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スパイスの効いたオンナ

「おいしそうな女」とは、男が自分のものだけにしたいと思う、”欲をかき立てられるオンナ”だと思う。

ではそんなオンナになるには?

自分の中にちょっぴり「魔性スパイス」をふりかけてみること。

昔、よく集まっていた仲間のひとりに、サキという女がいた。彼女は、BFの兄の恋人として紹介されたのだけど、珍しく兄の方が夢中になっていた。

というのもその兄、次々と恋人を変えるだけでなく、いつも彼女の方が夢中になって、兄が追いかけまわされて辟易して終わる、というモテ男だったのだ。

「なのに、今回は様子が違う・・・」

はて?と思った私は、彼女を観察してみた。

サキは、囁くようなウィスパーボイスと、艶やかで長い黒髪をの一見おとなしめな外見だったが、ブラックワンピースを身にまとうと、怖いくらいの妖艶さに包まれる不思議な女だった。

興味を惹かれて仲良くなっていくうち、彼女の魅力というものは、“甘い罠であって、底なし沼”であると気づいた。


私の直感は当たり、事態はとんでもない方向へ向かう。


サキは、兄を振って別れたあと、あっという間に、仲間内の男を次々とトリコにしていったのだ。

そう、彼女は、魔性の女だった。

魔性の女というと「次々と男を落としていく女」「男が我を忘れるほど夢中になる女」などの定義が一般的だと思うが、根本的な資質は「誰のものにもならない女」だと私は思う。

実際サキは、どの男の恋人にもとどまらず、仲間内に嵐を巻き起こして去っていったあと、風の噂で聞いた話によると、同棲していた彼の元を去り、シングルマザーとなったことを聞いた。

だから、“ひとりの男と愛し合えるオンナ”という要素

がある「おいしそうな女」は、魔性の女とは根本的に違う。

けど、魔性の女が、男の「自分のものだけにしたい」という欲を強く掻き立てることは確か。

サキは、「あなたが好き。でもあなたのものにはなるかはわからない」というような視線を男に送ることが、反射的なものとして身に付いていた。

常に目の前の男に対して、顎を引き気味にし、じっと見つめながら、まるで「あなたにだけ言っているの」と秘密を打ちあけるよう、話しかける。またある時は、ティーカップに手をそっと添えながら、伏し目がちに目を真下に落としたあと、横に流すように視点を移す。

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女の私から見ても、ドキリとするような視線の流れ。

そんな視線だけならば「おいしそうな女」を目指す私達であっても、魔性スパイスとして取り入れても良さそうである。

「おいしそうな女」は、ひとりの男と無邪気に愛しあえる素直さを持ち合わせている、ということを忘れなければ。

スパイスは、おいしい料理を味わい深いものにしてくれるしね。

つまり、男と深い領域まで向き合うことに恐れずも、恋愛の最中は「自分のものだけにしたい」という男の欲望をうまく刺激させる、魔性スパイスの効いた女が「おいしそうな女」なのかもしれない。

さて、あなたはどう思う?

(絵と文)「おいしそうな女」になるサロン主宰 柴崎マイ



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