもしれないと感じている主な理由は
部屋の鍵などの戸締りを、きちんと出来たか心配になって何度も何度も確認してしまうことだ。

こうなってしまったのは20歳で一人暮らしを始めてからだった。

当時から戸締りはしっかりやっていた方だと思う。
それでも一度やったらそれでおしまい、気になって何度も確かめることなんてなかった。

それが一人暮らしを始めて半年後に起きた出来事がきっかけで、こうなってしまったのだ。
はっきりした原因が分かってるからこそ病院に行こうとしなかったのかもしれない。
当時は時間が経てば治ると思っていた。

その出来事というのが20歳の時の不審者侵入未遂事件だ。

夜中の3時位だったと思う。私は寝ていた。
すると突然、何かを叩く音とミシミシッという変な音が聞こえた。
最初は何の音か分からなかったけど、びっくりして飛び起きた。
少しして窓の方から聞こえていること、誰かが窓を割って部屋に入ろうとしていることに気が付いた。
小さいワンルームの部屋だったので、ベッドから窓までの距離は2メートルもなかったと思う。
部屋の電気は消えていてカーテンも閉まっていたため見えなかったけれど、明らかに人の気配を感じた。

私は意外と冷静で、起き上がって部屋の電気をつけた。
そして武器になりそうなものを持って、窓に近づき思いっきりカーテンを開けた。
すると相手も驚いたのか、走って逃げ去った。
追いかけようと思ったけど、さすがに追えなかった。
(普通だったら怖くて動けなくなっているうちに部屋に入られてましたよ、と警察で言われた。当時、社会人になりたてで挫折を味わい自暴自棄になっていたのが功を奏したのかもしれない…)

通報したらパトカーが2台きて、結構な騒ぎになった。
テレビの刑事ドラマさながらに現場検証が行われて、何故か割られた窓ガラスと一緒に寝起きスッピン状態で写真を撮られるという屈辱も味わった。

そして現場検証の結果、驚きの事実が分かった。
「これは今回が初めてじゃなくて、前から来てたね。」

ベランダに以前から何度も潜伏していたような形跡があったそうだ。
隣の建物から伝ってベランダに侵入していた模様。
夜しか家にいなくてカーテンも閉め切っていたので気が付かなかった。

でも思い起こしてみれば、その事件より少し前にも変なことはあった。
部屋を出た直後に忘れ物に気付いて、ドアに鍵を挿したまま忘れ物を取ってきたら一瞬で鍵がなくなっていたことがあった。
ポストが壊されていたことや、部屋の換気扇の通気口のフタが外から外されていたこともあった。
事件の日も、その何時間か前にお風呂に入っている時にドスンという音が聞こえた気もしていた。
その時は気にしていなかったけれど、後から思い出してゾッとした。
結局、犯人は分からずに私は引っ越すことにした。

今度はオートロックで隣の建物からも侵入できないような高い階の部屋に引っ越して安心して生活できると思った。
ところが、そこから強迫症状が始まってしまった。

戸締りは以前より気をつけるようになった。
友人や職場の人も心配してくれて「ちゃんと鍵閉めてきた?」とよく声をかけてくれた。
でもそれが思わぬところでプレッシャーとなっていたようだ。

「鍵閉めてきた?」に最初のうちは自信を持って「閉めてきたよ!」と言えていたけれど、それが毎日のこととなると「本当に閉めてきたかな…?」と不安になってきて、思い返せば返すほど閉めてこなかったかもしれないと不安が頭をめぐるようになってきた。
何度も確かめているから鍵を閉めていないはずなんてないのに。
いつに間にか変な暗示にかけられたみたいになってしまった。

それからどんどん症状がエスカレートしていって、鍵だけじゃなくてガスの元栓や電化製品の電源なども気になるようになってしまった。

事件から少しの間は、外から聞こえる物音にもビクッとなっていたけれど、それはすぐに治った。
それなのに強迫性障害みたいな症状だけずっと残ってしまった。

もう昔のことなので、誰が悪いとか何かのせいにしようとは思わない。
今はだいぶ軽くなってきているし、普通の生活も出来ている。

今となっては、割と大雑把で気にしないタイプだと思って生きてきたのに、何がきっかけでそうなるか分からないものだなーと感じている。
精神的な問題に取り憑かれるきっかけは一瞬の出来事なのに、それを振り払うきっかけは20年経っても起こらないから、これからもジワジワと回復を待ちながら付き合わなければいけないのかもしれない。

ちなみにアトピー症状もこの時くらいから急に出始めた。
関係があるのかは不明ですが、全く無関係でもなさそう。
アトピーの話は別の機会に書きたいと思う。

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