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「パルプ・フィクション」の中毒性

クエンティン・タランティーノ監督の代表作で、いまだに世界中にファンの多い
「パルプ・フィクション」

私が見た2つ目のタランティーノ監督作品です。
ちなみに1つ目は「ワンハリ」でした。

そこからタランティーノ監督にハマり、レザボア、ジャンゴ、デス・プルーフ、イングロリアス・バスターズを見て、今は全制覇しようとしている途中です。

はじめて「パルプ・フィクション」を見たときは、普通におもしろかったなーぐらいだったのですが後からじわじわいろんなシーンが頭に蘇り、結局何度も何度も見返したくなり、まんまと沼にハマっていくという…。

この中毒性がこの映画の最大の魅力だと思います。
これは一体何なんだろう…と思い感想を書いてみようと思いました。

1 中身のない会話、ストーリー

この映画って本当に中身がないんです。

映画にありがちなそれっぽい教訓や感動は一切ない空っぽなストーリー。
そしてタランティーノ監督作品の醍醐味ぐだぐだ繰り広げられる中身のない雑談。

でもその一つ一つがめちゃくちゃかっこいい!!!

オープニングのパンプキンとハニーバニーのシーン本当に大好きなんですが、あれこそ何の中身もない会話ですよね。
でもあの会話からの突然の「Everybody be cool!!!」
そしてハニーバニーのガミガミ声、からの画面が止まってミザルー!

何度見返したかわからないぐらい、鳥肌立つほどかっこいい完璧なオープニングです!

ここだけでなく2時間半の間ほぼ中身のない会話とストーリーでできているのに、一瞬も目を離したくないと思わせることができるのは、タランティーノ監督にしかできない絶妙なセンスだと思います。

ヴィンセントとジュールスのハンバーガーのくだりもそこからのジュールスの殺し屋の場面も、もうめちゃめちゃ好きです。

2 ダサいとかっこいいは表裏一体

この映画のすごいところは、下手するとただの「ダサい」になりそうなギリギリのラインを攻めているのに、全部かっこよく仕上げているところだと思います。

ひとつのシーンの中のセリフ、衣装、背景、カメラワーク音楽、演出などの要素のうち、どれをキメてどれを抜くか、このバランスが天才的にうまいので、映像で見たときに強烈に印象に残るようになっています。

あまりにも有名な名シーン、ミアとヴィンセントのダンス。
突然「踊りたい」と言い出したのですごいダンスを見せてくれるかと思いきや、私でも踊れそうでくすっと笑ってしまうようなふたりのダンス。
これがダサくならず、むしろ何度も何度も見たくなるかっこいいシーンになっているんだから、天才的なセンスだ…と驚愕します。

その後も最初はスーツでキメてたヴィンセントとジュールスが間抜けな部屋着姿になったり、尻の穴に入ってた時計をものすごい大事にしてたり、車が血塗れになってめちゃめちゃ焦ってたり…

ダサい!って笑ってしまうことがたくさん出てくるのに、でもかっこいい。
これがこの映画の癖になるところです。

3 時系列をずらす構成

これはもう見た人全員が言っていることだと思いますが…
でもやっぱりこの時系列をずらす構成が、この映画のおもしろさの最大の理由だろうと思います。

一見何も関係ないようなストーリーが組み合わさっているのかと思いきや、見ているうちにどんどん繋がっていき、ラストに向かうにつれて「ああ!そこに繋がってたのか!」と怒涛の驚きとわくわくが詰め込まれていてそこでまたぐっと惹き込まれます。

このストーリーをただ時系列順に並べていっても、ここまでおもしろい映画にはならなかったと思います。

ノーラン監督の映画「メメント」でも同じ手法が使われていますが、「メメント」はこの時系列じゃないと成立しないストーリーになっているのに対し、「パルプ・フィクション」は時系列順でもストーリーは成立するものの、映画のおもしろさを最大限引き出すためにこの構成になっているというのが、本当に抜群のセンスだ…と思います。


他にも音楽の使い方がかっこよすぎたり色彩がおしゃれだったり…さらに何と言っても見れば見るほどまた新しい魅力を発見できるので、やはり私にとって「中毒性のある」映画であることは間違いありません。

以上が私の「パルプ・フィクション」の感想でした!


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