【お坊さんと問答】あなたの思う一番カッコイイせりふはなんですか?What is your favorite quote?

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あなたの思う一番かっこいいセリフは何ですか?

一番かっこいいセリフ、一つ選ぶのもなかなか難しいのですが私は看脚下を選びます。
看脚下、照顧脚下、脚下照顧など読み替えますが、禅宗のお寺の玄関によく掲げられている言葉です。足元をよく見なさいと、靴を揃えましょう、このお寺に来るまでどうやっていらっしゃいましたか、今までの人生とはどのようなものでしたか?振り返ってみましょう、そのようなことをお話し申し上げる言葉ですが、看脚下が出てくるエピソードがあります。

昔々の中国で老師様とそのお弟子様達が夜道を歩いていました。夜道を歩いているので明かりが必要です。しかしどうしたのがふと、ふっとその明かりを吹き消します。辺りは真っ暗闇です。前も後ろも分かりません。弟子たちに対して老師様は「さぁこの暗い夜道でどうやって先に進もうか」と問いかけます。老師様は弟子を、弟子は老師様に対して修行具合について確認するというのが禅宗坊主の日常茶飯時でした。こんな夜道を歩いている時でも老師様は弟子たちを試しました。弟子の一人は仏教語禅語を答えとしておくのですが老師様は頷きません。弟子の一人が「看脚下」と言いました。「暗くなってしまったのだから足元を気をつけて進むしかないであろう」と老師様はその看脚下という答えに頷いたのでした。

私たちは頼りにしているものが何かしらあるかもしれません。健康が大事である、お金が大事、仕事が生きがい、趣味が、家族さえいてくれればいい、しかしある時一陣の風にその頼りにしていたと思っていたものが消されてしまう、崩されてしまうそんなことがあります。そんな時たとえなくなったとしても、傷ついたとしても、足元を今を見据えてなんとか生きていくしかないのだなあというのが、看脚下の読み替えの一つでありましょうか。

真っ暗闇になってしまうと自分がどうやって歩んできたのか分からなくなってしまうものです。しかし、今しっかりと止まっているならばどうやって歩んできたのか自分が何事をなしてきたのかもわかるかもしれません。今までどのような経験を積んできたのかを踏まえて、これからどうやって生きていけばいいか考えることができる、それも看脚下の捉え方でしょうし、前も後ろも分からなくなってしまったのならば、今まで何をしてきたのかその過去にとらわれることなくこれから先を歩んでもいいのだと、自身の今まで成してきたことに自縄自縛せずに先に進んでもいいというそのような捉え方も観客かにはできるかもしれません。

いかがでしょうか。あなたの一番かっこいいセリフは何ですか?

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南無帰依仏 南無帰依法 南無帰依僧 帰依仏無上尊 帰依法離欲尊 帰依僧和合尊 帰依仏竟 帰依法竟 帰依僧竟 如来至真等正覚 是我大師我今帰依 従今以往称仏為師 更不帰依邪魔外道 慈愍故 慈愍故 大慈愍故