ブルームーン
そんなのどってことない、なんて言うじゃない。
そんなの小さい世界だって、言う。
実際にはそうなんだけど、受け止められるキャパに対してとか、
理解している価値観や視野の広さや他の世界をどれだけ知ってるかによって、やっぱりそうじゃなかったりするの。
抱えなくてよくても、手放し方を知らないの。
そのままでいいのかもしれないけど、苦しいから変わりたいの。
そんな時は、皆んなはどうしているんだろう。
この部屋から見える東京の街はキラキラしていて、とても静かで、窓一枚挟んだ向こう側にそれが本当にあるのかわからなくなる。
そう感じる時は、たまにあれがくる時。
謎の不安感と、絶望感と、無気力感に襲われる。
ついさっきまで普通にしていたのに。
ただ私は、きっとまだ治っていないのだろう。
腕の傷はほとんど見えなくなっているけど、左につけた想いのこもった刃先のあとだけがずっと消えずに赤く残って、たまに血が出るまでかいてしまう。膨れ上がったその傷がとれるんじゃないかって。そんなこと、絶対ないのに。
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