【2】step7 どこに向かうのかをさだめてみよう! 事実と問題を切り分けてみる
この話は、ささいなキッカケから、「新しいこと」をはじめることになった高校生の2人組が、経営者や起業家、ユーザーの声をききながら、サービスをつくりあげていく物語です。
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第2章 - 観察する/現状と発生している問題/ 理想とそこに至るまでの課題/真因課題(イシュー)-
「目的をさだめる」
どこに向かうのかをさだめてみよう!
Step7:事実と問題を切り分けてみる
駅から10分ほど歩くと、健人の家が見えてきた。
駅からすぐにも関わらず静かで自然の多いエリアにある、立派な一軒家だ。
健人「ただいま」
爽太「健人の家、久しぶりだな〜。お邪魔しま〜す!」
健人「母さんは出かけてて、父さんが部屋で仕事をしてるから返事がないけど気にしないで。時間が空いたら声かけてくれると思う。」
階段を上がって、2人は健人の部屋に入った。
途中、健人がキッチンからよく冷えたペットボトルのお茶を2本持ってきた。
健人は爽太にボトルを渡すと、2人でキャップを明け、ゴクゴクとお茶を飲んだ。
爽太「いや〜、それにしてもあの店のミックスジュース、美味しかったね〜。やっぱり、実際に行ってみてよかったな。まだまだ自分たちのできることはありそう、っていう発見にも繋がったし!」
健人「そうだね。百聞は一見にしかずとはこのことだよね。実はさ・・前に兄ちゃんがビジネスを始めるときに、発見したことや気づいたことをポストイット?っていう、粘着する紙に書いてまとめてたんだよね。」
健人はそういうと、スマホの写真を見返して、そのときの写真を爽太に見せた。
爽太「すごいな。沢山書いてあるね」
健人「ここまで出来なくてもいいから、僕たちも真似してやってみない?」
爽太「いいね!やってみよう!」
健人は部屋を出て道具を取りに行った。
しばらくすると部屋のドアが空いて、模造紙とポストイットと太めのペンを持った健人が戻ってきた。
爽太「この紙に、気づいたこととかをかけばいいんだよね?」
健人「うん。・・あ、爽太、もうちょっと大きい文字で。あと、1つのポストイットに1つの気づきってルールにしよう。たしかそう言ってた気がする。」
ーーーコンコンーーー
2人で書き終えたメモを模造紙に貼り付けていると、部屋の扉を誰かがノックした。
爽太「だれだろう?」
健人「はーい」
ーーーガチャーーー
蓮人「こんにちは〜爽太くん!お〜、書き始めてるね。いい感じじゃない。」
爽太「こんにちは!」
蓮人「さっき健人が 模造紙とポストイットを貸して欲しいって部屋に来たから、特に何も聞かず貸したけど、何に使ってるんだろ〜なって見に来たんだ。ふんふん・・ミックスジュース?2人は何をテーマに書いてるの?」
健人が 兄の蓮人に昨日から今までの経緯を説明した。
蓮人「お〜なるほどね!面白そうなことやってるね〜。じゃあこのポストイットでは、いまそのミックスジュース店でなにが起こっていて、どんな問題が起きているのかを整理しているということだね。それは『現状』の整理と『問題』の抽出と言うんだよ。現状と問題って似ているようで違うよね。こうやって書き出してみたら、いまなにが起きているのかという『現状』とどんな『問題』が起きているかは分けたほうがいいんだ。」
爽太「す、すごい、、!蓮人さん、ありがとうございます。なるほど、そう考えると僕たちがいま出しているものは『現状』と『問題』がごちゃごちゃになってる気がします。健人、整理してみよう!」
健人「そうだね、やってみよう!」
2人は一度書き出したポストイットを 「現状」と「問題」に分けて書き出してみた。ポストイットにはいくつかカラーがあったので、「現状」と「問題」の2つは色分けをしてみた。
2色のポストイットを貼り終えると蓮人が模造紙を見渡した。
蓮人「よくできているね!ここまでできたら、どんなカタチが理想か、2人で考えてみたらいいんじゃないかな?そうすると、いま起きている『問題』から『理想』状態を目指そうとするときに、【なかなかうまくいかない】という事態を体験すると思う。この、【なかなかうまくいかない】ことを『課題』というんだよ。実はこの『課題』が一番重要なんだよね〜。言いたいことはそれだけ!2人の話、面白かったよ~ それじゃあね!」
蓮人は一気に喋ると、部屋から立ち去ろうとしてドアの方へ向かって行った。
健人「え!ちょっと待って!そんな急に『理想』って言われてもわからないよ。兄ちゃんの『理想』はなに?」
健人は慌てて兄を引き止めて質問した。
蓮人「いや、俺は知らないよ。だってミックスジュースがすごく飲みたいってわけでもないし。2人は【この人にミックスジュースを飲ませたい】と思う人はいないの?その人に聞いてみたらいいよ。」
そういうと、蓮人は部屋を出て行った。
爽太「兄さん、嵐みたいにやってきて、行っちゃったね。すごい勉強になったけど。」
健人はあいづちを打ちながら、軽くため息をついて言った。
健人「まったく本当にね(笑)でも、兄ちゃんの言ってる意味がなんとなく理解できたかも。僕たちが誰にミックスジュースを飲んでもらいたいか、を考えるのが重要なんだよ。その人たちに理想を聞いてみるのが良さそうだね!」
爽太「よし、聞きに行こう!・・って、誰に??」
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