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義母との同居を解消したい!④

【突然の異動】

順風満帆に見えた我が家の新築計画に、忍び寄る悲報…
それは、夫婦揃っての転勤辞令であった。
同じ職場に勤めてた私たち夫婦は、引っ越しを伴う異動の指示を受けることになる。

職場に新居のことは伝えていなかったものの、まさか、このタイミングでお声がかかるとは…
働き盛りの20代後半、自分たちの立場も考えて、とても断れる雰囲気ではなかった。

さて、困った。

そうこうしているうちに、家が建ってしまう。

転勤なんて一旦出たらいつ帰ってこれるかわからないのに、家が建ってしまう。

ハウスメーカーの担当者に転勤の話をしたのだが、人が住んでいない状態で家を放置するのは、家にとって良い状態とは言えない。場合によっては家が傷んでしまうことも考えられると言われてしまった。

ここで私たちに残された選択肢は3つ
①転勤を断る(もしくは仕事を辞める)
②兄夫婦にお願いして、月に1回でも家のメンテナンスをお願いする。

そして禁断の…
③義理の母が先に住んで、生活(メンテナンス)してもらう。

いやいやいやいや…③はナシでしょ!
どう考えても問題大アリでしょ!!!

揉めること必至でしょーーーー!!!


と、現在の私からの大声ツッコミなど届くことはなく、すでに将来の同居を考えていた我々にとって、新居のことを想うあまり③もやぶさかではないという結論に至ってしまったのだ。

今となっては、当時の状態は思考能力の著しい低下としか思えないのだが、本当のところ当時の私は義母のことをよく知らなかったのだ。

夫から色々と仰天エピソードは聞いていたのだが、それもほんの一部で、昔の笑い話として聞いていたし、当時は年末年始に挨拶に行く程度の付き合いしかしていなかった。


唯一、思い出されるものといえば、両家顔合わせのときのこと。

義母が昔お世話になっていた方のお店を予約することになり、私の両親が地元から出てきてくれて、義母のために手土産のお菓子を持ってきていた。
お店の方と話していた義母に、私から両親を紹介して、その菓子折りを手渡すと、なんと義母は、その菓子折りを
「まぁ、どうもすみません。せっかくだから…」
と言いながら、お店の方に渡そうとしたのだ。

その場にいた全員が「んっ!???????」という顔になり
夫がすかさず、「何やってんだよ、頂いた物だろ。」と
その菓子折りを引き戻してくれた。

夫曰く、義母は私の両親から手土産を受け取ったことで、自身が久しぶりにお会いしたお店の方に、手土産を用意していないことに気が付き、テンパった結果、人から頂いたものを、本人の目の前で他の人に差し上げようとしてしまったらしい。
つまり、見栄っ張りでついやってしまっただけで、全く悪気はないとのことだ。

当時の私は「アレはなかったよね!」と呆れながらも笑ってしまった。
両親も、驚いた様子ではあったのだが、夫がしきりに謝っていたので「気にしないで」と声をかけていた。

実の母のことをよく知っていたはずの夫であったのだが、最近ではすっかり落ち着いて生活している様子だったので、そんなに問題があるとは思っていなかったようだ。


話は少し逸れたが…

あくまでも勘違いしないでほしいのだが、ここで重要なのは、家のメンテナンスのため判断能力が低下していた点と、義母にその話を打診した際、決してこちらから強くお願いしたわけではなく、一つの案として考えている旨を伝えただけである。

バリバリ働き盛りで①の選択はナシとして、②の兄夫婦への依頼することも、同時に考えていたのだが、兄夫婦の生活もあるからと、その負担も懸念していた。
③なら、まぁ遠い将来の同居が(だいぶではあるが)早まっただけだし、生活しながら掃除もしてくれるし、兄夫婦を手間取らせることもないしと、割と前向きには考えていたのだ。

ただ、この選択が命取り

若気の至り

終わりの始まり


想像していた幸せのマイホーム生活に小さな亀裂が入った瞬間であった。



つづく

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