サッカーを辞めた事を一番後悔した日
緑のトラムに乗った時電車を間違えたかと思ったけれど周りを見渡したらそのトラムが正しいことが一目瞭然だった
そのトラムの終点にはFCバルセロナが新しく作ったヨハンクライフスタジアムがある
トラムには黄色いユニフォームの人でいっぱい
試合会場に着き、ホイッスルとともに試合が始まった時ふと自分がサッカーを選手として続けていた時のことを思い出した
日本のサッカーや男子サッカーを見ていても何も思わないのにこの国の女子サッカーを見ているとなぜか無性にサッカーを選手としてしていた時の感覚が戻ってくる
考えてしまう
もし、サッカーをやめていなかったらどうなっていたんだろう
まず一番にこんなにダイエットをする羽目にはなっていなかっただろう
もしやめていなかったら日本人としてアメリカの高校や大学でサッカーをしていた人としてみられていたのかもしれない
もしかしたらアメリカの大学にスカウトされるくらいにはなれていたかもしれない(自分の高校ではフレッシュマンで1部のスタメンになれていたから思う自信だだ)
もし辞めていなかったらもっと強くなれていたかもしれない
もっと面白いサッカーをできる人間になれていたかもしれない
もっと多くの人にサッカーを通したワクワクを届けられていたかもしれない
アメリカに渡った時私はサッカーを親にやわされてやっていると思っていた
けれど帰国最後の1年は違った、あの時のサッカーはすごく楽しかったのを今でも覚えている
恐怖がなかった
それ以前はサッカーをするのが怖かった。
またよくないプレーをしてしまう、私のせいでチームが負けてしまうんじゃないか、迷惑をかけてしまう、お父さんに怒られる
そんな気持ちでサッカーをしていた。
けれど最後の一年でポールという監督に出会い、大好きだと思える先輩たちとともにサッカーをプレーできるようになったあの一年はすごく楽しかった。
あの一年が私のサッカー人生の全てだと思う。
だから時々考えてしまう。
あんなに日本に早く帰りたいと思っていたけれど
高校をアメリカで過ごしサッカー続けていたらどんな未来が待っていたのだろうと。
その時は全く知らなかった。日本とアメリカ、世界が違うこと。
女子サッカーのプレースタイルが違うこと、女子がサッカーをやることに対する日本での違和感
何も考えたことがなかった
帰国した時にお父さんから自由になったと感じてしまった開放感
もし、もし、日本とアメリカではサッカーの違いがあることをあの時自分で気づいていたら
本当は覚えてる。
日本に戻ってトライアウトをした時に全然自分のサッカーが通用しないと感じたことを。
【私はサッカーが下手くそなんだ】
最後にサッカーをやめた時に抱いた感情はそれだったのかもしれない
アメリカの最後の一年にしたサッカーの気持ち良さが全くなかった。
ただ体は動かずしんどいだけだった
きっと帰国後体力をキープする努力を怠ったのも理由の一つにある。
けれど以前ある友人でありサッカー選手が教えてくれた
『アメリカと日本のサッカーのプレースタイルや文化は全く違う』と。
もし、アメリカにいる時から自分で考えて自分の意思でやっていることを自覚してきちんと考えてサッカーをしていたら、もしかしたらサッカーをやめていなかったのではないかと
お父さんが怖いからを言い訳に、自分でサッカーを考えることを怠っていなかったら
きっとヨーロッパを中心とした国々やアメリカの女子サッカー選手の体格やプレーの動きが似ているんだと思う
だからアメリカでのサッカーをしていた日々を思い出す
あのシンプルなサッカーで私は戦ってきたから、日本でフィットすることができなかったんだろうと今すごく感じる。
もしあの時それに気付けていればと悔しくて悲しくて、サッカーを選手としてプレーするという立場に戻れないことを実感すると泣きたくなる。
私は思ったよりサッカーをすることが大好きだったんだなと思う
ボールを蹴ること、ドリブルすること、走ること全てが楽しくて気持ちよかったんだと思う。
もっとちゃんとお父さんのストイックトレーニング頑張れてたらなぁって
あれ、くそきつかったけど、あの先に見えてた快感を超えられる瞬間はもうないのかもしれない
そう考えるとすごくすごく悲しくてomg shit
けどwhat if はどれだけ考えたってwhat if にしかならない
“Dear Claire, "What" and "If" are two words as non-threatening as words can be. But put them together side-by-side and they have the power to haunt you for the rest of your life: What if? What if? What if? I don't know how your story ended but if what you felt then was true love, then it's never too late. If it was true then, why wouldn't it be true now? You need only the courage to follow your heart. I don't know what a love like Juliet's feels like: love to leave loved ones for, love to cross oceans for, but I'd like to believe if I ever were to feel it, that I'd have the courage to seize it. And Claire, if you didn't, I hope one day that you will. All my love, Juliet”
Letter from Juliet
私はもうサッカー選手として生きるという選択肢はないと思うし、今更ずるずる選手に戻るために体力を戻したりした先に何があるかはわからない
ならば、辞めてから得られたスキルや力を生かしてまたあのフィールドで戦いたい。
次はビジネスでサッカーのフィールドを(女子にこだわる必要はない)戦いたい
サッカーをやめた後、生まれた出会いや経験が山ほどある。
高校の友人も、大学受験も大学での授業も友人もアイセックも今のサッカークラブもスペインでの生活も全て全て辞めた先で手にしたものだ。
そこで得た様々な学びはきっとサッカーを辞めていなかったら考えたことも知ることもなかった。
だから次は今得た武器とあの時の後悔を力に変えてもう一度戦いたい
どうしたいの?って聞かれたらそれはわからないけれど
サッカー留学と女子サッカーをもっと魅力的なものにしたいとは思う
まだまだここは変えられるところ、変えたいと思うことがたくさんあるから。
私はきっと変えられるから。
思い出したんだ、サッカーをしていた時の強い自分と試合前の気持ちの良い緊張感を。
:)