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正しいアンケートの取り方と未来予測のテクニック【マーケティングリサーチ】

アンケート調査って、実はかなり奥が深いので、きちんとマーケティングリサーチの知識を学んでからやった方がいいですよ。
コスト(費用、手間)がムダになります。

なぜなら、人はアンケートで嘘をつくからです。

そういった部分を踏まえて
アンケートデータから精度高く予想・予測する方法を紹介しています。

動画で確認したい方は↓こちら↓から

マーケティングリサーチでは、「この商品を世に出したら、どのくらい売れるのか?」を事前に調べる需要予測調査というものがあります。

一般的には、「購買意向調査」といって、必要な情報(商品パッケージ、価格など)を見せたり、実際に商品を使ってもらったりした後に、

「あなたはこの商品を買いたいと思いますか?」
5 思う
4 少し思う
3 どちらともいえない
2 あまり思わない
1 思わない


のような設問に回答してもらい、その中で、「思う」「少し思う」の割合から、需要を予測しよう、と言うやり方が主流でした。

「でした」というのは、このやり方では、正確な需要予測ができないことが分かってきているからです。購買意向は実際の購買行動とは、相関しないことが多いのです。

マーケティング史上最大の失敗と言われている「ニューコーク事件」があります。

1970年代~80年代、コカ・コーラのシェアは減少する一方で、ペプシのシェアが伸びていました。当時、ブラインドテスト(目隠しをして味を評価する)では、ほとんどの消費者が「ペプシの方が美味しい」と答えていました。

そこで、コカ・コーラ社でも、「ブラインドテストでペプシに勝てる製品を作ろう!」とし、20万人の調査を経て、ペプシに勝てる製品『ニューコーク』ができました。しかし、ニューコークは全く売れませんでした。

結局、コカ・コーラ社は、前の製品を、「コカコーラ・クラシック」として再発売しました。

他にも、こんな例があります。
マクドナルドが、新商品を開発するために顧客に対してアンケート調査を行いました。その結果、「素材にこだわった野菜たっぷりのヘルシーなハンバーガーが食べたい」という回答が多かったので、マクドナルドは、ヘルシーなハンバーガーを開発しました。しかし、売れませんでした。ヘルシーなハンバーガーは、もはやマクドナルドではありませんよね(笑)。

こういった失敗例を上げればキリがありません。

事前の調査では、「いい商品だ!ほしい!」という好意的な意見をもらっていても、実際にそれが市場に出たときには、買わないことはよくある、ということです。

顧客の声を元に、新しい商品を作るという商品開発方法は、よく行われていますが、それをうのみにすると、痛い目に合うのです。

これには、色んな要因が考えらえるのですが、

・プロジェクションバイアス(人は自分の未来の行動を予測するのが下手)

・ソロモンのパラドクス(たとえ正しい知識を持っていても、人は自分の事を正しく認識できない)

が関係していると考えられます。


こういった需要予測調査の問題点を克服しようと、質問の仕方を工夫するようになっています。


2016年の大阪経済大学の研究によると、自分がその商品を買いたいと思うか?(自己購買意向)よりも、他者からの人気はどのくらいありそうか?(他者人気予想)の設問の方が、実際の売上との相関性が高いことが示されました。(炭酸飲料で調査)

自分のことではなく、他者のことを予想する、という手法は、需要予測だけでなく、選挙予測にも有効であることが、分かっています。

当選予想をする時に、「誰に投票するか(=自分の意向)」を聞くのではなく、「だれが当選するか(=他者の行動の集計結果)」を聞く方が予測精度が高いということが、数々の実証で明らかになっています。

恋愛においても、「自分に脈ありかどうか?」を判別する時は、自分で判断するのではなく、周囲の人間に見てもらった方が精度が高いことも分かっています。

未来予測が上手な人は「人間は言っていることとやっていることは違う」ことをよく理解し、それは自分にも当てはまることを心得ています。

・人はアンケートで嘘をつく

・自分のことより人のことを予想する

このあたりを意識してアンケート調査やインタビューを行ってみてくださいね!

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