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はじめての「鍼灸院」、絶対知りたい6つの疑問。なんで巡らせるには鍼?

こんばんは。maison de megri の養生漢方コンシェルジュ、ナースのなみみです。

養生漢方コンシェルジュ なみみ
関西在住、50代現役看護師。二児の母。好奇心旺盛。
30代半ばで離婚を機に看護学校へ入学したツワモノ。精神科ナース経験からくるホスピタリティはめぞめぐメンバーお墨付き。子育ても落ち着いた今、更年期の悩みなどをきっかけに、仲間とmaison de megriを立ち上げる。

皆さんは「鍼灸院(しんきゅういん)」に行ったことがありますか?
私は5年前から通っています。たくさんある鍼灸院の中から、自分に合う先生を見つけるためには・・・そしてそもそも「鍼治療」にはどんな効果があるのか?今日はQ&A方式でお答えします。

Q1. 巡らせるのになぜ鍼がいいの?

東洋医学では、人の体には「経絡」という川があり、そこには「気」が流れていると考えられています。(参考:くー先生となみみの相談室 気血水は巡るよ、どこまでも
「気」は「経絡」に沿って巡ります。そして所々に「ツボ」と呼ばれる通過点があります。この「ツボ」は、気の流れが滞ったりすると張りを感じたり、押すと痛みがあったりします。つまり、気が巡らず、体の内側の不調が体表に現れるのが「ツボ」。

中医学イラスト (4)

鍼治療は、経絡のどこで気が滞っているかを診察し、その滞りである「ツボ」を刺激し、気の流れをスムーズに巡らせることで体を健康に導いているのです。

1番わかりやすい例えは

経絡=道路
気のエネルギー=車
鍼=交通整理の人

という考え方です。

中医学イラスト (5)

車は道路を走っています。ノロノロ運転の車がいると、渋滞が起こります。またこの時期工事が多く、片側通行になっていても、車は渋滞します。
鍼は、この渋滞を解消する交通整理の人の役目をします。車がスムーズに通れるようにしたり、場合によっては抜け道を教えてくれることもあります。
鍼はこのように、身体を流れる気が渋滞しないように、そして全体に気がスムーズに巡るように調節する役割をします。

Q2.鍼をするとどんな効果があるの?

さっきの車の例えで説明したように、体の巡っていない部分の詰まりを取り除き、足りない部分に気を巡らせてくれます。鍼は神経をゆるめ、気とともに血流を良くし、体をリラックスさせます。体の中の巡りのバランスが良くなることで、緊張や詰まりがなくなり、ふわっと体がゆるんでくれるのですね。

Q3.痛みはあるの?

鍼の太さは髪の毛くらいの太さ。そして下の図のように筒の中に鍼を入れてまっすぐ刺すので(まっすぐ刺すことで痛みの軽減につながります)ほとんど痛みは感じません。たまに皮膚表面にある痛点に鍼が当たった時は「あっちょっとチクっとしたかな」くらいの感覚です。でも人によって痛みの感じ方は様々。痛いときは遠慮なく「痛いですー」と告げましょう。刺す場所を少しだけずらして、痛みが出ないよう調節してくれます。

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先生が少し深めに鍼を進めたとき、ズーンという感覚があります。「効いてるー!」という感じ。これは「響き」と呼ばれているそうです。「響く」とたまに経絡に沿って気が巡りだすのを感じることができるときもあります。(ツボを正確に刺激すると、この「響き」が出ると言われています。実際ズーンとくる!と感じたあとに体がふわーっとゆるんできたりします。※あくまでも私個人の感想です。ちなみに私は鍼に対する反応がすごく良いそうです。)

Q4.鍼をしたあとの過ごし方は?

