ビジネス書

「問い」の本と、「答え」の本

去年、自分でビジネス書を書いてて、その時、「売れるビジネス書とはなんぞや」とグルグルと考えたんですね。あ、違う、正確にいうと、「売れるビジネス書についてはそんなに難しくなくて、その”お作法”を守ることと、自分の伝えたいことの矜持を譲らずに両立すること」をグルグル考えたんだった。

売れるビジネス書の基本原則は、「買っただけで満足できる本」ということ。積読にされてもいいというくらいの発想で、タイトルだけで、その本の効果効能をわかりやすすぎるくらいに伝える本が売れやすいということ。”〇〇法”とか”たった3つの秘密”とか、あるいは”~~の技術”とか”〇〇し方(育て方、学び方、やり方とか…)みたいな。「要するに読むと何ができるようになるのか」「どうしたらいいのか」が一発でわかるようなタイトルにするのが鉄則なわけです。そこに、適度な違和感を掛算したり、著者や執筆組織の権威性とか、シリーズ感とか、帯とか、いろいろ変数が掛け合わされるんだけど、つまりは。

「答えを売ってくれる」と思わせる

ことに尽きるということ。言ってみれば、「積極的に積読させるくらいの割り切りをもって部数を狙って売ってきている本」が世の中たくさん出回っているってことともいえる。で、まあ僕も結構いろんなビジネス書を読んできて、自分でも書いてみて、本質的に大事なことは何なのか考えたんだけど、本当にいい本ってやっぱり、

「問いを立ててくれる」本だなと、思ったわけです。

「これを読めばもう、考えなくていい」というのが答えを売る本。「これさえ読めば・・・」とか「たった一つの・・・」とか、そういう、その事柄についての自分自身の思考を停止させ、読めばもう悩まなくていい、っていうやつですね。ハウツー本ならまだしも、人間関係とか部下育成法とか、何ならビジネスの成功を得る方法なんかでそんなことしようとしちゃうんだから、本当に危なっかしいと思う。当たり前だけど、本は、ほかの人も買えるわけで、気を付けて読まないと、読めば読むほど、同質化するかもしれないわけです。

だから、本当に大事なのは、読むことによって自分の中で新しい思考がはじまるような、問いを立ててくれる本だなと、思います。少なくとも自分はそうありたい。Amazonレビューでよく「結局どうしたらいいのかわからない駄本」みたいなレビューもあるけど、「結局、自分でなんとかするしかない」が、すべてのビジネス書共通の普遍解であり、要するに、考える良いスタートラインに立てる本をこれからも読んでいきたいとおもったわけです。

「答えを与える本」ではなく、
「問いを与える本」を読んでいきたい

っていう、自分のこれからの本との向き合い方に関するメモ。

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