見出し画像

フルリモートで実施!多摩美術大学との産学共同研究の取り組み

ロコガイド サービスデザイン室 デザイナーの高橋です。
今回は私たちが多摩美術大学 情報デザイン学科と行った、2020年度 産学共同研究の取り組みについてご紹介します。

産学共同の取り組みについて

私たちは2019年度より多摩美術大学 情報デザイン学科との産学共同研究に取り組んでいます。(2019年度の取り組みについてはこちら)

内容としては、テーマをもとに一からサービス企画を考え、それをスマートフォンアプリのUIとしてアウトプットするまでのプロセスを共に体験するものとなっています。

かく言う私も十何年前は情報デザイン学科の学生として産学共同研究に取り組んでいました。社会人デザイナーと共にテーマに向き合う事で、異なる視点の助言をもらえて嬉しかったり、初めて自分たちのデザインが社会と繋がっていることを実感して自信になった事を覚えています。

自分もデザイナーとしては道半ばですが、社会人デザイナーとして学生のみなさんに1つでも多くの気付きを与えられたらと思いながら...
今年はどんな学生さんや作品に出会えるか楽しみにのぞみました。

全授業リモートによる開催

画像1

本来であれば4月から大学に直接赴き、先生や学生の皆さんと私たち社会人が顔を突き合わせながらデザインを作り上げていく予定でした。

しかし今年度は新型コロナウイルスの影響で、あらゆる見通しが立ちにくい状況......
そのため先生と協議を重ね、全授業をリモートで実施することにしました。

それからは両者手探りではありましたが、授業方針や進め方について、さまざまな考えを巡らせながら準備を進めていきました。

授業プロセス

実際の授業は、全てオンラインで下記のプロセスで進行しました。

画像2

まずは学生さん自身で課題やユーザーインタビューを元にサービス設計を考えていきます。
一番の骨子である設計が最終的なアウトプットにも影響を与えるため、多くのアイディアを出しながら、徐々にシャープなサービス像に絞り込んでいきます。

▼実際の絵コンテ

画像3

次はスマートフォンアプリのUIに落とし込む作業に移っていきます。それも実際の開発現場と同じく、手書きのスケッチやワイヤーフレームから描いていくところから始めていきました。

考案したサービスの価値をどう設計し、どうやって対象ユーザーに伝えるのが良いのか。学生の皆さんにとっては勿論、ふだん仕事をしている私たちにとっても難しい部分で、思考を鍛えられたように思います。

やがて大枠の内容が固まってくると、大学側で使われているAdobe Xdを使ったプロトタイプに移行。ときにはボイスチャットサービス「Discord」など他のコミュニケーションツールも使いながら、ブラッシュアップを重ねていきました。

▼ 企画の絵コンテから最終成果に至るまでの一例

画像4

これらの授業は、Web会議サービス「Zoom」の画面共有を使いながら行いました。
フィードバック形式のコミュニケーションを取る上では、対面と大きく差はなかったように思います。

一方、授業の場において発言者以外は聴き手になりがちなため、グループセッションのような場の作り方、リモートで実施できるユーザビリティテストのかたちについては、今後の課題となりました。

面白トピックとして、フリートーク時間に学生さんから社会人デザイナーへの様々な質問が飛び交った事がありました。

「アイデアに困った時はどうしますか?」「普段は何時間寝てるんですか?」など(笑)

ちなみにわたしは毎日7時間ぐっすり寝ています。 
特にオンライン環境下ではこうした雑談に近い場を敢えて設けることも大切ですね。

産学共同研究を通した成果

授業を通して考えたサービス・UIデザインについて、最終プレゼンとして各学生さんから発表がありました。

昨年は全員が一同に集まれる会場で実施しましたが、今年はこのプレゼンもZoom上で実施。リモートであるメリットを活かして、デザイナー以外の弊社スタッフも出席してくれました。

▼各自アイディアをXdプロトタイプにまとめてプレゼン

画像5

さいごに

今回はすべての授業をリモートで完結させる、という新しい取り組みではありましたが、結果として対面型の授業にも引けを取らない、品質の高いアウトプットが多く生まれました。

また、若い学生さんならではの新しい視点や熱意を肌身に感じ、私たちにとっても学びの多い機会でした。特にフィードバックをうまく咀嚼し、アウトプットに取り入れる学生の皆さんのポテンシャルには、舌を巻く思いでした。

今後もこうした活動を通して、デザインのちからを社会に還元していけたらと考えています。

掲載の都合上一部のみにはなりますが、実際の作品はこちらのページで紹介しています。あわせて是非ご覧ください。

画像7

画像6

(※この作品紹介ページのデザインは、昨年の共同研究参加者でもあるロコガイドのインターン生(@T0kutuku)が担当してくれました!)

また、本記事でご紹介した内容以外にもロコガイドのデザインチームでは様々な活動・情報発信を行っています。もう少し詳しく聞いてみたいなど、ご興味のある方は是非こちらからコンタクトください。お待ちしています!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?