見出し画像

第5回世界双極性障害デーフォーラム 講演内容まとめ

世界双極性障害デー※の2019年3月30日、東京大学構内で5回目となる世界双極性障害デーフォーラムが行われました。ちなみに、デーフォーラムが世界双極性障害デー当日に行われるのは今回が初とのこと。

※3月30日を世界双極性障害デー(World Bipolar Day)とすることが、2014年、国際双極性障害財団(IBPF)、国際双極性障害学会(ISBP)、およびアジア双極性障害ネットワーク(ANBP)により定められました。3月30日は、ヴァン・ゴッホの誕生日であり、ゴッホがこの病気を患っていたという説もあるために、この日が選ばれました。これを受けて2015年から、日本うつ病学会でも、この日の前後に、双極性障害の理解を増進するための活動を行っています
https://square.umin.ac.jp/tadafumi/WBD.htm

私が記録として残せた限りの内容をまとめてみました。聞き取り漏れなどある可能性ありますこと、予めご了承下さい。

開会のご挨拶より(加藤忠史先生)

双極性障害

寛解期には特に症状はないが、躁状態での問題行動、うつ状態での休職を繰り返すことで、社会的後遺症を残しやすい

初発のうつでは診断できず躁が広く知られてないため、正しい診断には長い年月がかかることが多い

講演「体調の波、乗り越えて就労継続」秋山剛先生

・就労継続の基本
労働を提供し続けるという労働者の義務を果たさないといけないから、体調を安定させる事が重要

・主治医との二人三脚
活動記録票。双極は日ごとき体調が違うので、体調の波の把握が大切。
屯用をうまく使用する→対処できるという自信につながる

・軽躁は我が身に返ってくる
軽躁状態が続くと周囲との人間関係が悪化
職場の他人が軽躁を我慢できるのは1〜2日くらいが限度
早期対応しないと躁が進んで、本人の自覚もとんでしまう

軽躁リスクが高い患者でも、早期に気づいて屯用を服用しながら、相談してもらえれば状態の不安定化を食い止められる

双極は大半がうつ病相
→始めはうつ病相で気付かれる
・念入りに化粧してる
・服装の取り合わせがおしゃれ
・SNSフォロワーが多い
・ゲーム、チャット、LINEが好き
・うつの訴えが強すぎる

・秋山先生が患者さんにするアドバイス
体調に変化はあると思います
体調の波が大きすぎないようにコントロールできれば普通に生活できる
体調やテンションがあがると周囲に迷惑かかるから気をつける

周囲に協力してもらう。
軽躁は自分で気づきにくいことがあるので、周りから教えてもらえるようにする。
症状の兆しについても話し合ってると良い

双極性障害と就労
発症前の適応は悪くないと思う
→仕事やり過ぎる人は評価高い
業務負荷の変動→対応変動性への評価
循環気質 良い人付き合い
発揚気質 企画力ある
双極性障害の方は創造的職業につくという論文ある
10歳前後の高IQと双極性障害に関連性あり

体調に波があるので、業務レベルの設定難しい
高めのレベルを設定したがる
うつになると周囲にへの業務負担が発生
発揚的態度への反感

波があるから、始めは業務レベル低め
調子が悪くてもできる業務は何か

主なアドバイスは業務レベルをどう設定するか?

軽躁は早く食い止め、うつはじっくり持ち上げる

鼎談(與那覇 潤先生、秋山 剛先生、加藤 忠史先生)

双極性障害をオープンにしたことでの苦悩あるか?

(與那覇 潤先生)前の仕事が大学の先生と特殊なので公表したし、私の話は一般化しにくい。
うつ病の認知度は平成の間に上がったが、双極性障害は上がってない。書籍担当の人がうつ病と記載してきたとき修正するなどには苦労した。

躁転は怖くないか?

(與那覇 潤先生)再発は常に怖いと思ってる。でも、今のところ躁転しなさそう。一日中、文章書ける日の翌日は疲れからか意欲が下がるので躁転には遠い状態。今もクリニック通ったり、リワークで悩みを話したりしている。

サポートする上で家族が気をつけること

(秋山剛先生)服薬守ってるか、生活リズム整えてるかなどを家族から主治医に報告して相談するのは有益。だけども、四六時中本人を躁状態かどうかみてたらお互い生活できない。

家族として一緒に生活を楽しむことが大切。本人は治療のために生きてるわけでなく、治療はあくまで人生を楽しむ手段。

回復のキッカケは?

(與那覇 潤先生)患者さんと話すのは回復に役立った。普通に生活してると、相手にメリット与えてるからお返しがあると思うので、有益なことできないと知らないよと思ってしまう。
リワークでは相手に何かした訳でないけど構ってくれたりして、私の元の考えが違うのではないかと思えた。

ほか

(秋山剛先生)科学的な知識を伝えるだけでは偏見は減らないというのが世界的にもほぼ定説。
直接の触れ合い、病気を持ってる人と触れ合うことが偏見を和らげるのに力がある。
私の気持ちとしては、双極性障害のことも伝えつつでも仕事もできて趣味もできるんだよと分かってもらえると良いと思う。

まとめの最後に

私は昨年、デーフォーラムに参加できず、でもツイート追うだけでも大変勉強になったので、今年は参加出来ない方に参考になるものが届けられたらと思って記録しました。

少しでも参考になる部分があればと思います。

私個人の気づきも最後に貼り付けます。


最後までご覧いただき、ありがとうございます。