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歌:じょーじ&石川さゆり/ 語り:じょーじ/ 聞き手:ゆかり

その夜、僕はウイスキーを飲んでいました。
ロックグラスで飲んでいましたが、水割りでした。

氷が解けてくると、なぜか美味しく感じるのです。
ウイスキーが、まろやかに感じます。

ご機嫌になり、すごく自然に僕は、歌を歌っていました。


「ウイスキーーー、が♪ お好きでしょ♪」

僕の脳内には、石川さゆりさんの歌声が流れています。
この声です。


石川さゆりさんの歌声に、僕の声が重なります。
最高のハーモニーです。

ゆかりちゃんはキッチンで洗い物の最中。
その、すぐ隣のダイニングテーブルに僕はいたのです。

(もう一度、ちゃんと歌おう)

僕は、そう思いました。


♪ウイスキーーー、が♪ お好きでしょ♪

「いや、僕は、ゆ、ゆかりちゃんが好きだから…」


♪もうすこ~~~し♪ しゃべりましょ♪

「ゆかりちゃんが待っているから…」


♪ありふれ~~~た♪ 話でしょ♪

「そ、そんな…、さゆりさん……」


♪それで♪ いいの♪ 今は~♪

「さ、さゆりさん……」


歌と歌との間に、その場面シーン相応ふさわしいセリフを入れてみました。


テレビを観ていたゆかりちゃんが、

「も~~~! ボリューム上げて!」

と言いました。


♪♪ウイスキ~~~が♪♪ お好きでしょ♪♪♪

リクエストにお応えして、僕は、大きな声で歌いはじめました。

「ちやう! テレビや!!」


バカでかい声で、ド叱られました。


たとえ妄想でも、じょーじが、石川さゆりさんに誘惑されるのは、

イヤッ!

ってことですね。


僕は、ゆかりちゃんが大好きです。






おしまい


※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第1265話です


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