最強のシミ取りクリーム｜レチンAクリーム
こんにちは、まいばるです。パスポート写真が革命軍の女リーダーです。
タイで暮らしてみて何が一番良かったかと聞かれたら、「便秘と肌荒れが改善されたこと」だ。このツートップがあまりにも強過ぎて、価値観が変わった系のフワっとしたやつはどうしても便秘の前に霞んでしまう。
しかしあえてこの二強に殿堂入りという形で引退して頂くならば、一番は「タイの良さを知って、日本の良さにも気づけたこと」だ。特に気候や自然はそれぞれの国の良さがあってどちらも素晴らしい。苦手だった日本の冬も今はどこか懐かしい。ただし花粉、てめーはダメだ。
ちなみに便秘が治った話は別の記事で書いているので、時間をドブに捨てたい気分の時にでも読んで頂ければ幸いだ。
タイ生活で肌荒れが改善した理由
本題に戻るが、一体なぜタイ生活で肌荒れが改善したのか。「マンゴスチンの美肌効果が～」などと、ねむたいことを言い出すつもりは毛頭ない。はっきり言おう。それは《レチンAクリーム》というおクスリの力に他ならない。これは美容クリームではない、世界が認めた医薬品である。
様々な美容品が溢れるこの世の中、何が正しくて何が間違っているのか、明日をも見えない霧の中で我々はかたつむりの粘液を顔面に塗りたくるなど、いまだ中世暗黒時代の様相を呈しているのが現代の美容業界である。
その中でただ１つ輝く北極星、確実な効能を立証されているのが《医薬品》である。止めないでくれぇもう俺にはクスリしかねぇんだ！！と末期の人が握りしめているのがそう、《レチンＡクリーム》だ。
レチンＡクリームは《タイのシミ取りクリーム》として有名だが、ニキビや毛穴の黒ずみ等にも有効な万能クリームだ。このありがたいクリームを求めて、多くの人が三蔵法師の如く日本からはるばるタイへとやってくる。彼らはタイトなスーツケースにレチンAクリームをねじ込み、祖国へ持ち帰る。こうしてタイの最強シミ取りクリームは日本でも布教していった。
レチンAクリームとは
「この腐敗した世界、一回全部ぶっ壊してやり直した方が早くね？」という神の思想に達してしまったのがレチンAクリームである。このクリームをひとたび使えば、貴方の顔面は第二のソドムの市になるだろう（マイバルの福音書第５章１３節）。
ソドムの街は神の怒りに触れ、天からの硫黄と火によって一晩で滅ぼされた。
レチンＡクリームは「まず君の顔の皮を全部剥がす…それから全身だ…」と拷問めいた手法で、こちらの皮膚を全部引っぺがしにかかってくる。
仕組みとしては《トレチノイン》という成分が作用して、肌のターンオーバーを促進させる。これによりターンオーバーが爆速になるため、皮膚の生成が間に合わずに顔面ズル剥け状態になるという訳だ。
レチンＡクリームの効果
私の肌質は脂性肌（混合肌では？という学説も最近出てきた）だ。あぶらとり紙５枚通しの超高校級の記録を残した全盛期に比べれば、さすがに近年の年間皮脂生産量は減ったが、未だ現役を貫く脂性肌界のトップアスリートだ。
皮脂の分泌量は遺伝子というその血の運命（さだめ）によるものが大きいと聞き、既に諦めの境地であるが、主な肌トラブルはニキビ、ニキビ跡（色素沈着・クレーター状)、毛穴の開き・黒ずみ、いちご鼻、シミと、肌荒れの数え役満である。
いちご鼻への効果はバツグンだ！
いちご鼻の治療法については長年日本でも研究がされているが、毛穴すっきりパック（通称KSP）が彗星のように現れたかと思えば、角栓を強引に剥がすのは良くない、という学説が出て来たり、未だ決定打が見つかっていないのが現実だ。しかし僭越ながらこの私にひとこと言わせて頂くなら、
「角栓がダメなら毛穴ごと剥がせば良いじゃない」
特に私は毛穴が開きが凄まじく、あまおうもかくや、という見事ないちご鼻ぶりであった。そんなガバガバ毛穴が、角栓ごと全て剥がすことでリセットされる。１年以上経つが、今のところ毛穴が開く気配はないし、角栓も詰まらなくなった。これはもう現代の奇跡としてバチカンに申請予定だ。
