見出し画像

心が風邪をひいて…?

 心療内科を受診することを決め、受診してみたので、その記録をと思って書くことにしました。今まで自身の中に持っていた偏見に対する反省と、もしだれかがこの文章で心療内科に行くことへのハードルが下がって、救われるようなことがあったらいいな・心療内科ってどんな感じなの?と思っている方に流れが伝えられたらというエゴと、将来もし心療内科に進むことがあった時に、患者としての自分の気持ちの記録として。

 あまり前向きな人間ではない上に、今回は心療内科を受診するに至った理由を書いているので、こんなん読んでて気分悪くなるわ!という方もいる(もしかしたら多い…?)かもしれません。その時は、読んでくださったのに、本当にごめんなさい。


【今まで】
 高校生の時から、しんどくて辛くて、でも、精神科にはかからなくても大丈夫だろう、なんてものを、何度も何度も繰り返していました。ネットで調べたうつ病や双極性障害、統合失調症やらの診断基準と自分の状態を比較しながら、「まだ大丈夫」「自分はこれのどれにも当てはまっていないから、診察してもらったところで何か変わるわけでもないだろうし」と自分に言い聞かせて。大学に入っていからもより専門性(?)を増して、DSM-5の診断基準には当てはまらないし…なんて、ずるずるずるずる。結局一度も精神科や心療内科を受診する決心はつかなかったのです。



【受診を決めるまで】
 先週ぐらいから、わけもないのに心の引っ掛かりが取れない。人といると楽しくできるし気が紛れるのに、一人になると寂寥感に苛まれたり。考えてもどうしようもないことをぐるぐるぐるぐる考えてしまい、答えのない自問自答に憑かれて疲れてしまったり。人ごみに出て散歩をしていて、不意に焦燥感に駆られたり。理性が飛んでいきなり暴れだしたり泣き出してしまったらどうしよう、と心配になったり。駅のホームや横断歩道の信号待ちをしていれば、このまま飛び出して自殺なんてしてしまったらどうしよう、と不安に駆られたり。優しさの溢れるような言葉に触れるだけで涙ぐんでしまったり。この状態で対応することで、大切にしたい相手に迷惑をかけたくないがゆえに突っぱねてしまったり。それで、冷たい対応を取ってしまった自分への自己嫌悪に陥ったり。食欲が低下して、体重が落ちてしまったり。料理の材料を買いに行こうと思っても、食べれないから食材に申し訳ない、なんて考えて、買い物すら億劫になってしまったり。周りの人に避難されているような気がしてしまったり。こうなってしまった原因もわからないので、どう対応していいかわからなくて泣いたり。酷い時には動悸もする、息苦しい感じもする。以上のような状態が、数か月に1回など繰り返していたり。“わたし”を守っているガードがすごく薄くなって、爪を立てただけですぐに出血してしまうような、ゼリーのいっぱい詰まった大きな瓶に一人ずぶずぶ沈んでしまうような、そんな感じです。最近、村上春樹作品を多く読んだせいか、うまくもない比喩を使ってしまいました。
今期、大学で精神科の講義を聞いてきて、別にこれといった診断はつかないだろうと思ってはいるのですが、食欲がなくなって体重が浪人時代の一番落ちた時期に並ぶくらいになってしまったので、これはさすがに「生活に支障が出ている」だろうと思って、試しに受診を決めました。
 この文章も、明日(ここまでの文章は診察の前日に書いていました)診察で伝えたいことをちゃんと伝えられるように書き出しておこう、と思ったのがきっかけです。


【予約】
 今はネットの時代。予約はオンラインで済みました。日時と時間帯を選択して。電話をする、というのは、結構ハードルが高いことなので、これは嬉しかったです。予約確定メールも、文章から優しさが感じられるようでした。これは、”心療内科からのメール”と、意識して読んだからかもしれません。


【診察に向かうまで】
 受診日当日。その日はちょうど、どこまで気分の落ち込みも激しくなく、むしろ回復したぐらいかな?なんて思って、予約をキャンセルしようかな、と考えてました。けれど、ここまで決めて決心までしたのに、ここでいかないのはもったいない、と思って心療内科へと足を運ぶことになります。向かった心療内科は、割と大きな通りに面しているビルの地下1階に位置しており、通りからは看板が見ます。というと、もちろん、わたしが階段で地下に向かえば、それは「わたしは心療内科に行く」と周りからわかることになります。正直、少しためらいを覚えてしまいました。「あの子は心療内科に向かう人」、そう見られているんだろうか、なんて。



