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アンさんの言葉

旅にでると「あぁ、私はこの人に会うためにここに来たのか」と思うことがある。今回のパラオではまさにこのアンさんがそうだった。

15年前からこの国で環境教育のプロジェクトを始めたアンさん。「私も同じようにグリーンジャーニーっていう子どもを主役にした環境プロジェクトをやっているの。子どもたちは今私たちが思いついてもいないようなやり方で地球を守っていくんじゃないかと思っていて、子どもたちのそんな力を信じて、声に耳をすませながら環境を守る行動を作っていきたいと思ってる。」と話すと「それ、すごくわかるわ」とうなずいてくれた。そして自分が学校を始めた時のことを話してくれたのだった。

自然について知らない人が、それを守ることなんて難しい。それが一体どういうものかもわからないものを守れと言われても、守り方なんて分からないわよね。だから子どもたちはまず自然について知り、そこから学ぶ必要があると思ったの。それで、教室から飛び出して、自然の中に学校を作ったのよ。

気候変動に関してはどんな風に感じてる?と聞くと

気候変動のせいで起きている海面上昇をパラオのような小さな島国の人たちはみんな心配しているわ。気候変動の問題を解決するために私たちのような小さな国にできることは小さなことかもしれない。でも、間違った方向に行っていることの結果に最初に直面するのは私たちよ。海面上昇に関しても、サンゴの白化に関しても。小さな国の自分たちには何もできることがないんじゃないかって思ってしまっている人たちもいるけれど、そうじゃないと思う。その影響を少なくするために自然環境の中で私たちに何ができるのかを根気強く語りかけて、その気持ちをどんな風に行動に移していくべきなのか、一緒に考えたり教えたりしたいと思ってるの。

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これから私たちはどうしていくべきだと思う?という問いには

私たちはこれまでの間違いから学び、もっと自然の中でそれに寄り添う形で発展をすることができると思っている。今ね、私たちは波や風により浸食された海岸線に植樹をしているの。木は天然のエアコンよ。私はいつも葉っぱから気持ちの良い風を感じてる。もし木を切ってしまったら、地球の温度をますますあげてしまうことになる。私たちは自然から学ぶべきで、これからどんな風に発展すべきなのか、その方法や答えは自然こそが持っている。人が作ったものは決して自然にとって変わることはできないわ。私たちは自然の中でもっと調和して生きていかなくちゃいけない。

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最後に私たちはお互いの場所で、必ず地球を守ろうと握手をして帰ってきた。この海を渡った先に同じ思いを持った人がいたことは私の心をとても強くした。最後にもらったNow I have a new friend.という言葉は私の宝物になった。

何だか彼女にはまた会えそうな気がする。今度は大きくなった子どもたちを連れてまたここに帰ってきたい。お互いの道のりをその時にまた語り合えたら。私たちあの時あんな風に話していたけど、思っていたより未来は良かったねって笑いあえたら。そんな日を思いながら、グリーンジャーニー の活動のひとつひとつを大事に進めていこうと思った。

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