見出し画像

私のパワースポット

今は私は本が好きだとか本屋に住みたいとか言うけれど、
いつからそんなことを言うようになったのだろうか。
そもそも昔っからそんなだった訳ではない。

子供の頃からいつも本を読んでいたというような読書好きな人達は、私にとって本物だなーと思ってしまう。
恐らくそういう人たちは、自分で本が好きとかそんな風に言わないようにも思う。
あまりに自然で当たり前過ぎることだから。

私にとって、子供の頃から20代くらいまでの本の存在というのは、時にブームがきて割と読んだり、読んだらハマるけど、だからと言っていつも読むわけではない。
読みたいと思って買うけど、結局なかなか読まないとか、あっ、これは今もそう(笑)

まあその程度のもので、そういう意味でいうと、前よりはいつも本が傍にはあり読む量も昔よりは多少増えているかもしれないが、こう書いてみると、あんまり変わっていないといえば変わってないように思う。

そして今も昔も変わらないことは、自分も本を読みたいと思っているけれど、それ以上に本をよく読んでいる人が好きだ。
要はそういう人に憧れて、自分もそうなりたいと思っているというのが結構強い。

ストレングスファインダーの資質で言うと「最上志向」を上位に私は持っていて、この資質は向上心高く、人に対しても優秀なできる人に惹かれるという。
まさにそうだと思う。
そして読書好きな人は、私にとってその優秀なできる人である。

昔とっても好きだった人がすごい読書家だったことや、いつも読んだ本の話をしてくれた友人のことだったり、本について思うと頭に浮かぶ人たちがいる。

そして私が一番影響を受けたように思うのは、ドイツで8か月ほど生活をしていた時に仲良くしてもらったドイツ人の友人ふたりだ。

別々の経緯で知り合ったふたりは、日本語を勉強しており、タンデムと言ってドイツ語と日本語を互いに教え合う時間を共有したということもあり、お互いカタコトながらも色んなことを語りあうことになった。
そしてそのふたりとも読書家だった。

学生だったひとりの彼は「今日何してたの?」と聞くと「本を読んでた」とよく答える。
ただ「読んでた」という単語で言われる場合、それが勉強のために読んでいたということもあるし、ただの趣味で読んでいたということもある。
そして「趣味のリラクゼーションさ」と言った時の響きが私にはとても素敵だった。

もうひとりの彼女は子供の頃から「Leseratte(レーゼラテ」だったと言い、これは直訳すると読書ネズミ、日本語で言えば本の虫だ。
そしてよく本屋に行こうと私を誘う。
一緒に行っても私は言葉がわからないからあまり楽しめないし、写真が多いものをただ眺めてふーんみたいな感じだったのだが、いずれにしても常に本屋に行って本に触れている彼女の行動がまたとても印象に残り、一緒に過ごした分だけ私に刷り込まれた。

本を読んでいる人がみんな上手に表現できるかは別問題かもしれないのだが、でもいずれにしても読書量にその人の持っている思考の深さや許容量が比例するように感じるし、そう感じられる人は私をワクワクさせてくれる。

そしてドイツ帰国後から私の読書量は間違いなく増えた。
ふたりの影響はもちろんあったし、日本から少しだけ出て世界が広がったことが、より一層もっと広げたいという意欲に繋がったのかもしれない。
本と外国のふたつのキーワードは今も私にとって常に出てくる大事なことで、ここに由来するのだと思われる。

それと20代までは学校でも会社生活でもなんでも普通にしているだけで、人から教わることがとても多い。だまっていても人から教わり吸収するという環境だったように感じる。
恵まれていたのかもしれないが、お手本がいつも周りにたくさんあったように思うのだ。
それが、30代を過ぎるとあれ??となった。
周りを見てどこから教われるのか、見つけられない。ちょっと途方にくれるようになった。
それは成長なのか?環境が変わったのか?

そのため、私にとっては20代までは他人に依存していたものを本に代替するようになったのだと思う。
誰に聞いたらいいかわからないし、どうしたらいいかわからなくモヤモヤしている時にたまたま手に取った本が、自分の助けになったりする。
これまでどれだけ本にありがとうと言ったかわからない。

そうやって迷ったりモヤったりした時ほど、本屋に行くようになった。
そこでいつもエネルギーチャージをする。
私にとってのパワースポットとなった。

前に進んでいるという感覚。広がる感覚。
私を何よりワクワクさせてくれる。
そうして気がつけば、本が好き、本屋に住みたいと公言するようになったのだ。

決して大した読書家ではないけれど、
でもやっぱり私は本が好き。

#毎日note #日記 #自己内省 #私が好きなもの
#本 #ストレングスファインダー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?