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コンプレックスを越える

こそばゆくて嬉しい

最近、マニキュアを塗り始めた。

ちょっとした時に視界に入る指先。

それが綺麗な色に染まっているとなんだか嬉しい。

まだ慣れてないからちょっと落ち着かないけど、
それはちょっとそれで新鮮な気持ちだ。

日常に新しい風が吹き込んだようで、
私はそれを堪能している。

もうすぐ21歳になるけど、マニキュアを塗ったことは実はほとんどなかった。

なんというか、コンプレックスだったのだ。
自分の爪が。


私の爪は美の基準に入らないと思ってた

コンプレックス。

普段目を逸らしているけれど、
多分挙げ始めたらキリがないほどあると思う。

人には絶対言わない。

言葉になった瞬間、
なんだか本当に気にしてしまいそうだから。

そんな1つが爪だった。

1つ目の理由はアトピー。

幼少期に比べれば良くなった方だけど、肌が荒れやすいことには変わりない。

決まっていつも荒れるのは手、特に指先。

そして爪の近くの肌が荒れると爪の生え方にも関係するようで。

アトピーが酷くなると、私の爪はボコボコに波打ってしまうのだ。


もう1つは、爪をいじる癖。

具体的に言うと、爪をむしってしまったり、その近くの皮膚を取ってしまう。
深爪や巻き爪になるし、無理にむしっているのだからたまに出血もする。

これは強迫性皮膚摘み取り症と言うらしい。

私は小学校高学年のときに、学級崩壊を経験していて、そのときから始まった。
初めはただの癖と思っていたから、ふとネットで検索してみたときに思った以上に重い内容で驚いた覚えがある。

これも最近では改善されてきたけど、寝不足の時や退屈してる時、ちょっとした居心地の悪さでやってしまう。


誰にも見られたくなかった

そんなこんなで、人に爪を見られないようにしてきた。

痛そうとか、可哀想とか思われたくなかったし、何より「どうしたの?」って聞かれたくなかった。

どうしたの?って私が聞きたい。

アトピーも強迫性障害も、好きでなったんじゃない。

この2つがなかったら綺麗な指先になってたかもしれないのに。


コンプレックスを越える

塗ってみようと思ったのは、単純に心境の変化だ。

夏休み中なこともあって退屈な時間の少ない今、私の爪がだいぶ生え揃ってきたこともある。

ちょっと長くなった爪。
変わりたい気持ち。

それがきっかけで私の爪は秋色に染まった。

仕上がった爪を見て
なんだ。そんなに私の爪も悪くないじゃん!
って思った。

たしかに平均より爪は小さいかもしれないけど、うん。悪くない。
細かいところまで美意識が行き届いてるって感じがする。

そして、色んな人に綺麗だねって褒めてもらえる。

えへへ。なんだかくすぐったい。

でもすっごく嬉しい。

私の爪、人を不快にさせるものじゃなかった。
綺麗だって言ってもらえるんじゃん。

コンプレックスって簡単に無くなるものじゃない。

私の爪だって、いつまたむしってしまうか分からない。

でも今、ちょっとだけコンプレックスを越えられた気がする。



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