【小説】ワセジョvs慶應ガール②~八つ当たりの慶應義塾~【1000字】
【前回までのあらすじ】慶応卒の上司、畠山沙知に苦しめられる山中香織。血のにじむ半年間でコツをつかみ、機嫌を取ることに成功したものの、とんでもないアクシデントにより、また苦境に立ってしまった。。
山中香織 早大卒 畠山沙知 慶大卒
会社への帰り道の地下鉄。
沙知は無言でガラス窓を見つめていた。
翌日、沙知は香織に多くのこまごまとした指示をした。そしてついに香織は通常の人の1.5倍の仕事量を抱えることになった。よくあることである。
その翌日のことである。
「H社の濱田さんが顔を赤くしていたわ」
「おめでとうございます。クールなポルシェに乗るやや枯れた感じの。」
三十後半の独身、濱田敏弘は異例のルートで超人気企業に入った。異例とは、簡単に言うとこの方の出身校からはまず採用しない。
こういうケースは例外なく超一級、金ぴかのコネがある。
山中香織は畠山沙知がその濱田を好きであることを薄々察していた。
うまくいくならそれはいい事だ。と思っていた。
「ステーキ肉も熟成したほうがおいしいし、濱田さんはその感じかな」
と香織は言った。
「前にもそれ一度言ったの覚えている?山中さんがそう言っていた、といったら顔を赤くした。あなたも大したもんだ」
「肉にたとえたのでそのまま話してはマズいです、畠山さん。変な誤解されたら嫌だし、今度会いにくいじゃないですか。ほかの人もなんだかんだ、ほめているし、濱田さんをおいしそうな肉だと思ってることになりかねないし」
「山中さんも大したもんだねぇ」
二度同じフレーズをしつこく言うとなると何か腹にある。
「最近は世の中がおかしいから、あなたみたいな変な人が好かれたりする。なんか私はわかってた。私は私立でまじめに。。あなたが公立や早稲田で下品に遊んでいるときにも私はまじめにしていたのに」
香織にしてみれば著しい事実誤認であったが、沙知の心の柔らかい部分に触れた。そうか。
ところで、世の中のせいにしだしている。
「たしかに悪いのは畠山さんではなく世の中です、世の中のせいです」
とは毒がありすぎるので香織は言わなかった。
ついに世の中に八つ当たりをしだした。
いや、世の中への不満を自分に八つ当たりしているのかもしれない、と香織は思った。
【紺碧の空 ♪】
朝ドラで有名になった 紺碧の空 です。
第二話
八つ当たりの慶應義塾。終わり
それはいいとしてラジオ体操のようなテンポ
健康に良さそうだしかんたんそうです
この振り付け
もしやるなら人に見られないように自己責任で。