見出し画像

シナぷしゅの毎月の楽曲に親の自分がハマっているワケ

共働き子育てライフの切り札はやっぱり映像でして、泣き喚いている我が子が一瞬で恍惚とした表情で釘付けになるコンテンツを作るクリエーターの皆々様には尊敬を禁じ得ない。そりゃあつこお姉さん卒業に親が涙するのもわかる気がするんですが、目下1歳の息子には「おかあさんといっしょ」はまだちょっと意味がわからなそうで刺さってないのと、裏被りで「シナぷしゅ」に軍配が上がっている。

テレ東が本気で、しかも0〜2歳っていう視聴率の数字にならない層を相手に幼児向け番組を作ったっているストーリーもなかなかいい。

それに加えて、なんというか親の自分も見てしまう名曲が何個もあって、それっておそらく「意味の外」の表現をしてるからなんだろうと思う。わかりやすい違いで言うと、「おかあさんといっしょ」のお歌はすべからく、見ている子供も一緒に歌って踊れることを想定している。言葉や音感、リトミックなんかの教育的な目的も多分にあると感じる。でもシナぷしゅの音楽は鼻から「子供が歌えるかどうかは埒外」で作曲されてる、もっと「直感的にアガる」曲だなと。

「これからもヨロレイヒ」は去年、下手したら我が家の中で再生回数No.1の曲なんですが、何とも言えない中毒性と、シンクロニシティをビンビン感じる不思議なMVが気持ち良すぎて。息子も聞かせると「ったい!ったい!(=もう一回と言ってます)」とリピートを要求してくる名曲。

「すくすく」も大名曲で、歌詞の意味を咀嚼していると実は結構泣けてくる。MVがキテレツで最高。ボレロのようなスケールのでかいアレンジで、なんだかいい音楽を聞かせているような気にさせてくれさえする。

息子的目下人気急上昇中が「あべこべ」。冒頭のグルグル回転するところでは回転し始め、サビでは歓喜の表情でぴょこぴょこ飛び跳ねる。これもMVの意味わからなさとチェルミコのトーンが絶妙で、普通にSpotifyに入ってたらファボつけてると思う。2サビで二分五連のパーカッション打ち込んでたり、変態性を感じるアレンジもナイス。

===

Eテレ勢の多くが、「お友達と仲良くしよう」「お片付けしよう」「春はお花が綺麗だね」みたいな、「社会性の入り口を学ぶ」というコンセプトに立脚していて、受け手である幼児はそういう意味の世界を少しずつ、優しいレベルからやってみようとする。「考えて、 DOしてみよう」っていう感じで、関係性が「意味と社会性」にある一方で、シナぷしゅは、何しろ直感的に気持ち良くて脳汁が出ると言う、アートに振り切っている。「感じて、BEを噛み締めよう」というか。変に早いうちから言葉を発話できるようにさせたり、意味を考えさせるよりも、「自分はこういうのが好きで、なんだかよくわかんないけどめっちゃアガる!」みたいな自分の感性を掴めている人の方が幸せに近づけると、自分はそれが苦手な大人に育った故に思っているので、だからシナぷしゅはすごいと思うんだろうなあと。

しかし、アーティストの人選とか、どれくらい番組側からオリエン・ディレクションして曲が出来上がってるのかとか、気になりすぎる。毎月毎月、どの曲も、作風の振れ幅はかなりあるのにそこはかとなくシナプしゅっぽいのが凄くないですか。そんな、コロナ禍子育てライフからの気づきのメモ。子供いない人も騙されたと思って埋め込んだ曲、聞いてみて欲しい。

サポートありがとうございます! 今後の記事への要望や「こんなの書いて!」などあればコメント欄で教えていただけると幸いです!