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あるお姉さんとの思い出

クライアントとしてプロコーチのセッションを受けていたのに、気づいたらコーチ的働きかけになっていた??
そんな一幕が昨日あった。
そんなこと意識してなかったし、何かしようと思った訳じゃない。

そして普段私はコーチングの相互セッション練習をしきりにやっているのだが、コーチになりたいという訳でもなく、ただただこの相互が良いと思い続けている。
何が良いのだろう?何がしたいのだろう?


中学2年の終わり頃、母の知り合いのつてであるお姉さんに家庭教師に来てもらっていた事があった。
私はそのお姉さんとの時間がとても印象に残っている。

こんな言い方はどうかとは思うが、そのお姉さんは決して優秀な学校に行っているわけではなかった。
結果的に私が高校受験で滑り止めに受けた私立高校の生徒だったのだ。
短大合格が決まり、家庭教師を始めたのだったと思う。
なので私の模擬試験の結果を一緒に見たときも、お姉さんは素直にスゴーイという声を発していた。

ウチは教育熱心から程遠い家で、両親から勉強しろと言われたことがない。
あなたの好きなようにしなさい。と意思を尊重してくれる有難い環境だった。
そんな私は当時、お姉さんの学校のレベルなどについて別に何とも思っていなかったし、そんな環境だけに、そもそもガツガツ勉強するタイプでも全くなかった。

とにかく柔らかくとても優しいお姉さんだった。
そして数学が好きだと言っていた。
私が問題を解いて、答え合わせをする時に、お姉さんは解答を出すのではなく一緒に考える。お姉さんにすぐに答えが出ない時、考え込んでしまう。答えは見ずにしばらくあーだこーだと考える。
どうしても分からないと最後に諦めて解答を見て、少し悔しそうにそして納得をする。

そういう時、答えがわからないお姉さんを少し頼りないようにも感じたのは確かだった。
ただその時私はお姉さんと一緒に考える、いやお姉さんが一緒に考えてくれる、思考を共有する、そういう感覚を味わっていたと思う。
そういう中で自然と答えを導き出す回路が作られたそんなふうに思っている。

おそらく教わっていたのは数学だけではなかったと思うのだが、とにかく数学のことがとても印象に残っている。
というのは、それがきっかけだったのか自分でもちゃんとは覚えてはいないのだが、私はとても数学が得意になったのだった。
特にお姉さんが好きだと言っていた図形問題。それを解くことが、とても楽しくなった。

結局夏期講習から周りにならって塾に行くことにし、そのお姉さんとの時間はおそらく半年ぐらいのことだったのではないかと思う。
でもその後も数学の成績が私を引っ張って高校受験を乗り越えたのだった。

私は人と一緒に何かすることが好きだ。
一緒に考えたり、お互いアイデアを出し合ったり、そういった中で自分だけでは出ない解にたどり着く、以前の仕事でもそういう時にとても喜びを感じた。
人の思考に沿っていった結果、気づいたら自分の思考回路に影響を受けている、夫婦関係でもそれを感じている。
そして喜ばしく思っている。
でもこれはある意味注意も必要だ。自分が好まない回路であっても環境によって影響を受けることだって同じようにあるのだから。

でも私はいい影響を与えあえる、そういう関係を心から望んでいる。

中学生の頃のなんでもないような、でもなぜか今でも心に残る思い出。
あの時の時間、経験が、私に何かを言っているみたいだ。





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