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『自分らしく生きる』

前回の投稿の内容、「女性が働くのはお勧めしません」と言っているようにもとれるな…と感じたので、今回はそのことについて書きます。
タイトルは『自分らしく生きる』です。

まず、声を大にして言いたいのは
「お母さんであっても、自分の人生を自分らしく生きて欲しい!」
「好きなライフワークを思いっきりがんばって欲しい!」
ということです。
自分の人生は自分のもの。できなかったことを「○○のせいで」と思ったり「私はこんなに我慢しているのに…」と不満を抱いて生きるなんてもったいない。『自分らしく生きる』とは、自分の人生を自由に希望と責任をもって生きるということだと思います。

という私も、仕事と子育ての両立に困難を感じて、前職を辞めるか迷っていたときは、このままでは日々の生活に追われ、クタクタで、怒ったりイライラしたりの毎日だ…本当にこの生活がしたいことなのか?と悩み、「子どもが小さいうちは、自分のしたいことを今はガマン!仕事を諦めて子育てに専念するしかないか…」という気持ちになりかけていました。
お金の心配や、次に希望の仕事に就けるのか…という不安もありました。

けれど、どうせ辞めるなら、子育ても楽しみつつ、自分がこれまで好きだったことや興味があったけど手を付けられていなかったことに挑戦してみよう!と視点を変えてみたら、がらりと世界が変わったのです。

その当時の職場は辞めた…というだけで、私の人生が終わったわけではない。それどころか、人生においてのライフワークに向き合う生活がスタートした!そんな感覚です。

そこからは、子どもと一緒に楽しめることを中心にいろいろなことにチャレンジしました。
教育・保育・心理学の本をたくさん読み、学生時代にはまっていた絵本や児童文学を子どもの成長と共に読み返しました。好きだったモノづくり…絵を描いたり工作したり、草木染や陶芸、ツル編み、野草料理やパン焼き、おやつ作り、畑、田んぼ、キャンプや野外体験。
今ではこの頃子どもたちと一緒に過ごせた時間は、私にとって宝物です。
そして、この時期にたっぷりため込んだことが、どろんこ園を始めることにつながっていたのですね。

そんな時期を経て、長男が小学生、長女が年中になる2011年にどろんこ園が誕生しました。
本当にありがたいことに夫がとても応援してくれ、子どもたちも協力してくれたことで、12年間こうして続けることができました。
平日は、夫がフルタイムで仕事ができるようにサポートしつつ、主に子育てを私が担い、夜間や休日は夫が私の『自分らしく生きる』を尊重して、子育てに家事に、私の仕事のサポートにとフル回転。
そんな協働生活のスタイルがスタートし、子どもたちが家を離れた今でも、そのスタイルは続いています。


子どもたちに自然の中でのびのびと、自分らしく、土や火にふれる日常を…という思いで始まったどろんこ園ですが、実はもうひとつ、強い思いがありました。それは『お母さんが自分らしく生きる』を応援したかったのです。

私が我が子の子育て中に出会ったお母さんたちは、みんな本当に素敵な方ばかりで、これまでの経験や能力も豊富。ただ、『お母さん』であるということで、子育ても家事も、家庭内のほとんどすべてを担い、自分のことは後回し、という方がたくさんいました。それは今でも変わらず、子どもの為、夫の為、家庭の為に必死で、自分のしたいことを我慢しているお母さんがたくさんいます。我慢どころか、自分のことを考えたり見つめることをせずに過ごしすぎて、自分が何が好きで何がやりたいのかわからない…という方も少なくありません。

お父さんも早朝から出勤し帰宅は夜遅く、という方も多いですよね。少しでも体と心を休め、翌日の仕事に備えなければいけません。家事や子育てをもっと一緒にしたい!と思ってもなかなか難しい…。
夫婦共に精一杯という暮らしの中、互いを尊重し合うためには、心の余裕が本当に大切です。お互い心の余裕がなくてついついケンカになってしまいます…という話もたくさん聞きます。

でも大丈夫!子育てを楽しみながら、『自分らしく生きる』方法はたくさんあります。発想の転換、視点を変える、視野を広げる…
知恵と工夫で、子育てを楽しみながら自分のやりたいことにも向き合う『自分らしく生きる』ことは可能なのです。 

お母さん自身の『幸せの感覚』を自由にしていくこと。
肩書やお金にとらわれ過ぎず自分が何が好きでどう生きたいのかを基準に、もっと自分を自由にしてあげること。
その為にも仲間を作り、多様な価値観や思考にふれ自分を見つめることが大切だと思います。

そして、家事と子育てを、負担になる程ひとりで抱えすぎないこと。夫をはじめとする家族の理解を得て、夫婦でお互いのしたいことを尊重し合い、創意工夫を凝らして家庭生活を成り立たせていく、共に家事や子育てを担う…共同体感覚が大切です。

例えば、平日は母がメインで家庭をまわし、土日祝プラス有給休暇は父がという形で家事と子育てを曜日で分けて分業し、それぞれのやりたいことを支え合うパターン。また、在宅勤務や勤務時間の融通が効きやすい職種の方は、平日も夫婦で分担して園の送迎や行事に参加され、家事も分担というご家庭もあります。またおじいちゃんおばあちゃんや頼れるサポートがある方は心強くてありがたいですね。

ただ、夫婦共にフルタイムの仕事をやり続けながら、子どものいる生活を両立していくには、夫婦の協力体制や外部のサポート体制、職場の融通などたくさんの条件が伴ってはじめて、「やっと」成立するのが現状です。

本当は社会制度として、乳幼児期の子育て家庭には、長期育児休業や短時間勤務の保証や手当、子育て世代への直接給付、子育てを楽しむための支援、親たちが学び合えるための支援等が必要だと私は思っています。

しかし、残念ながら、この状況は待っているだけでは訪れません。
行政支援も、多くの職場の条件も、ここで私がつぶやいていても、どうにかなることでもないのが現実です。

『お母さんが自分らしく生きる』ことを当たり前に支えていくような社会になっていくことは、私の願いです。
じゃあどうする?今、私にできることは?
そう考えた時に、やはり私にできることと言えば、お母さんが(もちろんお父さんも!)仲間と共に子育てを楽しみつつ、自分らしくやりたいことに取り組めるコミュニティ『どろんこ園』を続けることなのかな、と思っています。

どろんこ園には、いろいろなスタイルで働くお母さんがおられます。
ライター、アーティスト、ミュージシャン、セラピスト、研究者、料理人、学校の先生も。ご自身のお子さんが卒園後、どろんこ園のスタッフになってくれた方もいます。

どろんこ園のスタッフとして園を一緒に創ってくれているのも『自分らしく生きる』女性たち。小さな子どもの子育て真っ盛りのお母さんもいます。
9時~15時の就労時間がメインで、子どもの体調不調や行事等で休みを取りやすいことも、お母さんが働きやすい場としていく大事なシステムです。
子どもも お母さんも スタッフもハッピーなようちえんを目指して、みんなで対話を重ねながら、どろんこ園は創られています。

子育ては共育ち。助け合える仲間の温かさに触れ、自分を見つめ、多様性の中で価値観とか既成概念を見直していくチャンスです。
私が好きなことってなんだろう?やりたいことって?まず何からやってみよう?そんな視点で周りを見渡すとワクワク楽しくなります。
大義から入らずとも、やりたいことをまずやってみる。
子どもも大人も、その一歩を尊重し合える、応援し合える仲間と共に…

家庭、学校、社会を創っていくのは私たち自身だと思います。
だから、まずは私が
勇気を出して『自分らしく生きる』一歩を!


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