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そうだ、テレワークだから、お気に入りのワンピースを着よう。

会社の初動が早かったこともあり、テレワークが始まって早1ヶ月半が過ぎた。幸いパソコンがあれば、なんなら紙とペンとiPhoneとアイデアさえあれば、どこでも仕事ができる職種だし、平日・休みを問わず家で仕事することも多かったけれど、これほど「毎日フルタイム家で仕事をする」という経験は初めてだったので、最初の数日はそれなりに戸惑った。ZOOMの画面に容赦なく映し出される自分のドアップ顔と戦いながら、同じ部屋の中で、ワークタイムと夜のプライベートタイムが地続きに過ぎていく日々。外出自粛にともなう、人生初めての自炊生活(アイ・ラブ・外食)。アジアの僻地でドアのないトイレに余裕で入れる図太い順応力を持つ自分だが、いまいちペースが掴めなかった。

しかし、テレワーク数日目のある日、突然思い立ったのだ。

そうだ、好きなワンピース、着よう。

テレワークが始まってから開けずにいた、春物の洋服がかかったクローゼットの扉を開いた。そして、いちばん好きなワンピースを、着た。家に一日中いるのに、誰にも会わないのに、そのワンピースを着るのは初めてだった。それがなんだか、私のテンションを上げまくった。

メイクもした。なんなら普段会社に行く時はほぼノーメイクなのに、フルメイクをした。そして仕上げに、お気に入りのイヤリングを付けた。さらに私のテンションは上がった。体は移動していないのに、マインドが、こころが、寝起きの世界から完全に別世界に移動した。

私のテレワークは、この日から、劇的にポジティブなものになった。朝目覚めたら、これまで通りにお風呂に入る(お風呂中毒だからシャワーじゃ足りない)。そのままメイクをして、楽ちん部屋着じゃなくて、その日に着たい服を着る。なるべくスカートがいい。気持ちがきりっとして、背筋が伸びるし、ソファでダラダラ過ごさない。最後にイヤリングをつければ、私のスイッチは完全にオンになる。

これまで、女性コピーライターとして、美容やファッションの広告コピーや企画を手がけてきた。その領域でよく出てくる文脈が「メイクは人に媚びるものじゃない。自分のためだ」みたいなもの。どこかアタマだけで理解してたそんなよくあるフレーズが、初めてリアルに自分のカラダに落とし込まれた。ああ、身だしなみって、人のためじゃなくて、自分のためだったんだ。自分の一日のスイッチを入れる、清々しくて尊いルーティーンだったんだ。

どうせ家にいるから。合間に家事もやるし。洗濯やクリーニングも大変だし。とか思わずに、自粛で辛い今だからこそ、自分のために、むしろ出勤する時よりも自由に、大胆に、着飾るのも楽しいかもしれない。そんなきもちで最近は、背中部分が開いた服とか、あえてZOOM にも映らない部分を自分だけで楽しむような、「ぼっちファッション」を楽しんでます。

テレワークが急激に広まって戸惑ってる人(特に独居者)がいたら、そんな「ぼっちファッション」の楽しみをぜひおすすめします。

生活必需品がなにより優先度第一な今だからこそ、ぜんぜん生活必需品じゃない無駄な美しいものを、身の回りに置き、まとい、誰がみていなくても、自分に贈り、背筋を伸ばして今日を生きようと思うのであった。 

なくても生きていける一輪の花が、豆からひいた一杯のコーヒーが、私を生かしているのです。

来週月曜は、まだ一度も着ていない今季SSの「sacai」のワンピースで、新しい一週間を始めようと思います。(それも背中が開いてる。流行りか)

STAY HOME!ENJOY HOME!

 





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