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愛ってなんだ

家を出た瞬間本当に?と思うほど寒いですね。
手がかさついて、ビニール袋を開けるのに2分くらいかかるようになりました。困り物です。

私は今、3月に俳優座劇場で上演するミュージカル「バウムクーヘンとヒロシマ」の稽古中です。


考える私たち


稽古開始から約3週間が経ちました。
毎日長いこと稽古をしているので、体はヘトヘトです。でも、毎日新しい発見に溢れていて、心はプリプリ♪です。

原作は、巣山ひろみさんの本「バウムクーヘンとヒロシマ」

https://www.kumonshuppan.com/ehon/ehon-syousai/?code=34604


この本、本当に本当に素敵なんです。
今を生きる全ての人に読んでほしい。
このお話に出てくる、カール・ユーハイムについてすこしお話させてください。

今、スーパーに行けば必ず置いてあるバウムクーヘン、お土産にぴったりバウムクーヘン。
そんなバウムクーヘンを日本で初めて作ったのは、ドイツ人のカール・ユーハイムでした。
作られた場所は、第一次世界大戦中にドイツ人が捕虜として連れてこられた広島県の似島。
第一次世界大戦が終わった1919年の事でした。

1886年のクリスマス。
南ドイツの小さな町で生まれたカール・ユーハイムは、小さい頃からお菓子作りの職人になる事が夢でした。バウムクーヘンは当時、特別な資格がないと作れないものだったので、夜間学校に通いながら修行を積みました。
その後、ドイツの租借地であった中国の青島で喫茶店に就職し、1909年、青島に自分のお店「ユーハイム」を開きました。数年後に一度故郷に帰り、エリーゼという生き生きとしたかわいらしい女性と出会い、1914年に青島で結婚式をあげました。
そしてその数日後、第一次世界大戦が始まりました。
日本とドイツの戦争でドイツ軍が降参したことにより、捕虜となったドイツ兵は日本に送られました。
カール・ユーハイムは兵士ではなかったので、日本におくられることはありませんでしたが、戦争がはげしくなってからは、お菓子どころではなく、大好きなバウムクーヘンを焼くこともできませんでした。
翌年、活気を取り戻した青島で、カールはやっと店を再開することができました。そして愛するエリーゼのおなかには新しい命が宿りました。
あたたかい家、大切な家族、甘い香り、カールはとても幸せでした。
そんなカールのもとに一通の手紙が届きます。それは、軍政部からの呼び出しの通達でした。
カールは非戦闘員であったにも関わらず、日本軍の捕虜となりました。
そして、他の27人のドイツ人捕虜とともに、日本に連れてこられました。

これが、カールが日本に来るまでのお話です。まだまだ先は長く、話したい事は沢山あるのですが、この辺で。
カールはここから約4年間、日本で生活することになります。その間お菓子を作ることも、家族に会うこともできません。

戦争が奪うものは、漠然とした平和ではなく、人の命、愛する人、大切な夢…、もっともっと沢山のものだったんだと、実感することができました。
バウムクーヘンという優しいお菓子を入り口に、実際におきた戦争の悲しい歴史を、とても素直に教えてくれる本です。
小学6年生の颯太と一緒に、戦争を知っていく、そして今できることを考える。

想像することしかできないけれど、それでも伝え続けなければいけない事を、この本で学ぶことができました。


カールとエリーゼは第一次世界大戦が終結した後、日本で再開するのですが、そこで胸がギュッとなります。初めて読んだ時、涙が止まりませんでした。
愛は奪われてはいけない。そう強く感じました。


突然ですが、愛ってなんでしょう。私にとって愛について考える事は趣味のようなものなのですが、いまだにピンとくる答えに出会いません。

先日、ラブリー弟が誕生日を迎えました。当日は実家に帰れなかったのですが、次の日、母から連絡をもらって会いに行きました。なんと弟は、実家にいない私の分のケーキも残しておいてくれたのです。
実家に帰り、うっとおしそうな弟にハッピーバースデーを歌い(途中で離席されました)、ケーキを半分こして食べました。
一つ年をとったところも、ケーキをくれる優しいところも、ちょっと嬉しそうなところもすべてが愛おしくて、幸せでした。
稽古終わりのヘトヘトな状態でいったので、正直笑顔でお祝いできるか不安だったのですが、これまたビックリ、弟の姿を見たらめちゃくちゃ元気が出たのです。疲れが吹っ飛ぶとはこのことか!!
父が作ったおいしいごはんと、母のベッドの暖かさですっかり回復しました。これが愛なのかな。と、夜眠る前にぼんやり思いました。
どういうことかと聞かれたらちょっとわかんないんですけどネ。

言葉にするならば
今の私にとっての愛は、思いやりです。


3月26日から30日まで、俳優座劇場にて公演を行います。
イッツフォーリーズの新作ミュージカル「バウムクーヘンとヒロシマ」
小学6年生の颯太たちがキャンプに来たのはバウムクーヘン発祥の地、似島。そこは第一次世界大戦中にカール・ユーハイムがいた捕虜収容所のあった島でした。
2つの戦争を越えたバウムクーヘンの夢がつなぐ、あしたへのグレートジャーニー。
演出は磯村純さん、脚本、作詞は大西弘記さん、音楽は田中和音さんです。
素晴らしい皆さんと一緒に作品を作ることができて本当に幸せです。

ミュージカル バウムクーヘンとヒロシマ (allstaff.co.jp)

↑公式サイトはこちら
似島でのバウムクーヘン作り体験をしたときの動画もありますので、そちらもぜひぜひご覧ください!
私は、しゃもじチームに、颯太役で出演します。
初の主演です!頑張ります!


上演スケジュール

しゃもじチームは
3月26日(日) 11:30 15:00
  28日(火) 11:30(アフターイベントあり)
  29日(水) 19:00

の回に出演します。


前売りチケットの販売は26日(木)から!
とっても素敵な作品に、素晴らしい音楽が加わっています!
沢山の人に楽しんでもらえる作品になるよう、頑張ります!!!




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