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30歳目前、自分の原体験から令和の生き方を考える vol.2

私は、達成欲の塊であるらしい。

ストレングスファインダー(前回も紹介した自己分析メソッド)の結果によれば、達成欲のある人間とは、常に何かを思考して常に物事を前に進めていないと気が済まないようなタイプだそうだ。

私の場合、加えて「内省」の資質もあるのでとんでもない思考脳怪獣である。

言われてみれば、これまでもずっと(のんびりしたいな〜という時々湧いてくる希望とは裏腹に)常に何かに追われるように考えなくて良さそうなことまで思考しては目の前のことを捌きながら生きてるような人生だった。

そんな達成欲の性質がある人間は、「社会から持て余されたような状態」を感じるのが一番の苦痛。

大企業で定年間近のおじ様が仕事を何も振られずに毎日出社してボーっとして帰る、みたいな冗談かどうかわからない話を聞いたことがあるけど、絶対無理だと思う!


まぁ、おかげさまで最近の私にはそんな心配はなく、毎日すっごくワクワクしてるわけだけれど。

色んなことが目まぐるしく変化していて、その波に自分自身が乗っていて、ずっと前のめりな日々を過ごしているけど、そんな状況が楽しいと思えてるのは、達成欲の特質なのかもしれない。


違和感のきっかけ

かつて、「IoT案件」って呼んでいた請負開発プロジェクトがあった。

私がエンジニアになって、3年目にアサインされたプロジェクトだ。

その名の通りIoT技術を使った開発で、端末に送受信されるセンシングデータを処理して管理画面に連携させるため、それらの機能をプロトタイピングと並行しながら要件定義していこう、みたいな案件だった。

そのひとつ前のプロジェクトで、望まずしてリーダーをやらされていた私は、「もっと開発だけに集中したい」といったような意向を周囲に漏らしていて、だからIoT案件では技術に専念できるプログラマポジションを担うことになった。

これが良くも悪くも、自分にも周りも甘えてしまう要因になってしまったんだけれど・・・。


時間に空虚を感じる

アサイン後すぐにプロジェクトのキックオフはされたものの、それからしばらく何も進まなかった。

開発の方針も要件も何もかも思考が上流でストップしていたからだ。

まぁ、はじめはそれでもよかった。

前のプロジェクトで大炎上を経験していた私は、「定時に帰れるのをラッキー!」くらいに思っていたし、やたらネットサーフィンする時間あるけどQiitaいっぱい読んでインプットできて楽しいなぁ〜と呑気に構えていた。

だけど、そこから1週間、2週間と時間が進んでも、プロトタイピングは一向に進んでいないように見えた。

「うーん、さすがに退屈になってきたぞ…」

何が原因だかよくわからないまま、目に見えない違和感がチームに漂い始め、それはきっと他のメンバーの中にも同じように思っていた人がいたのかもしれないけど、どうしてか誰も問題提起しようとはせず、“見て見ぬフリ”をしてただ時間が過ぎるのを待っているように感じた。

どうして何も進まないのか。なぜ進捗管理しないのか。顧客にはなんて報告してるのか。

だけど、自分は自ら望んでアサインさせてもらったせっかくのプログラマのポジション。そして当時PMをしていた方は40代で経験豊富(らしい)パートナー企業の方。

直接抗議するにも躊躇われ、ちゃんとPMがいるんだからひよっこの私が意見することじゃないな、と幾度となく口をつぐんだ。

そうこうしているうちに出社すると息が詰まるような感覚になることが増え、上長や同期に愚痴を吐き、耐えられず転職活動まで始めた。

そんなある日、そのPMが突然来なくなった。


失敗するか決断するか

今となっては、PMが来なくなってしまった理由もわからんでもない。

技術難度の高い案件で、スペシャリストも多くアサインされていたチームだったからこそ、PMの出した設計案を見てキツい反論をしてしまうメンバーも多かった。(もちろん故意に強い言葉を使っている、とかではないが、技術力高い人特有の“圧”みたいなものはあった気がする。)

そんな日々で少しずつメンバー間にも歪み(ひずみ)ができ、コミュニケーションを取りづらい空気を作り出してしまった結果、全てが停滞していってしまったんだろう。

まぁ、本心のところはわからないけど。(あれ以来誰も連絡がとれなくなってしまったからね)

