五目焼きそばから考える人材の希少性
プロフィールや履歴書を書くとき、特技と趣味の欄の違いが困る。
どこからが趣味でどこからが特技なのか。特技と言えるレベルの能力を持ってる人ほど「いやいや、ただの趣味ですよ」とか言うからややこしくなる。
趣味が高じるとレベルの高い人達のコミュニティに入っていくことがあるけど、そうなると「身の回りの人と比べると劣るから自分はまだまだ」みたいな発想になるので、いつまでも特技にならない最弱の四天王現象が起きてしまう。
今日はそんな所属するコミュニティで変化する価値の話をしてみたい。
五目焼きそばが好きだ。個人的にはカリッカリまで焼かずに箸でほぐれるくらいの太麺、ユルめの餡がかかってる感じがお気に入り。
あと、どう考えても「麺に八宝菜をかけたもの」だと思うんだけど、八宝菜が五目焼きそばになるにあたって失った3つの宝のことを考えてしまう。
で、その五目焼きそばの話。
恵比寿ガーデンプレイスにある東天紅という中華料理屋でよく五目焼きそばを食べていた。魚介が豊富に入っていて、イカに切れ込みが入ってるのを見ながら「これが大衆店の倍の値段の価値だなぁ」なんて思いながら食べていた。
その中でも一番大事だった具がうずらの卵。大事だった具ってなんだろう。まぁいいや。とにかく一皿に1つしか入ってないので、死ぬほど大事にしながら食べた。切れ込みが入ったイカより希少性が高かった。片栗粉でコーティングされた豚肉よりも大切な存在だった。
ランチで1200円とか1500円くらいでそんなに連日食べられなかったため近場でジェネリック東天紅を探し、とある大衆店の五目焼きそばを注文した。
うずらの卵が2-3個入っていて狂喜乱舞した。あの東天紅の焼きそばの希少人材がこんな大衆店にゴロゴロいるなんて!!!
最高の気分だった。
そのかわりエビはこぶりなものが一尾だけ入っていた。イカは切れ込みどころかそもそも入ってなかった。
おそらくこの焼きそばの世界の中ではエビが偉いんだろうなと思った。東天紅の焼きそばには二尾くらい入っていた気がする。少なくともうずらの卵の希少性には勝てない。こぶりなのに驕っているんだろうな、と思った。自分はこういう人間になりたくないなとも思った。
逆に、この大衆店の焼きそばのうずらの卵達に伝えたい。あの丘の上のビルにある中華料理屋ではお前と同じ仲間が天下を取ってるんだぞ。負けるなよ、と。
食べるところだけにチョロチョロと貧乏くさく酢をかけながら、最後の一口のために残したうずらの卵を見つめながらそんなことを考えていたなぁ。
と、大谷翔平の年俸がやばいことになってるニュースを見て思い出した。大谷は東天紅のうずらの卵なんだ。
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