【診療所に入ってみて】
 「普通だ」“普通”という言葉が、適切な表現だとは思いませんが、ぱっと浮かんだ言葉はこれでした。待合室で並んでいる人たちに、いかにも心を病んでいる、みたいには見えなかったのです。ちょっと風邪っぽいから、花粉症がひどくて。違和感と言えば、金曜日のお昼前、その割には若い人が多いかな?くらいで、そんな外来の待合室の一コマのようでした。拍子抜けしてしまった、のです。なんだ、本当に「心が“風邪をひいた”」なのかな、と。川のせせらぎのBGMがかかっていたのですが、それが心療内科を心療内科たらしめていたような気がします。



【診察】
 初診だったこともあり、30分ほど待って、名前が呼ばれました。最初に自己紹介されたのは、カルテ記入のために同席するという秘書(?)さん。診察室は、通常の病院にあるようなベットや医師の前のPCはなく、長机越しに医師と向かい合い、斜め前にカルテを記入する秘書さん(秘書さんの前にPCがある)。なるほど、しっかりと医師と患者が向き合って話せるようになっているんだな、と思いました。通常、診察室には医師一人で、医師は患者さんに向かって体側を向けている格好となり、医師の前にPCがある。医師は患者の方を向いたり、PCに向かって文字を打ち込んだり、“医師が100%患者に向き合って診察が終わる”、は経験したことが無いし、たぶんないんだろうと思います。問診が重要になる科なだけあって、しっかりしてるんだな、と、少し感動したり。
 事前にWebで問診票を記入していたこともあって、スムーズに話は進んだ気がします。いつから辛い状態が続いているか、親族にうつなどで診断された人はいるか、今までこのような症状があったことはあるか、などなど。甲状腺機能の異常でもうつのような症状が出ることがあるので、ということで、血液検査を受けることに。今期の講義に精神科があったので、聞き覚えのあるものも多く、「なるほど、こう質問するのか」なんて、勉強になったり。
次回の診察で検査結果を伝えられるらしく、初回は漢方を処方され採血され、CES-Dとバウムテストという心理検査(?)をしてで終了でした。

 (DSM-5のうつの診断に関する項目(いうなれば期間ぐらい?)も、統合失調症に関する質問も、強迫症や不安症を鑑別するような質問もされなかったので、たぶん甲状腺機能異常を除外した上で、次回以降詳しく症状を話したりするのかな?なんて思いました。)

 さて、診察室にいて話している時も、待合室に戻った時も、「もう一人で悩まなくていいんだ」と、なんだか少しほっとして、それこそ“張りつめていた緊張が解けるよう”でした。
 悩みを相談できる相手はいる。親族・友達・恋人。信頼はしている、けれども、相手が大切がゆえに「迷惑をかけては申し訳ない」だったり、「面倒くさいやつだと思われたくない」だったり、「腫物扱いされたくない」だったり。わかってもらえないことで、勝手に相手に失望してしまうのも嫌なので(母親にはこれをしてしまったのでややトラウマ)、結局、悩みを相談できるような信頼できる相手には相談できない。なんだかややこしいですね。
 言い方は悪いのですが、心療内科の医師なら、自分とは全く関係のない人間で、今回の情報が洩れる心配もない、これを生業にしているんだから適切な対応をしてく入れる、いうなればプロなのです。そう思ったら、もっと早くに受診してもよかったな、なんて思うのでした。


【受診後】
 今回受診して、わたしは相当“心療内科”に対して抵抗心、過度な言葉を使えば偏見があったのだな、と思いました。「心が風邪をひくこともある、そんな時は心療内科に」知っていた、理解していた、わかっていた。優しくて、優しいがゆえに心を病んでしまった友人たちを、厄介だなんて思うことだってなかったし、おこがましくも、できれば支えになりたいと思っていた。のに、だ。もしかしたら、「心療内科に行っているだって」って他人に後ろ指指されるじゃないか、何か言われてるんじゃないか、そう考えていたその言葉は、もしかしたらわたしが全部作り出していた言葉なのかもしれない。もしかしたら、心療内科を“意識しすぎていた”がゆえかもしれない。どうなのかは、わからない、です。

 さて、この文章を書いているのは受診の翌日です。正直、受診を決めて受診した、で、ずいぶん心が軽くなっているので、今は来週の結果待ちの状態です。今気分が大丈夫なのは、一時的なものなのか、そうじゃないのか、抑うつ状態のほうが一時的なものなのかそうじゃないのか、はたまた、甲状腺機能異常なのか。来週の結果と診察次第です。どうなるかはまだまだわかりません。もしかしたら、次回からから“うつと向き合うシリーズ”になっていたり、“甲状腺機能異常を治療するシリーズ”が始まったり、はたまた、なんでもなかった報告になったり、なにも書かなかったり。

 …うまく締められなかったし、思った以上に長くなったので、ここまでにします。もしかしたら次回受診後も、何か書くかもしれません。もし、ここまでよんでくれている方がいたら、本当にありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?