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自然の中でのびのびと

 自然の中で子どもが育つ、ということはどういうことなのか?
幼少期の自然体験は子どもにとってよさそうだな、と感覚で感じている人は多いと思いますが実際はどんな感じなのでしょう?
自然の中で育つ子どもたちを12年見つめてきて、どう感じているかまとめてみました。


春です、爽やかな風が吹いています。新緑の木々からあたたかな木漏れ日が差し込みます。そよ風が花の香りを運んできます。足元のたんぽぽを摘もうとしたら、小さなカエルがぴょんと飛び出してきました。追いかけると小川があって水が太陽の光でキラキラ輝いています。見上げると木々の緑と青空が目に飛び込んできます。自然豊かな場所では、動植物や虫たち等たくさんの命が溢れていて、次々と目や心を楽しませてくれます。いろいろな匂いもします。風や土や水の感触、耳をすませばたくさんの音も聞こえてくるでしょう。

森では思いっきり走りまわれます。木に登ったり、石の上からジャンプをしたり、カッコいい枝をふりまわしてヒーローにもなれます。どろんこや木の実はごはんやケーキになったり、病院のお薬になります。葉っぱはお店屋さんのお金にもなります。
大きな声で笑ったり、悲しければ大声で泣いても大丈夫。感情をのびのび表現することができます。
自然の中で遊びこむ子どもたちの表情を見たら、理屈ではなく、自然の素晴らしさを感じるでしょう。
こうしてのびのびと遊びながら、子どもたちの五感は豊かに発達していきます。皮膚や筋肉への刺激は脳の発達も促します。自然の中でのびのびと遊ぶことは、心も体も、脳もグングン育むことに繋がります。

幼児期は、心と体の根っこが育つ時期、と言われています。大きな木は地面の下でしっかりと根っこが育っているから、倒れずにどっしりと立っていることができます。地球環境や多くの社会問題、不安なことで溢れている今、子どもたちがたくましく、しなやかに生きていく為には、地面の下の目に見えない『根っこ』をしっかりと育てたい、

その根っことなるのが、目に見えない、数字で測れない能力、思考力、回復力、好奇心、共感力、柔軟性、応用力、社会性、想像力といった『非認知能力』です。

自然の中での様々な体験…思いっきり走ったり飛んだり、落ち葉にダイブしたり、美味しい木の実の季節を知って頬張ったり、焚火やナイフで調理をしたり、友だちと相談したり揉めたりしながらごっこ遊びに没頭したりすることで身についていく非認知能力。これらの目に見えない、数字で測れない能力こそが、子どもたちの生きる力を支えていくと感じています。

自然は気持ちよくて快適で楽しいことばかりではありません。山道は疲れるし、でこぼこ道では転ぶことだってたくさんあります。ムカデやダニ、スズメバチなど危険な生き物もいます。
寒さで手がかじかんだり、暑い日には小さな子は「もう歩けない」と座り込むことだってあります。崖もあるし、登れない木もあります。

そんな時こそ、育つのが非認知能力です。想像力を働かせて工夫したり、集中して取り組んだり。発想の転換で、少し休んでみたり、違う楽しみを見つけたり、時には思い切り泣いて年長さんに助けてもらうことも・・・。
自分だけではなく友だちの困りは共感力や優しさも育みます。「自分も経験しているからわかってあげられる」と。『褒められるため』ではなく、自発的に自然に差し伸べられる子どもたちの手に、かける言葉の優しさに、何度もホロリとさせられてます。

自然の中でのびのびと過ごすことは、子どもの育ちにとって素晴らしい環境だと、どろんこ園を始めて12年間、日々実感し続けています。
自然体験といっても大袈裟なことでなくてもいいのです。緑の多いところでお散歩、大きな木の下で一休み、草花を摘んだり、小さな虫をみつけたり・・・そんな経験をしたことがある方は、きっともう自然の素晴らしさを感じているし、自然の中での子育ての意義をわかっているのではないかな、と思います。

ぜひ一度、自然の中でのびのびと過ごす子どもたちに会いに、どろんこ園に遊びに来てください♡ 
森でお待ちしています~♪

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