芦ノ湖

物事を「未知の断面」で切る好奇心

年に一度は少なくとも箱根に来ているから、人生で数十回は芦ノ湖を見ているはずなのに、ふと考えてみたら西側の岸に何があるのか、全然知らない。地図を見る限りは、何があるもくそも「なにもない」のだろうし、それは見た目でも明らかで、車道も岸から離れたところに通っているようだから、まあほんとに何もないんだろうけど、調べたら遊歩道がずっと通っているらしいので、走ってきてみた。結構な細い道で途中やぶ漕ぎも交えながら、数人のハイカーとすれ違いつつも静かな人気のない道を、トレラン気味に1時間半。本当は芦ノ湖一周するつもりだったけど、膝裏痛が恒例のように発言したので、駅伝のゴールを拝んでリタイア。13キロの非舗装道だったので、病み上がりにしては頑張った、うん。

料理の世界にもAIが入り込んでいきつつあるらしく、ことによればAIを使って分かってきた「人間の思い込みでは考えつかない組み合わせの味」がたくさんある。どうも人間が今のところ見つけられている組み合わせはAIさんのそれの数パーセントに満たないらしく。物事、「わかった気になった」先にいくらでも可能性はあるわけです。そしてそれって「まだ食べたことのない未知の素材」を見つけようとするよりも、「みんなが食べたことのある素材を、みんなが知らない角度の断面で切ってみる」ことのほうが、実は可能性の余白は多いような気がするのです。芦ノ湖を「西岸」という断面で切ってみる。そういうことの原動力に好奇心があって、それがあれば、退屈しづらいメンタリティになれると思っている。

ただ、本質は「そういう発想を持てるか」以上に、「発想したことをほんとにやってみるか」にあるんだろうな。思いつく人100人、やってみる人1人とはよく言ったもので、そういう意味では、西岸をほんとに踏破してみちゃえる自分を大事に、これからも断面探しをしていこうと思った盛夏の箱根でした。

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