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トートタロット人生相談所②「孤独の原因②」

「カードひいてください」
「お願いします」


「まず、グループから無視されたそのときのあなたの状態を教えてもらいましょう」
「先生はカードに教えてもらうと言いますよね」
「ええ。気になりますか?」
「いや、どの階層から情報を受けとるのか気になったんで」
「ああ、そういうことご存じなのですね。話が早いですね。トートタロットの場合はこの地球にとどまっているマスターであることが多いです」
「観音とかそういう高い階層からということでしょうか?」
「クローリーはそう言ってたと思います」


「先生はそのガイドがどのような存在かおわかりですか」
「はっきりしたことはわからないのですが、ボクの場合はよい状態で接続できたらこのカードのイメージのガイドが来てくれていると感じます」
「大アルカナの星のカードですか」
「はい、女性の質が強いです。おしゃべりでお節介で知的で愛が深いユーモアのある方ではないかと感じてます」


「そうでない方は来ますか?」
「クライアントの方の性質に合わせてなのか違うガイドも現れるようです。まれに未じょうかなものやヤル○バオー○みたいなものやアーコ○みたいなものやネガティブなものを呼んでしまうこともあります」
「そんなときはどうするのですか?」
「最悪中止して返金ということもありました」
「それでそのクライアントはその後どうされましたか?」
「知り合いのスピリチュアリストを紹介しました」
「ぼくもそういう方を紹介していただけますか?」
「あなたならいいですよ。でもいまのように自分がぶれている状態ではすすめられないなあ」


「カードの結果をじゃあお聞きしたいと思います」
「わかりました。まず1枚目は当時の結果。あと3枚はさかのぼるかたちでひいてもらいました」
「ええ、どうでしたか」
「まず当時の結果はワンド5。さかのぼるかたちでディスクのエース、カップの10にラストがワンドの10です。簡単にいうと、大本にワンド10圧迫→カップ10飽食→ディスク1物質的力→ワンド5闘争と出てます」
「あまりよくないカードのように思えます」
「いまこの占いの結果をプリントしています。帰ったらじっくり読んでもらうことにして、この場ではボクがガイドから受け取った結果を伝えましょう」
「お願いします」


「まず、大本にでたカードのことです」
「ワンド10ですね」
「圧迫などと解釈されるあまりよろしいイメージのないカードです」
「圧迫があったってことでしょうか」

「まあ、聞いてください。トートタロットはカバラだけでなくあらゆる要素があることはご存じだと思いますのでわからないなりにプリントをみていただくこととして、このカードはあなたの家庭環境に問題があるととれます」
「どのようにですか?」

「成果への強い欲求があったようですね。仮定の話になりますけれど、何不自由ない環境で過保護で甘やかされてはいたのではないですかね」
「そうですね。お金持ちではなかったですが」

「ただ独特の理想主義というか思想的に問題がありそうです。理想にしばられる一族で、名家などにあるようなエリート意識のようなものがありましたか?」
「そうですね。左寄りといいますか。エリート志向はあったように思います」

「たぶん褒められたい意識が強かったようです。だからありのままの自分で
は居心地は悪かったかもしれません」
「いまだにそうですね。他人の目や評価が異常に気になりますから」

「たぶん本当に好きなものやことがわからないところがあったかもしれませんね」
「はい。よく自分がわからなくなります」

「抑圧的な環境だったとカードは告げています」
「暗い家庭でした」

「ディスクのエースの意味は本来は親や世間に認められるのではなく自分のために生きる必要があったと解釈できます」
「夏休みの課題や感想文コンクールなどは父がやってくれた作品で賞状をもらったりしました。自力ではたいしたことはなかったかな」

「自分の成長を自力ではできなくなる危険な教育だったかもしれませんね」「母も何もかもやってくれました。過保護の極みだったかもしれません」

「ワンドの5は闘争といわれますが、自分の考えることだけが正しいという思いからくる不調和を表します。かなり母親のもたらした歪みが影響してるようですね」
「母は気に入らないと無視をするたちの人でいつも機嫌を窺う必要があったように思います」

「それはそう自覚してましたか」
「いえ、カウンセラーを通じてそう理解するようになりました」

「まあ、世の中に出ているトートタロットの解説にも解決策などがのってますよ。トートタロットは結果よりもそれを乗り越えていくヒントが出ています。気を落とさないで」
「ワンドの5での対応策があったら教えてください」

