Day7 日記と本で自分のスコープの手触りを知る
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前回日記をつづることは「積読」であること、そして本は外側から内側に、日記は内側から外側にスコープを調整する行為であるとも書きました。
つまり内と外、両側からの「積読」によりスコープが調整されます。
(スコープはここでは自分の価値観やテーマ、主観、先入観、アイデンティティなどの範囲というイメージです)
もし読書と日記、両方に触れている場合、本による外側からの力と、日記による内側からの力が釣り合う範囲が自分自身のスコープとなるはずです。
▼イメージ ▼
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相撲取りががっぷり四つになって動かないのと同じですね。
どちらかの相撲取りの力が弱まれば、すこしずつ土俵際に移動していくでしょう。
ここで大事なのは、私たちのスコープは固定されているのではなく、動かすことができるということです。
動かせることに気づく。これが、日記や読書により自分のスコープを把握することのポイントだと思っています。
このスコープをどんどん広げていけば、世の中には自分だけでなく、他人がいることが分かります。
自分と他人は違うのです(当たり前のようで、当たり前にはなかなか分からないことです)。
逆に、どんどん狭くしていけば、自分の内面にフォーカスすることになります。
これまでの話で出てきた、日記で自分の内面について知ること、自分の指針を把握することは、内面にフォーカスを当てた結果です。
では自分のスコープをどうやって動かせばいいのでしょうか。
それには、まず自分のスコープの手触りを知ることです。
本を読むことで、日記を書くことで自分のスコープは揺り動かされます。
たとえば、今の常識と江戸時代、平安時代の常識はまったくちがうはずです。
本を読んで、そうした常識の差を知ることは、自分のスコープを揺り動かします。
自分の持っているスコープが絶対ではないと分かります。
あるいは日記を読み返して、自分の価値観や感情が絶対ではないと実感することです。
今感じている感情は、一時間後にはさっぱり消えているかもしれません。
自分がいま判断基準にしている価値観は、一年前には持っていなかったものかもしれません。
その発見はスコープを揺り動かします。
スコープを揺らし、スコープに触れてみましょう。
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ここで一つ日記の書き方をご紹介します。「感謝日記」です。
感謝日記はその日にあった感謝したいことを書きます。この感謝日記、毎日特別に感謝したいことが起きればいいですが、そうあるわけではありません。
それでも感謝日記を書こうとするとき、自分にとってそれまで当たり前に思っていたことを書くことになります。
今日本を読めたこと
今日ご飯を食べられたこと
今日笑ったこと
そんな当たり前に思っていたものに感謝すること、それは自分の価値観を揺さぶる行為でもあります。
その行為は自分のスコープの手触りを伝えてくれるはずです。
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この連載は倉下さんとの共同連載です。
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