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【4】step16 我々が解くべき問いの設定

この話は、ささいなキッカケから、「新しいこと」をはじめることになった高校生の2人組が、経営者や起業家、ユーザーの声をききながら、サービスをつくりあげていく物語です。

■ 主な登場人物

爽太(SOUTA):物語の主人公。高校2年生。どこにでもいる普通の高校生(と本人は思っている)。社交的で素直。姉が1人いる。

健人(KENTO):爽太の友人。まわりから物知りだと知られている、穏やかな青年。経営者の父と大学院に行きながら起業した兄を持つビジネス一家で育つ。


■ 前回までの配信



第4章  「問い」をたてる
何をすればよいのかをあらためて問いを立ててみよう!

Step16:我々が解くべき問いの設定


『ユーザーは選んでよい』という蓮人の言葉に最初は少し驚いた爽太と健人だった。
でも、よく考えてみれば『ミックスジュースを欲する人全て』を自分たち二人で幸せにすることはできない。ということは、自ずとユーザーを選ぶってことになるんだ、という蓮人の主張は高校生の2人にも十分納得できるものだった。

健人「改めて、我々のジュースは詩や葵さんのような人に向けて考えていこう!」

健人がそういうと、蓮人がわざとらしく振り向きながら言った。

蓮人「その通り!・・・ということで、一旦ここで、『How Might We,Question』というものに取り組んでみよう。日本語に訳すと、『我々が解くべき問いとはなんなのか?』って意味かな。自分たちが解くべき問いを明らかにするっていうことなんだけどね。」

爽太「英語・・・。なんで急に?(笑)まぁ、でも要するに、自分たちの問いを考えるってことか。我々が解くべき問い・・・?って何なんだろう?『どうしたらミックスジュースを買ってくれるか?』とかかな?」

蓮人「そうだね。でもさっき君たちは、自分たちのジュースをどんな人にでも買って欲しいもの『ではない』ってことに気づいたんだよね。それは具体的に、一体どんな人に向けて買って欲しいということだったんだっけ?」

健人「あー、それなら詩や葵さんみたいな健康意識が高い人たちだ!」

蓮人「そうだったよね。その意識の高い人たちに買ってもらうミックスジュースってことだね。そして、ここでさらにもう1つポイントだと思う要素は、規模なんだ。このミックスジュースがすごく大きな工場を持つような企業や、製品を作るのにすごくお金をかけることができる余裕のある大企業ではなく、君たち高校生がたった二人で製品を考えているということなんだよね。」

爽太「規模・・・。そっか。たしかに。僕たちは自動販売機でジュースを売ったり街のど真ん中にお店を出せるような立場じゃないもんね。そんなお金はないしね。ということは、問いとしては『どうやったら僕たち高校生のような立場で無理なくミックスジュースを作れるのか』ということなのかな…?」

蓮人「そう!その通りだね。そしたら・・今の話をまとめて、ちょっとかしこまった言葉で表現すると、こんな感じなんじゃないかな。」

蓮人は父が書いたホワイトボードの空いたスペースに文字を書き出した。

”一見すると健康を謳っているけどよく調べると実はそうでないもの、には流されないで生きている本当にこだわりを持った健康思考のユーザーに対して、高校生2人が提供するような限られたリソースで、どうしたら本当に納得してもらえるジュースを提供することができるか?”

蓮人「これが君たちが解くべき問い、かな。」

健人「すごい!なんかこの問いを解くことができればミックスジュースを僕たちにでも提供できる感じがしてきた!!」



ーこのステップのポイントー
・自分たちが解くべき問いは、昨今の社会では明確に提示されるわけではありません。自ら進んで「問い」を見つけることが重要になります。
・ユーザーをどうしたいのか?という「問い」が明確に定まると、その問いを実際にどうしたら解くことができるかに集中できるため次以降の工程がかなり楽になります。
・「問い」は考えているものをどれだけしっかり言語化できるかがポイントです。

ー考えてみようー
・こうしたい、と思ったものに対して全ての人たちを相手には出来ないため一部の人を選択して対象にした経験はありますか?
・自分たちが思っていることを誰かに伝えるために何度も検討して言語化するためのチャレンジをしたことがありますか?



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