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年末年始にオススメな「ファスティング」

これまでの連載で、腸を良くするお話をたくさんしてきました。
健康な状態に保つために大切なことは、

①補うこと ②出すこと

シンプルに、この2つです。

年末年始は特に、物理的に食べる量も多くなりがちで、自分の消化力の許容範囲を超え、出していくことが追いつかない環境になりやすいです。
胃もたれしちゃった…なんて声を、この時期よく聞いたりしませんか?

ですので今回は、②の出していくことの1つであるファスティングについて、お伝えしていきたいと思います。


ファスティングとは

日本語にすると「断食」です。
ですが単純に食べないということだけが目的ではなく、いつも通りの食生活を一旦お休みして、胃腸を休め、上手く排泄していくことを、私は目的と考えています。

消化吸収の負担になるものを入れないことに、大きなメリットがあるのです。

現代の食生活は、これまでお話してきた通り、消化・吸収・分解・解毒に、膨大なエネルギーを使ってしまいます。

ファスティングにより、身体がその作業をしなくて良いとなると、細胞の修復など、他の作業にエネルギーを使うことができます✨

最近は、16時間ファスティングなども流行っていますよね。
12~16時間、消化に負担のかかるものを入れないことで、細胞修復因子や成長因子が作られる、ということが医学的にも分かってきているのです。


腸が免疫力を作る

特に腸だけでなく体調に何か慢性的に不調がある方は、免疫状態がアンバランスになっている可能性が高いです。
免疫が弱かったり、逆に過剰になってアレルギー反応を起こしている人は、実は腸内環境が悪くなっていることも多いのです。

この免疫に大きく関わるのが腸であり、腸の粘膜には、体内の7~8割の免疫細胞が集まっていると言われています。
腸の状態が悪いと、全身の免疫が崩れることに繋がりますので、これを整えられるのが、ファスティングのメリットでもあります。


ファスティングとお肌の関係

また、こちらの記事でもお話しましたが、腸の役割で重要なのは、良いものを吸収し、悪いものを排出することです。

例えば、肌にはビタミンCを摂るのが良いとされていますが、どう肌に届けられているかというと、腸から吸収された後、血液に乗って全身に運ばれます。
そのため、全身そして肌に届く血液の質をいかに良い状態にしておくかが大切になっていきます。

血液の質をいかに高めるか。
そして血液中の炎症物質、炎症のシグナルをいかに減らしていくか。

日々の食事で、量的な負担や、化学的な負担が腸に慢性的にかかっている場合、便秘や下痢などの明らかな腸の不調を感じていなくても、腸粘膜上で微細な炎症が生じていることが多いです。

そして腸の粘膜での炎症が慢性的に持続してしまうと、その炎症物質やシグナルが血液などを介して全身に運ばれてしまうのです。
ファスティングをすることでその炎症を一旦落ち着かせることも出来ます。

クリニックでも、ファスティング後に

  • かゆみが楽になった

  • ニキビが減った

  • お肌がしっとりする

といったお声が、とても多いです。

また、シンプルな味付でも素材のおいしさを感じられたり、味覚が整うという方も、たくさんいらっしゃいます。

マインド的にも、お砂糖や小麦への欲求が減ったり、頑張ってファスティングしたんだから、良いもの食べていきたい!と前向きになれたりもします。


ファスティングのポイント

冒頭でも、ファスティングの基本は、全く食べないという訳ではなく、消化吸収の負担になるものを入れないことだとお伝えしたのですが、「実際どのようにしたら良いの?」と思われた方もいらっしゃると思います。

ファスティングをすると、頭痛がしたり、低血糖になって身体がしんどくなったり、脱水になってしまうこともありますので、きちんとした方法で行わなくてはなりません。

水分や酵素ドリンク、発酵ドリンクを摂ったりしながら、腸に負担をかけない最低限のエネルギーを取るようにするのはもちろん、状態に合わせたミネラルの補充も大切です。

特にこの時期、冬場に行なうファスティングは、もともとあまり体力やエネルギーがない女性だと、低血糖になって体が冷えてしまったり、頭痛が起きたりすることもありますので、診察を受けずにやる人は、体調が良い時に行なって下さい。

状態の悪い方でもファスティングをすることは可能ですが、初めてやってみる方などは空腹そのものに慣れておらず、普段から血糖値の乱高下がある方は、低血糖を起こす可能性が高いです。

夏場も同じで、夏バテでエネルギー切れしている状態は、注意が必要です。

また、春もファスティングにはオススメの時期です✿
春は解毒の季節とも言われていて、例えば冬眠して動いていなかった動物たちは、冬眠から覚めて、胃を健やかにしてくれる旬の山菜を食べ、身体を整えると言われています。
体力やエネルギーがない方は、春にファスティングをして頂くのも良いですし、自分の身体の声を聞いて判断してもらえたらと思います。


ファスティングをする前の準備

まず短期的な観点で、食べない日の前から腹八分にしたり、胃腸に負担のかかる動物性のタンパク質や脂質を入れないという準備が大切です。

長期的な観点では、ファスティングをする前の普段の生活から、砂糖グルテンをいかに減らし、腸の粘膜に無駄な炎症を起こさないかも重要です。

グルテンは腸の粘膜を傷つけやすく、砂糖は悪玉菌の餌となり悪玉菌が増え、腸内細菌のバランスを崩してしまいますので、やはり慢性的に体調不調がある方は、なんとなく食べている砂糖やグルテンは、いったん避けてみるのが良いでしょう。

私自身も甘いものや小麦製品も食べますが、ダラダラ何となく食べるのではなく、食べる時は思い切り楽しんで味わって満喫しています!


ダイエット効果はあくまで副産物

ファスティングと聞くと、どうしても痩せるためダイエット目的で取り組まれる方も、非常に多いです。

ですが、短期的な体重の変化としては食事を抜いた分の効果であるため、一度のファステイングだけで長期的な代謝能力を上げている訳ではありません。
単純に抜いた分減るだけ、それ以上でもそれ以下でもなく、食べたら元に戻ります。
テスト前日に徹夜で勉強して、翌日テストに臨むのに近いですかね(笑)

もちろん、ファスティングを定期的に繰り返して、普段の食事にも気をつけると、自分の骨格にあったナチュラルな体形にはなりやすいですので、長期的にみると痩せたり、体形が変化したりすることがあります。

結局のところ、食べない行為だけをやるのは本末転倒です。
その人によって、1日に何食食べるのがベストなのかなども個々で変わってきます。

ぜひ、この記事をお読み頂き、自分の身体と向き合う年末年始にして頂けたらと思います!



2021年の投稿はこれで最後となります。
noteをスタートし、たくさんの方に自分の想いを知って頂けて、本当に感謝でいっぱいです。ありがとうございます^^

2022年もまた、定期的に投稿をしていきますので、noteをフォローしていただけると嬉しいです♪
少し早いですが、来年もどうぞ宜しくお願い致します。


自己紹介記事はこちら

<経歴>
滋賀医科大学卒業後、
形成外科・皮膚科勤務医・美容クリニック院長を経て
自身のクリニック「Maiko Holistic Skin Clinic」を開院。

https://linktr.ee/MaikoYamasaki


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