ニキビのライフはもうゼロよ！
トレチノインはアメリカではニキビ治療薬として使用されていただけあり、しつこいニキビに対しても抜群の効果を発揮する。
私のおでこ一帯はニキビ軍が不法に占拠していたのが、レチンAクリームの絨毯爆撃により壊滅した。一部のニキビはアゴ周りに亡命したため、現在《ヒルスカー》というバイオハザードの敵キャラみたいな薬で追撃中だ。こちらもタイの薬局で購入できる。究極の保湿クリーム《ヒルドイド》と名前が似ているので間違えないように。ちなみにレチンA・ヒルスカー・ヒルドイドがタイの神クリーム三種の神器である。
レチンＡクリームはニキビ跡にも効果的で、色素沈着からクレーターにも効果がある。繰り返し使うことで月の裏側みたいになった私も肌も少しずつ平らになっていったので、諦めないで真矢みきしてほしい。
それでもレチンAなら…レチンAならきっと何とかしてくれる。
いつしか陵南にとっての仙道のように、レチンAは私の心の支えになっていた。
レチンAクリームの買い方
現在、トレチノインを配合した製品は日本では売られていない。厚生労働省がGOサインを出さないのも納得の超弩級の副作用を持つからだ。これを認可した日には国民生活センターの相談窓口がパンクするだろう。
しかしタイでは普通に店売りされている。ドラッグストア《Boots》や《Watson》、薬局等で購入可能で、お値段も150THB（約600円）と大変お手頃。医師の処方箋も必要無い。ガタガタ言うやつはマンゴスチンでも食ってろ、というスタイルだ（マンゴスチンへの熱い風評被害）。
店頭で聞いた場合、レチンAクリームの代わりの薬品を勧められることがある。上記の薬もトレチノインが0.05%含まれており、効果はレチンAクリームと同じである（実際に使った）。トレチノイン含有量が0.025%のクリームもあるので、購入時にはよく確認してください。
日本ではレチノール（ビタミンA）配合の製品が売られているが、これはトレチノインとは似て非なるものなので混同しないように。平たく言えば、レチノールの進化形がトレチノインである。進化前より進化後のポケモンの方が強いのと同じだ。
レチンAクリームの使い方
就寝前に塗り、翌朝はしっかり洗い流す。3日ほど続けると皮膚が日焼けしたように赤くなり、皮が剥け始める。5日目辺りで使用を止めると赤みが引いていき、2、3日で綺麗な肌に生まれ変わる。開封後は冷蔵保存、冷凍保存なら3ヶ月ほど持つ。
目や口の周り等、皮膚の薄い部分には塗らないでください
クリームを塗った手は必ず洗い流してください
日中は日焼けしないよう気をつけてください
繰り返し使用する場合は１ヶ月程の休薬期間を設けてください
個人的な感想
最初はおそるおそる顔の一部分にのみ使用していたのだが、その部分だけ白くなり、周囲の肌の色と合わなくなってしまった。そのうち恐怖も薄れ、最終的には顔全体に塗りたくっていた。ピリピリとした痛みもニキビ共の断末魔だと思えば心地よく、慣れとは恐ろしいものである。
結果、顔全体がワントーン明るくなったので良しとするが、そのくらい強い薬効を持つのだ。少しでも異常を感じたらやめろ、と言いたいところだが、使用中は異常しか起こらないのである。引き際は各自で見極めるように。
これは全く余談だが、時は戦国、美容業界にパーソナルカラー診断なるものが現れ、「この世には二種類の人間がいる.…」とばかりに人々が肌の色でイエベ（イエローベース）とブルべ（ブルーベリーチーズケーキ）に分けられ、戦争が始まったことは歴史の教科書に書いてある通りだ。
そこからさらにイエベ（春）、ブルべ（秋）、ヒルクライム（春夏秋冬）など民族は細分化され、それでいうなら私はイエベ（黄疸）なのだが、ブルべ（貧血）の相方から事あるごとにマウントを取られていて非常に辛い。
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