「よくいわれるのは自分がいちばんという意識を変えていくことです。簡単ではないですが成長のための困難であると自覚するということを書いている人もいます。再スタートしたくてもハートブレイクしている状態です。無理に明るくするよりもあるがままを受け止めたあとに歪んでいる見方をしていたことに向き合うことで、変わっていきますよ。不調和を生み出した原因を知ってあるがままにあわてないで次のカードなための準備をしてみてください」「次のカードとはなんのことですか?」

「ワンドの6です。勝利のカードです」
「あ、そんな意味があるんですね」

「ええ、だからいまは困難であることを受け止めましょう」
「ありがとうございます。希望が少しだけ、明るい気持ちが少しだけわきました」

「ただ、あなたがいまの状態ですと子ども時代の根本的な解決には至らないでしょう」
「どんなことでしょうか」

「これからまたカードを引いてください」
「はい」

「う~ん。やはり、あなたの妄想のような話がありましたね」
「ああ、兄からの影響で憑依を受けたことがあるとかの?」

「確かに、本当だったかもしれませんね」
「やっぱり…」

「なんだかうれしそうですね」
「そんな顔しましたか?」

「これ、カードにも出てますが、あとガイドの方々…あなたのガイドかもしれませんね…あなたに伝えたいようです。真実を」
「どんなことでも聞きます」

「いま、ご自分の顔を鏡で見てみてください」
「ええ、何か変わったことがありますかね」

「あなたはどんどん顔が変わるんですよ」
「多重人格とか憑依とか?」

「それなら病院やスピリチュアリストによって少しは改善されるでしょう」「…」

「あなたはカウンセリングを受けたり薬で治療しても効果がなかったのではないですか?」
「そのとおりです」

「いまから、占いでみた当時のあなたの状態を伝えますから、聞いてください」
「はい」

「傷ついたらすいませんが、ある角度から切り取ったひとつのタイムラインというか、当時のあなたを見てきた未来人から話をきいてるくらいにあまり深刻にならずに聞いてください」
「わかりました」

「小学3年のあなたは、元々人を人とも思わないところがあって、他人の気持ちを考えないところがありました。それは、本来の性格ではなくて、家庭環境からくる生存のためにつくりだされた性格といえるものです」

「続けます。あなたは親には失敗を隠すことが多く、事実を歪曲することをその年までに覚えてしまいました。だから、あなたは同級生たちからよく思われてなかったのです」
「ボクは知り合いが多く、友達は多かったんですが」

「それもあなた本来の性格は穏やかで魔術師のカードが象徴するように、知識が広く周りを楽しませる才能があったからかもしれませんね。しかし、あなたが恐怖心を抱く状況になると嘘つきで自分だけ逃げるとか他人のせいにしたり、強いものについて弱いものをいじめたりしたようですね」
「…」

「それでも親にはばれないように隠したり嘘をついてましたね。もっと言いますと、歪曲する癖があり、記憶自体をかえるということをやりだしたのです」
「だんだん、心が痛んできました」

「まあ、紅茶でもどうぞ。高いものではありませんが、そこそこおいしいと思います」
「ありがとうございます」

「お客さん、いま、あなたの目が私をすごい目でにらんでいたのは恐らく気づいてないと思います」
「そんな目をしていましたか?ごめんなさい」

「いえ、気にしてません。あなたの内面にあるものがでてきているだけであなた本体ではありません」
「憑依とか?」

「これはあるスピリチュアリストの本に書かれていますが、あなたはトラウマがすでに思念体として意識のように成長してしまっていて、そのつくりだした思念体に乗っ取られているようですね」
「ど、どうしたら治りますか…」

「う~ん。病気でも他からの憑依ではないから自分でやめるだけです」
「できるでしょうか?」

「こういうケースは聞いたことがありません。ボクはスピリチュアリストではないし、専門家にそうだんしたらどうでしょう」
「…」

「さっきの子ども時代の結論ですが、無視をされたのはあなたが原因でもあり、そのときにあなたは自分を受け止めるチャンスでした。他人の気持ちを考えない人間は他人を傷つけることを学ぶよい機会を逸しました。しかも被害者として他人をのろうことをやりだしたのです」
「…」

「そしてあなたは憑依されてもいましたが、それ以上に、自分でネガティブな人間やその他の存在から、あらゆる人格をコピーして創り出すことを覚えてしまったのです」
「おれはそんなにんげんじゃない!」

「出てきましたね。いま、顔が変わっています。見てください鏡を!」
「なんだと!」

【続く】

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