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芸人キングコング西野さんと仕事をした話

十数年前。札幌の小さな劇場でキングコング西野亮廣 独演会のスタッフをした
当時、私は18歳、放送作家になりたくて専門学校に通いながら、札幌吉本で舞台進行という仕事をバイトとしていた。
札幌吉本は、月に6回程のライブを主催。北海道に住む芸人が所属している。
ライブで使う小道具の用意、本番中の舞台裏方業務が主な仕事。
たまに東京から人気の芸人さんが出演する時は、お客さんが沢山入るが、通常はガラガラで、お客さんより演者の方が多かったりする日もある程だった。

そんな中、キングコング「西野亮廣 独演会」をいつもライブで借りている小さな劇場でやるという。
当時。キングコングの西野さんと言ったら「はねるのトびら」で大人気。
昔っから、お笑い好きの私は関西でWEST SIDEというキングコングがお笑いアイドルグループをやっていたのも知っていたし。
若手で注目度、面白さと実力はグンを抜いていた。
そんな西野さんと仕事ができるなんて札幌のスタッフからすると夢のようだった。
しかし。なぜだかその日に限って、札幌の他のホールで、吉本でもなかなか気難しい芸人さんが来て単独ライブがあるとのことで、吉本社員並びに、先輩スタッフまでもがそっちのライブにつくという。 
ということは、私を含め新人スタッフ3人で。キングコング西野亮廣の独演会の音響と、照明と、舞台をよろしく!という無茶ぶりをしてきた。(こういう無茶も吉本らしくて好きだったけど)

そんな新人3人がスタッフであることも知らずに、当日、西野さんは、オーラを放ちながら
「おはようございます!よろしくお願いします」と入ってきた。

いつも見ている札幌の芸人とオーラが違いすぎて、あぁ。コレが売れる芸人のオーラかと思った。
この時から服装が既にオシャレで洗練されていた。(舞台に立つ人間。服装を気にするのは大事です)
客席に座って、舞台の見え方をチェックする西野さん。どこへ座っても立っててもいちいちカッコいいのです。(のちのちゴットタンで、このカッコよさをイジられてて笑いましたが。普段から出てしまっているものです)

独演会の舞台は何も難しいことはなく。
38マイクを用意してくれたら、僕がずっと喋り続けます!
ということだったので。
客入れ時のBGM。明転。暗転で成り立つライブだった。これは新人3人でも出来る。
もぎりやお客さんへの対応は札幌の若手が手伝いにきてくれました。

キングコング西野さんのライブ。そりゃ地方でも、お客さんはパンパンに入った。

音響に1人。照明に1人。私は舞台袖にスタンバイ。
私はライブ中に、もし西野さんに何かあったら対応する。
(例えば、一番前に座っている女の子が可愛いすぎて鼻血を出してしまったらティシュを渡したりする)

ライブが始まる。舞台裏で「よろしくお願いします」と挨拶をし。
舞台に出ていく西野さんを見送る。
ステージに立つと満員のお客さんは大盛り上がり。
独演会というだけに、西野さんはただただ喋り続けました。

正直、マイクをONしなくてもいいぐらいの劇場に響く大きな声は最後まで持続したし。

今日、札幌まで来た道中も面白くトークに入れて、お客さんは大喜びだし。
現場の空気感を感じて間や身振り手振りを上手に入れ、マシンガントーク。

お客さんよりも、誰よりも楽しそうな顔をして夢中で喋っていた西野さん。
私は1人、舞台袖からその西野さんを見ながら、この人は凄いぞと鳥肌がたったのを覚えています。
舞台に一人で、自分の話術だけで、こんなに沢山の人を笑わせることができるのはカッコよすぎる。

テレビに出て売れっ子なのに、わざわざ札幌の小さな劇場にくるということは、生の笑いを大事にしている証拠で。お客さんの顔を見て、声を聞きたい人なんだと
だから今、オンラインサロンという形で沢山の人と繋がるというやり方は彼らしいし、自分が面白いと思ったことを追求したり、笑いや何かを生み出すということが、とことん得意で好きなんだなと勝手に分析してる。

独演会は西野さんが可愛い女の子を見て鼻血を出すような事もなく無事に終了。
「西野亮廣 独演会」はとにかく良いライブだった。
終了後、新人スタッフ3人の結束力も強くなり、キングコング西野さんライブをやり遂げたという達成感の中、笑顔で札幌の吉本の事務所に戻ったら、気難しい芸人さんの舞台に入ったスタッフが死んでいた。何があったかは恐ろしくて聞けなかった。

舞台の裏方スタッフとして思うこと。
この人のライブを次もスタッフとしてやりたいかどうかって凄く重要。
お笑い芸人さんってホントにすごくて。
例えばライブ中にスタッフとしてミスしてしまう。その事を誤りに行ったら、むしろ笑いになってウケたからええよーって言ってくれたり。
その器のでかさ。失敗もプラスにできちゃう能力。これカッコ良すぎると思いません?
そんな自分のミスを笑いにして救ってくれる神様みたいな事が出来る人が芸人さんには実は多くて。
そういう人のライブは、次はもっといいものにしたい!!って思うし。
なんなら自分たちがライブを企画して来てもらえるように頑張っちゃう!!一緒に仕事したい!!って原動力になる。
っていうのを西野さんはオンラインサロンでやってて、どんどん広がって、西野さんと仕事がしたい。西野さんの作品に協力したいって人が増えて凄いことになってます。
この「西野さんの作品に関わりたい」「西野さんと仕事がしたい」ここ本当に凄く重要。
でもオンラインサロンや絵本作家の前から凄い人だったんですよ!!と言いたくなったので、今回ちゃんと書いておこうと思った。

ちなみに私はその後、バラエティ番組でAD、さらには大阪の吉本で舞台進行係まで経験し、お笑いの世界にどっぷりのめり込み
「舞台に立つ芸人の背中がこの世界で一番カッコイイ」と思っている。
人を笑顔にする最高のエンターテイメントを作るのはお笑い芸人だと私は信じて疑わない。

今日で西野さんのオンラインサロンに入って一週間程経ち、またお笑いに関わる仕事したいなと思ってきました。やっばり芸人さんの発想力とか凄いなと。
お笑いが私の人生を素敵に変えてくれて、いろんな芸人さんを見て学んだお笑い哲学が私の中でいっぱいあるので。
(ネガティブだったのがポジティブになれたとか。人前に出れなかったのが平気になったとか)
お笑いの凄さ。面白さを。これから、ぼちぼち書いていけたらと思ってます。
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