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映画『億男』を観た妻は、自分の提案に自分で腹を立てて、なぜか僕を叱った

◆1

ゆかりちゃんがテレビで、映画を観ていました。
その映画は『億男』です。そして、エンディングになりました。

僕は、「どんな映画だったの?」と、聞きました。


ゆかりちゃんは、

「宝くじが当たったの~」
「なのに、信頼していた親友が持って逃げたの!」
「でね、○○○は、✕✕✕で、△△だったの~」
(ネタバレに配慮)

と、説明してくれました。


◆2

「お金は道具だから、その道具を『使う』人生なのか…」
「はたまた道具に『振り回される』人生なのか…」
「そんなことを問う、映画だったみたいだねぇ」

「でも、『パ~~~ッ!』って、札束をバラ撒いてみたいわ~」


◆3

「ハハハ~! 思いっきり、振り回されてるなぁ~」

「へ? 空からお札が降ってきたら、拾わん?」

「拾う、拾う!」

「でしょ~!」
「拾ったら犯罪になるの?」


◆4

「なるかなぁ、厳密には~」

「え~っ!」
「なのに、じょーじは拾うの?」


「もし『拾ったでしょ!』って、後で警官とかに言われたら」
「『はい』って、素直に渡す」
「誰も言ってこなかったら、ラッキーって感じかなぁ」

「あんたも、振り回されとるやん!」


◆5

「お金に振り回されない人って、2つのタイプがあると思うんだ~」

「パ~って、やってみたいわ~!」


「(ちゃんと微笑みを返しつつ)1つは、とんでもない大金持ちで、お金に一切困っていないタイプ…」

「じゃあもう1つは?」

「(よし、会話がかみ合ったぞ~)もう1つは、地方の山奥とかで、ほぼ自給自足の暮らしをしている、そういうタイプ」

「ああ、なるほど~」


◆6

「僕たちも、気をつけないとねぇ~」
「宝くじが当たったら、それが原因でケンカして別れちゃうかもしれない」「お金に振り回されないようにしないとね」

「大丈夫! 」
「わたし、じょーじが3億円当たったら、1億円貰って『バイバイ~』って」
「そうするから~~~!」


◆7

「僕は、捨てられるんだ~?」

「そしたら、なに買おうかなぁ~♪」
「どこに行こうかなぁ~♪」


◆8

「(苦笑い)・・・」(スルーかよ)

「そうだ! まずは北海道で~」
「 …ん?」
「なんで1億円なのよ⁈ 半分無い!」

「おかしくない⁉」
(切れて怒る)(かなり本気で怒っている)



おしまい



PS.映画『億男』


※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第579話です
※マガジン【ゆかりちゃんの『天然』のポートフォリオ】に加えます

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奈星 丞持(なせ じょーじ)|文筆家
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