見出し画像

言葉は人を暖かくする贈り物

自分の口から出てくる言葉が、温かい言葉、人を優しくする事は、明るくする言葉でしかないように、自分の口から出てくる言葉を彩りたい、って考えた人がいます。

良寛和尚という人です。

良寛さん。この人は幕末の人で1831年に74歳で死んだんです。非常に貧しい乞食坊主だって自分で言ってまして、自分は人に対してモノやカネを贈り物として与えることが全然できない。

でも、いつも人に対して何かを送りたいと思っている。

では、自分に送れるものは何か。

それは(言葉)である、と言うふうに言っていた人なんですね。

自分の口から出てくる全ての言葉が、人を暖かくする言葉、そういうものでありたいって規定をして生きてきた人だったんですが、この思想を(愛語)といいます。

私は、それを聞いてはっとしまして、それまで「不平不満、口、泣き言、悪口、文句)を言わないようにしようと言っていたんですけど、良寛さんのこのお話を聞いたときに、それらを言わないだけではなく、それをゼロにするだけではなくて、私の口から出てくる言葉は、はっきりとした自覚を持って、人を温かくする言葉、明るくする言葉、優しい気持ちにする言葉、励まし続ける言葉…そういうものしか、もう自分の口から出てこないようにしようって決めたんです。

で、それを続けていくと、これまで言う人自身にすごく恵まれてきましたが、その人間関係の厚みがちょっと増した気がしているんです。そういうものだけで、自分の言葉を彩って、今日から決意をすると、人間関係が多分変わってきます。

自分の口から出てくる言葉全部が、人を温かくするものであるって規定をして、その言葉を贈り物とする人は、豊かな人って言うんですね。

お金や物っていうのは、上げてしまうと、自分の所からはなくなります。でも、言葉と言うのはいくら出してあげても、無尽蔵に存在するものなのです。と同時に、それを外に出さない限りは持ってないのと同じなんです。

言葉は、出せば出すだけで贈り物になる。出して、初めて存在が確認されるんです。だから、心の中でいくら持っていても、それは出さなければ絶対贈り物にならないんです。

「今日はそのネクタイ似合っていますね」て思ったら言ってあげる。

「今日はそのスーツ素敵ですね」て思ったら言ってあげる。

それが、その人を励ましたり、勇気づけたり、元気付けたりする言葉であるならば、全部それが贈り物になるってことです。

で、そういう言葉を贈り物にできる人が、実は本当に豊かな人になるんですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?