私たちは慣性の法則およびエネルギー保存の法則に支配されているからして。
あー、めんどくさい。
実家から帰るときはいつもそうだ。
子どもたちのものも含めて大量の荷物を整理し、車に乗せるのもひと苦労。
さっきもつい、荷造りを放り出してダラダラしつつヨックモックのシガールを食べ過ぎてしまった。(なぜだか、実家に頂き物のシガールがたくさんあった)
だけど、めんどくさいのはそれだけじゃないような気がする。たとえ荷造りと荷解きを自動的にやってくれるサービスがあるとしても、やはり私はめんどくさがってるだろう。
たぶん、慣性の法則とエネルギー保存の法則にしたがってるのだ。
この宇宙に存在するすべてのものは、一度動き出したらずっと動いていたいし、一度止まったらずっとその場にいたいのだ。
宇宙で投げたボールは、何にもぶつからなければ延々と宇宙の果てまで飛んでいくと聞く。
そしてすべての物事は、楽で、安定していて、エネルギーが小さい方へいきたがる。
つまり、私の場合は「すごく嫌じゃなくてある程度居心地いい楽な場所であればずっといたい」と思ってしまうらしい。
私の実家好き度は10段階評価でいうと7くらい。
なんだかんだと年に4回は子どもを連れて泊りがけで帰るし、特に苦手なひともいない。親戚のみんなは子どもたちをかわいがってくれるし、日頃、子育てで疲れてるだろうと家事も頼まれたりしない。何もしないのも気がひけるので、ある程度手伝ったりするけれど。でも、子どもたちをじじ、ばば、ひぃじい、おじちゃん(母の弟)がみていてくれるから、とても気が楽。
だけど、特に子どもが生まれてからは実家で過ごすより自宅で過ごす方が楽だと感じるようになった。実家では、子どもたちの生活リズムが狂うし、より努力しないと自分の自由な時間を手にするのが難しい。
…ということを鑑みてのマイナス3。
そんなわけで、実家もわりと好きだけど、自宅から向かうときはやっぱりめんどくさくなってしまう。
そしてしばらく実家で過ごすと、今度は自宅に戻るのがめんどくさくなる。自宅では、平日のワンオペが待っている。…まさに慣性の法則。
すごく私が怠惰な人間に思えるけれど、それはちがう。宇宙の法則にしたがってるだけだ。
だから、子どもたちが楽しいからっておもちゃを部屋に散らかし放題にするのも、それを片付けるのにエネルギーが必要だから放置してしまうのも、私のせいじゃない、万物を支配するコトワリのせいだ。
けれど、この慣性の法則は良い方向に利用することもできる。
めんどうなことを始めるときは、少しばかりのやる気という着火剤が必要になるけれど、ちょっとだけ始めてしまえば、あとはメラメラと燃え始める…かもしれない。
例えば、ずっとめんどくさいと思っていたキッチンのカトラリー整理も、えいや!でやり始めてしまえば必要以上にやる気がみなぎってきて、時にはやめられなくなるほど没頭してしまうことさえある。
それから、習慣にしたいことがあるなら、とりあえずハードルをとことん下げて始めてしまうといい。
私の場合は、毎日やってる歯磨きのように、たった10分間の朝の散歩を続けてみたら、逆にやらない方が気持ちが悪い…という状態にまでなってきた。
そうして身につけた習慣は、たんたんと慣性の法則にしたがえば、ずっと続けていくことができる。
でも、この地球上には宇宙空間と違い、重力があって疲れるし、他にも諸々の誘惑やらなんやら、習慣化を邪魔してくるものがたくさんある。
エネルギー保存の法則もあるから、ちょっとめんどくさいなとか、眠いとか、やりたくない理由をみつけてしまえば、その歩みを止めることは簡単だ。
つまり、良い習慣を身につけたら、それで安心してはいけないってことなのかもしれない。
ずっと同じことを繰り返していくのではなく、そこに新しい変化や進化を加えた上で、続けていくことが重要なのだという。
先日Twitterでみかけた本田圭佑選手の言葉をみかけて、はっとした。
そしてこれは、10分散歩仲間のogiさんが、日々の10分散歩で生き物を見つけたり、新しい散歩道を開拓したりしているのがまさに該当している。
着々と日々の基本の散歩を続けつつ、楽しい方向へ進化するogiさん。カモを散歩仲間にしたり、ナショナルジオグラフィックのカメラマンになりきって綺麗な蝶を撮影したり、その上、国立環境研究所のデータベースにアクセスしちゃったりしてる。熱い…!
それに比べて自分はどうか?
最近なかなか朝起きられず、10分散歩できていない上に、何も変化を加えようともしなかった。むしろ変化を加えず淡々とやる「楽さ」に逃げていた。エネルギー保存しすぎてた…!
人間はただの物質じゃない。
ちゃんと考え、実行することができる。
万物の法則に抗うことができる。
もちろん、人間だって宇宙の一部だから、万物の法則に逆らってばかりだと疲れちゃうけどね。
楽に、たのしい方向に行くこともとても大事だし、走り出したら突っ走ってみることも必要だろうし、疲れちゃったら時々休むことも大切だ。
そんなふうに、万物の法則のゆるやかな流れに身を任せたり、時に逆流して泳いでみたり、ぷかぷか浮いたりしながら、大河の一滴としてがんばってみたいと思う。
そんなことをふわふわと考えながら、自宅へ向かう車中でこれを書いている。
うーん、やっぱり、帰ってからの荷解きがめんどくさい。
〈おわり〉
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