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ちょうどいいを知る

有機農業の歴史がある町のひとりの生産者として、無農薬の野菜とワイン造りに携わってきて4年。

爪ブラシでも落としきれない砂といつもガサガサな手。
油断すると砂まみれの顔。
予洗いしないと洗濯できない靴下が毎日。
時には泥だらけの仕事着。

自分の目で見て耳で聞いて体で経験して、はじめて自分の口から話せるような人になりたいと思ってました。

生産現場にいることで、いろんな知識がつきました。
オーガニックの食材に携わるひとりの生産者として、「健康」というものには元々興味があるし、さらに言うと「健康でいること」には人並み以上に気をつけている。


でも生産者としてのプライドもあったせいか意固地になって偏って尖っていた時期もあります。
いわゆる体に悪そうなものは買わない、食べないとか。
パンと麺も大好きなのに小麦粉を辞めてみるとか。
ストイックに何でもかんでも厳しく制限していた訳ではないですが、ゆるっとそんな事をしていた時期もありました。

それが良くないわけではないです。いいことだってもちろんあります。
ただ結果として、自分の場合は今まで好きだったものを否定したり、選択の幅を狭めて苦しめたりする事もありました。極端でした。

じゃあ自分が高校生だった10年ぐらい前まではどうだったかというと、マックならてりやきマックバーガー、ナゲットはマスタード派。すき家ならチーズ牛丼。カップラーメンならシーフード。袋麺ならサッポロ一番。ジュースはファンタかカルピスが定番でした。
めちゃくちゃ食べてました!だって美味しいし、友達とマックに行って遊んで過ごす時間も楽しかったから。


久しぶりにマックへ🍔🍟


でも、経験してみて、あ!やっぱりそーなんだ!と思うこともありました。
あんなに大好きだったファンタやジュースはペットボトル1本を飲みきれなくなりました。
しばらく飲んでいなかったからか、人工的なものの影響なのか、飲んでいるうちに体が怠くなってしまいます。
そんな事もあってジュースは自分で作ってみたり、お店でも手作りのものを選ぶようにしています。

ジンジャーエールを作ってみました!


小麦粉を辞めていた時も胃腸への負担が少なかったからか、肌の調子が良かったと思います。
でもやっぱりわたしは食べることが大好きです。
せめて外食する時は小麦粉も我慢せずに食べたいし、食べる事も勉強のひとつなので、自分で料理をする時やお菓子を作る時は小麦粉ではなく米粉で作るようにしています。

どちらの生活も経験してみて思う事は、自分は偏り過ぎないことがちょうどいいということ。
偏ったとしても、どこかでバランスをとればいいやという考えに一周まわって落ち着きました!笑

ただ、長い目で自分たちの健康を考えると、添加物も農薬もすぐ体に反応として出るものではないから怖さの実感は薄い。

野菜に関しても自分たちが口にする野菜は全部無農薬で自分で作ります!と言えたら良いのだけど(お財布にも優しいし)、現実を考えると難しい。無農薬の野菜づくりがどれほど大変か実体験としても分かる。それに現に宮崎の夏はほぼ野菜が作れないので(特に葉物)、1年中の野菜を自分の手だけで賄う事は難しい。
自分の中で完結できるのならばそうした方が良いのかもしれないけど、そうはできないのも実情です。

自分の畑で育てた野菜



いつまでもみんなが健康で元気にいられるようにというその心意気はとっても大事。
ただ、添加物や農薬に偏った考え方をしていた自分は健康的にももっと良くなかったと思います。


今は一生産者として、いいこと、よくないことも考える立場になって思うことは、自分の心地いいことを続ける事がいちばん健康的なんだろうなぁと思うのです。


おしまい。

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