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美術館とモネの魅力

今年の夏を説明するなら「カフェと美術館」それだけで十分だと思う。
高校3年の夏、塾に行っていない私は文字通り毎日カフェに通っていた。
ずっと1人でいると本当に病んでしまうので、一週間に二、三回は近くに住む友達と会って昼ごはんを食べたりした。サンドイッチ、もんじゃ、ラーメン、パスタ、寿司、、、。今日も会って多分ハンバーガーを食べる。体重の増加なんていうものは友達と過ごすラブリーな時間と比べればどうだっていいのサ。

でも改めて考えてみると高校二、三年になった頃から1人で外出することが多くなったと思う。
友達が減ったとかそういうことではなく、今までは友達と遊ぶ予定がなければ基本的に家に引きこもっていた。でも去年の夏くらいから自分1人で映画館に行ったり買い物に行ったりし始めた。今年の夏は行き先が美術館のことがほとんどだった。

ほぼずっと東京に住んでいるのに電車の乗り換えは毎回アプリで調べないとわからない私が上野駅までの行き方は何も見なくてもわかるようになったくらい。(二、三回行けば当たり前だよ!なんて思われるかもしれないけど、、、難しい人もいるんだぜ)

美術館に行った、と言っても実は3つだけ。国立西洋美術館、アーティゾン美術館、東京都美術館。ただ国立西洋美術館に何回も行った。高校生まで入場無料だし行きたいなぁって少しでも思ったらそれこそ昼ごはんをいっつも一緒に食べている友達と会うノリで電車にホップオン!

↑夏休み1回目の美術館体験記

でもなんで自分がこんなに美術館に惹かれているのか、美術館のことを考えるとほかほかしてくる心のうちを解明すべくこれを書きながら考えていこうと思う。

まず、美術館、と言っても私は「美術館に行くことが好き」なのではないことに気づいた。
国立西洋美術館に何度も行った、と書いたけど、「国立西洋美術館に行くことが好き」な訳でもない。「モネの絵をみることが好き」なんだ!

あの美術館には、モネ以外にもピカソとかゴッホとかマネとかセザンヌとかスーラとかゴーギャンとかもういろんな画家の作品がある。改めてすごい美術館や。松方さんをはじめ、全てのすごい関係者に感謝、、、。ありがとうございます。
でもその中で一番滞在時間が長いのは、モネの絵がいっぱい飾ってあるあの部屋!あの部屋にたどり着くまでの道のりでは、もちろん目の前にある絵に集中しているんだけど、心の片隅で早くモネに会いたいという気持ちがドクドクしている。

モネの絵の前に立つと、このまま絵の前に椅子でおいてずーーーーーーっとここに居れる、なんていう豊かな気分になる。ディズニーランドとかにいるとアトラクションとか世界観とか音楽とかの魔法でこの場から離れたくない、って思わされるけど、モネの絵の場合は絵画それ一つでディズニー以上と言っても過言でないくらいの魔法にかけられる。幸せで豊かな気持ちにさせてくれる魔法。

しゃくやくの花園

でもモネの絵が視覚だけで楽しむものというわけではない。絵の前に立って、絵を「感じる」ていると絵画の中から自然の音や花々の匂いとかが湧き出てくる!絵の中に入り込んだ、というより絵と私は離れているのに絵からぽわぽわ〜っとモネの感情が出てくる感じ、、、。
そしてすごく優しい気持ちになる。モネさんに会ったことはないし喋っているのも見たことはないけど、モネさんの優しい空気と輝きを絵を通して感じ、揺さぶられる。100年前に描かれた絵でも確かにその絵画はモネの手によってつくられた。絵画を通してモネと目を合わせられるんや、、、。

ウォータールー橋、ロンドン

そう考えると美術館で絵の前に自分しか立っていない時ってすごくないか!?
この世界にほんっっっっっっっとうに一点しかない作品というかもう一つの世界を1人で受けてそれとモネと通じ合える時。わぁぁあお、、。

美術館にやってくるまで、美術館にやってきてから、絵画はどれほどの人を癒してきたんだろう。原田マハさんの「美しき愚か者たちのタブロー」を読むと、あれはフィクション混じりといえど、私たちの癒しのために戦ってきた人がいるのだなと気付かされる。キャンバス一枚に語り尽くせない物語があるんだなぁ。美術館に来るまでの旅路を考えるとこれまた絵画と向き合うのが楽しくなってくる気がする。一番やばいのはそのキャンバスがモネのおうちの庭とかにあって(特に睡蓮とか)最初は真っ白だったのにモネがそこに自分の世界を広げたってことだけど。え?あれが元々白いキャンバスだったなんて信じられないなぁ。やっぱりすごいなぁ。画家と絵画の力は、、、。

睡蓮

プロパガンダとか色々なことに絵は使われてきたけど、絵はこんなにも癒しと豊かさを与えられる存在であということを共有したい。来年は友達も一緒に連れてきたい。

あと不思議なのは美術館を出た後もその豊かな気持ちが続くということ。寂しい気持ちとかはなくてひたすら満足感と豊かさに包まれている。これは、また来れるから、とかいう他の理由ではなくてただただ絵画の力によるものだなんだと思う。

終着点のないただ気持ちを文字に起こしただけの文章だけど、、、学校が始まっても時間を見つけてモネに会いに行きたいなぁ。


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