軽やかなひと

わたしの通っているヨガスタジオのクラスで、毎回見かける男性がいる。

年齢は30代後半くらい。
女性ばかりのクラスのため、黒一点、というかんじで目を引く。

いつもクラスの早めの時間に到着しては毎回同じ場所にマットを敷き、悠々とストレッチをしながらクラスが始まるのを待っている。

おそらくヨガの経験者なのか、わたしよりもずっと身体が柔らかいし、一つひとつの動作が流れる様にきれいだ。
穏やかに、流れる様にポーズをとりながら、静かにそこに、在る。といった感じ。

クラスが終わって、女性陣が更衣室へ着替えに向かう中、彼は側に置いた小さなバックに水筒やタオルをささっと仕舞い、教室の後ろに掛けてあったコートをさっと羽織ってそのまま入り口から出て行った。

あぁ、この軽やかさ、いいなぁ・・。と思った。

彼の静かで伸びやかな動きや、その後の去り方まで一貫して無駄がない。そしてとても身軽だ。

わたしときたら、ヨガに辿り着く前はドタバタだ。
時間ぎりぎりで出発する習性のため、バタバタと家を出て（もちろん家の中はしっちゃかめっちゃか）、時間ぎりぎりでロッカーに入り、間違ってロッカーのダイヤルロックかけてしまってあたふた。
パーカーなどを無造作に小脇に抱えて教室に滑り込む。
先日のレッスン前もドタバタでほんとに嫌になってしまう。

わたしもあんな風に軽やかで身軽でありたい。
そしてヨガのレッスンの始まる10分前には着座して、悠々とストレッチをしながら教室が始まるのを待ちたい。

なれるかな。
うん。なりたいと思うことがスタートだよね。

それでは、仕事行ってきます。
良い一日を。