だけどもっとわからなかったのは、その当日こそチームがザワついたものの、誰もその状況を変えようとする人がいなかったってことだ。

「このままじゃ、この案件は確実に失敗する。」

そんな危機感だけはあった。

どの道もうこの船は泥舟だなー、なんて思った私は、全ての気持ちをリセットしてリーダーを名乗り出た。


* * *

正直、そのチームの中での当時の私の技術的なスキルは中の下だ。

そんな私がPMの代わりをするなんて、普通ならあり得ない。

でも、周りを見渡した時、こんなにスペシャリストがたくさんいるのにどうして開発が進んでいないのか、を考えたとき、今圧倒的にチームに足りていないのはマネジメントをする人材だった。

自分は、技術は完璧でなくても、思考することができる。それを言語化することができる。そして行動に移すことができる。全員とコミュニケーションがとれる。

そうやって自分で自分を奮い立たせて納得させた。

そのまま気づかないフリをしていることのほうが、よっぽど苦しかったからだ。


* * *

各方面のステークホルダーの方達と調整の上、自分がマネジメント側にまわると、プロジェクトの歯車がカチっとハマった感覚があった。

(というかこの時は必死で自分ではわかっていなかったけど、後々メンバーだったエンジニア達に「あの朝会の日からチームが動き出したよね!」と飲む度に言ってもらえるのでそうだったんだと思う。まぁ、大変なタイミングでリーダーやらせて申し訳なかった!という同情もあるだろうが。笑)

せっかく定時で帰ることができていた生活から一変、またみんなで夜食片手に残る日が続いてしまったし、夜中には不安で眠れず泣きながら朝を迎えることもあったけれど、それでも私は確かな充実感をもっていて、心は確実にワクワクしていた。

そうして体制を再編した後、「プロジェクトはちゃんと進んでいる」という実感を得ながら、なんとかシステムテスト、性能検証も終え、納品を迎えることができた。

みんなでお疲れ様、って言い合って拍手なんかしちゃって。

この時、開発プロジェクトを進める武器は、技術が全てではないんだ、と思った。


自分の特性を知る

あの時、私以外にもメンバーは10人程いたし、みんな私よりもずっと経験があるスペシャリストで、エンジニアとしてのスキルには長けていた。

けど、それでも誰一人チームの状況を改善するように先導しなかったのは、これもある種、各自の特性によるところなんだと思う。

私はきっと、思考し続けなきゃ居ても立っても居られないタイプ。

だからこそ周囲の状況に気がつきやすく、課題解決のために思考がはたらいてしまう。

これはどんなに自分がのんびりしようと思っても辞められないものなんだと思う。

その一方で、自分が思考戦略するのではなく、誰かに先導されて初めて力を発揮できる人もいる。

私自身が拙い技術しか持っていなくても、ゴールまでのレールを敷いてあげることで、技術力で加勢してくれたメンバーたちがそうだ。

だからプロジェクトを進めることができた。

(決して彼ら彼女らを思考しない人だとは言ってない。そもそもエンジニアがどれだけ思考を張り巡らせているかは私もよーーーく知っている!)

いかにして自分の特性を理解するか、自分の仲間の特性を知るか、これは今になってもマネジメントする上でずっと大事にしていきたい要素の一つだ。

私があの時、あのまま見て見ぬフリをして転職でもしていたら、きっとIoT案件は終わらなかったし、翌年マーケティングの部署を立ち上げることもなかったし、腹を割って話せる仲間もできてなかった。

自分が心に違和感を持ったとき、考えるべきことは環境のせいにすることではなくて、自分の特性を知ること。

同じ環境でも、満足している人もいれば、違和感をもつ人もいる。

それは誰が良くて誰が悪いとかではなくて、それがその人たちの特性だからなんだ。

今日もまた、誰に頼まれたわけでもなく、そんなことを考える。


達成欲の資質がある人には、プロジェクトを推進していくとか、チームをつくるとか、あらゆる角度から物事を考える必要のあることは向いているのかもしれない。


今日は、有料おまけコーナーなし!

(なんかこの一週間で色々ありすぎて納得いく言語化ができなかった・・・)


30歳まで、あと20日。

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