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鍼治療後の反応は人によって様々です。私は治療の後からじんわりと体がゆるんでくる感じがします。そして「呼吸がしやすくなったな」と感じます。
私がいつも「息がしやすくなりました」と言うと、先生は「気の詰まりが取れたんですね」と言ってくださいます。
人によっては「体がだるい」「体が重い」という人もいるようです。これは今まで凝り固まっていたからだがゆるんでいく過程でのことなので、心配する必要はないそうです。ただし、治療後の反応など気になることがあった場合は、先生に相談してください。鍼にすごく良く反応したりする人など、感受性にも個人差があるから、とのこと。
そして治療後はリラックスして、ゆっくり過ごした方が治療効果があがるそうです。私はいつも夜勤明けに鍼治療に行き、そのあと爆睡します(笑)

Q5.値段は?何回くらい通えばいいの?

地域によっても違いますが、大体4000円~6000円程度。
ちなみに私は4000円(一時間)です。
保険は基本的には利きません。五十肩やぎっくり腰など急性疾患の場合は保険適応になる場合もありますが、すごく面倒な手続きを踏まなくてはなりません。(まず病院を受診し、その後経過観察して改善が見られなかった場合、医師に同意書を書いてもらう、とかね)
回数は症状の程度によって様々。体のバランスが大きく崩れて不調が出ている場合は、バランスが整ってくるまでは詰めて通った方がいい場合もあります。急にバランスを整えようとすると、やっぱりよくないみたいなので少しずつ。
ちなみに私は不調が出ない限りは月に1回程度、バランスをちょこちょこっと整えてもらうために通っています。3月は毎年体の不調が出やすいので(参考:先取り養生で季節の変わり目に勝つ!毎年起こる不調)3回くらい通おう、のように。こんな感じで先生と相談しながらバランスが崩れないように気をつけています。

 Q6.自分に合う鍼灸院(鍼灸師)の探しかたは?

①きちんと問診をしてくれる
鍼治療は「体のバランスを整えて不調を改善する」ものだと私は捉えています。痛みや不調のある部位だけでなく、全体的な体の不調について丁寧に聞き取りをしてくれる先生を探しましょう。
②脈、舌、お腹の状態を見て、触って確認してくれる
記事にあるように、舌からある程度の体の不調はわかります。脈からも体のどこの部分が弱っているか、はわかるそうです。
そしてお腹を触ると、硬くなっていたり、痛みのある部位によって、またまた体のどの部分に不調があるのかがわかるそうです。良い鍼灸師は、問診と患者さんの体に触れることで、総合的に不調の状態を判断して、どういう治療をしていこうかを組み立てていってくれます。
私は以前通っていた先生が引っ越しで店をたたんでから、一度、近くの鍼灸院に行ったことがあります。
その時は問診もそこそこにいきなり鍼を刺されて、しかもその鍼に電気を流された(!鍼治療で電気を流すこともありますが、一応確認をとって欲しかった)事があり、刺激が強すぎたのか終わった後もぐったり・・・それ以来気長に合う先生を見つけようと決意しました。
③肌が合う、気が合う
変な言い方になっちゃうけれど、私が一番重要視しているのはここ!
どんなに丁寧に問診をしてくれ、評判の良い鍼灸院でも、「触られると緊張するな」と感じたら、通うのを辞めた方がいいと思います。
何となくだけど、自分と「肌が合う」鍼灸師さんを気長に探しましょう。

今通っている鍼灸院の先生に触れられた時、ふわぁっ、とあったかい感じがしました。春先で先生の手自体は冷たかった、にも関わらず、です。
鍼灸師の手、って立派な治療器具であり、診断機器でもあるんですね。患者さんの「気」を敏感に察知して、鍼を操作しながらバランスをとっていきます。「気」に敏感な鍼灸師の手は、自身も気が充実しいているため、柔らかくて、暖かく、やさしいんだそうです。そして抽象的な言い方だけど、「気」のエネルギーの波長が合う人に治療されると、一番リラックスできるんじゃないかと思います。

みなさんも、自分に合う鍼灸院を見つけて、ごきげんな自分を整えてくださいね。



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