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GIGAスクール構想に思うこと

今の時代はコロナ禍で多少の大きな変化が起きている。特に教育現場では、対面授業が難しいというところも教員の悩みである。感染しないように気を付けながら、出来る限りの授業を実践するというのはいつも通りのスタイルから変えていかなければならないところがある。

 例えば、いつも通り、生徒が前に出てチョークをもって黒板に書いてもらうように答えさせるという行動も制限される。プリント配布するときに生徒にお願いするではなく、教員が一人一人に渡しておくことで間接的な接触の回数を減っていく必要がある。また集まって会話するための活動も少人数かつ短い時間でなければならないなどの配慮が必要になる。

このように本当はやった方がいいということが出来なくなると学びで身に付けるべき必要なことも評価が難しくなってくる。これは教職員が本当に指導の目的を達成できているのだろうか。という課題が山積みになるわけだ。

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(文部科学省:「GIGAスクール構想の実現」より引用)

 そこで文部科学省はICT活用を積極的に拡大して図るというGIGAスクール構想を当初の2025年から前倒しして今年度より始めるように積極的な施策がどんどん進められ、教育現場が大変混乱している状況だ。一人一台PCがあるという状況の中で授業をしましょうという雰囲気に変わるのである。これがコロナ感染対応にも配慮しやすくなり、また非接触型の環境で学ぶことが出来ることが良いとされる一方で、教職員の精神的負担を増やすことになっている現状である。

とはいえ、私は大学の時からも教職員として働いた時も常にICT活用とした授業実践をしていきたいという気持ちは持っていた。だからこの状況になっても落ち着いて対応する力は発揮できる自信があったわけである。だから現場にいないことがとても悔しい気持ちである。聾学校現場には。ICT活用を実践できるという教職員は多くないし、むしろ手話言語が使えない+ICT活用が浅いという教職員の専門性が大きな課題であると指摘する。

 私は、一つのアプリ「ロイロノート」を使った著作権教育の授業実践を一時期に取り組んだ例がある。これを社会科授業をもった時でも発揮していきたかっただけにとても無念な気持ちが大きいが、このGIGAスクール構想で変わる教育現場に戻ってきたときに備えるように独自で勉強していることは続けていきたいところである。

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(ICT活用を実践するにあたってのステップイメージ図:教育家庭新聞2020年9月11日付:「【GIGA】ICT活用授業指針~「学びの深化」「学びの転換」へのチャレンジ~を公開~北海道教育委員会」より引用)

 タブレットを使って授業をするということはメリットとデメリットがある。デメリットのところを多くの先生方の中には、違和感や不安が大きいと抵抗をもつかもしれない。でも情報活用能力を育てる意味としては、耳がきこえない障がいをもつ児童生徒にとってはとても有効であると私は考える。音声認識の活用だけではなく、他にも色々な使い方があるんだということを学ぶことが出来ることを紹介していきたいわけである。

①筆談アプリ ②電話リレーサービス ③ネット110,119の活用

この3点を身に付ける都合よい機会と考える。これによって音声認識アプリ以外にも多様な情報保障手段を身に付けることで、生活上で困ったときに対応できるという豊かな人間に育てることが出来る目的実現にも有効である。この3点は、教科の内容ではなく学校全体のどこかでも指導できる面であると考える。ぜひ現場の先生方には意識してもらいたい。(「自立活動」「総合的な学習の時間」でも十分に取り組む余地はある。)

社会に出てから分かるのではなく、せっかくGIGAスクール構想によって身近にICT活用を触れていく機会があるわけだからこそ、何が必要なのか。ということをもう少し理解した上でかつ教科書に頼らずに必要なことを身に付けさせるように実践することを願いたい。強いて言えば、そこに手話言語が出来ない教職員にとっては使いやすい合理的配慮の手段と考えるべきである。

 アプリ「ロイロノート」の使い方で実践した授業例については、後日に投稿するがこの授業実践を通して、生徒が【調べる、話す、考える】という主体性ある活動が取り組むこと出来ることから教師一方的通行の学びではなく、生徒が何を考え、何を見つけ、何を伝えたいのか。ということを知ることがとても重要と考える時代になる。

教職員は、パワーポイントなど視聴覚教材で内容を示して授業をするというスタイルから、課題追求型として掲示する内容を見直してそこに生徒がどのような興味関心をもって授業参加できるかどうかというのも新しい令和型教育としての課題であり、教職員の専門性が大きく変わるのである。これはとても大変重責なところである。前例にないので、教材研究に負担が増える。同時に新学習指導要領改訂やコロナ禍による制限などの対応など山積みが教育現場の過酷な現状である。

 その課題を学ぶことによって、聴覚障がいをもつ児童生徒が求める手話言語について関心が薄くなったりして手話言語を授業の中で使わないとすれば問題視である。とすれば、ここは聴覚障がい教職員の有効な活用だったり外部連携などで業務量の軽減を分けるなどで、より一人一人の専門性をうまく分けるべきである。これを文部科学省としてもう少し現場を見て欲しいだけに、非常に全然出来ていない口答えばかりな施策ばかりで根本的な解決とは遠いであると痛感する。保護者視点ではなかなか評価しにくいし、気付かない裏側を今後も伝えていきたい。