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今さらだけど文章を書くのは難しい

仕事を辞めてから、何か書いていないと世の中から取り残されてしまう気がして、ただ文章を綴っている。でも、文章を書くということは簡単な作業のようでとても難しくてnoteのエディタの前で毎回途方に暮れる。

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大学入試で小論文の対策をしていたとき、要約だけはいつも得意だった。そのお陰で大学でレポートを書くのもレジュメを作るのも困ることはなかった。「要するに」とか「かいつまんで」とか、そういうのができればよかった。

noteにエッセイみたいな日記みたいな文章を書くようになり、ほかの人の文章を読むようになった。そして絶望した。

文章のプロではないアマチュアたちが(プロに近い人やプロそのものもいるけれど)、とんでもないクオリティの作品を投稿している。ここは何なの。道場か何かなの。

誤解を恐れず言うと、上手な文章、あるいは響く文章というのは、丁寧な描写がされていて読んでいるとその情景が立ち上ってくるような、そこにあるような錯覚を起こす。その描写は必ずしも説明ではなく読み手に映像や感触、匂いを呼び起こさせるものだ。

私みたいに「要するに」ばかりしていると、そういった描写というのが疎かになってしまう。書くときだけでなく読むときにだって、流れや要点を見失うことはなくても、文章の隅に隠れた原石をぽろぽろと見落としているんじゃないか。要点だけが大事なものだって決まっているわけじゃない。

上手な文章に出会うたび、私には書けそうもないと思って逃げるように「要するに」を書いている。

要約だって立派な能力だと思う。実際、社会人生活では多いに役立っている。しかし、文章に対して丁寧に向き合い、丁寧に書いて、丁寧に読むことのできる人に私は憧れている。憧れは憧れのまま終わるだろうか。

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