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しゅうかつロック、ボクにも言わせて 「第93回 ロック対談_だぶる模話模話模話〈サケトレインロック㉙〉~〈伝説のあのひと…私はいかに憧れたか編1 ビートたけし、村上龍、渋谷陽一、ピートタウンゼント、キースムーンほか〉~」

模話1「ビートたけしさんの小説って読んだことある?」

模話2「まあ、少しぐらいはね」

模話1「何が好き?」

模話2「少年のシリーズが好きかな…」

模話1「いいよね。あの人とか浅草キッドとか…影響受けたかもね」

模話2「もわくんの老人・中年・成人・青年・少年小説はたけしさんの影響もあるってか?」

模話1「ボクの世代で、たけしさんや村上龍さんなんかの影響受けないってのも無理な話よね」

模話2「ロック好きだと、やっぱり両者の作品は、なんか感覚的に近しいものはあったかもね。時代の性格ってのか…雰囲気ってのか」

模話1「あの人のラストって、衝撃的でさ…痛快だった。そういうカタルシスって、どこかロック的で…キースムーンがアメリカのテレビで爆薬しかけてやらかしたり、モンタレーでドラムキットぶち壊して…次の出演のジミヘンが相当頭に来てたとかいう伝説あるじゃん? それに近いかな」

模話2「じゃあ、今回のテーマに行きますかね。ロックアーティストであこがれのあのひと1番目は?」

模話1「やっぱり、まずはピートタウンゼントだよ」

模話2「どういうとこに憧れたわけ?」

模話1「はじめはパンクを聴いてみて、必ずパンクの元祖は〇〇だとか、みんな違うこと書かれたりするのを目撃するわけ」

模話2「うん。当時でいうと…元祖パンクってさまざまなバンドやアーティストが挙がっていたよね。〇〇こそパンクの元祖である的な(笑)」

模話1「まだ、そこまでの知識もないとさ…信じやすいし、そうなのかな?って思うよね。でも、いわれるだけのことがあるかもしれないって聴いてみると…まあ、確かにパンクの元祖ということもわかるみたいなさ…」

模話2「Whoをパンクの元祖という評論家は結構いたよね」

模話1「でもさ、過激な部分を強調しすぎるきらいがあってさ…そこで異質というか、着眼点が少し文学的で抒情的な松村雄策さんの〈Whoは若者の代弁者で、同じ立ち位置から発言をしたり、作品を出していた〉的な文章をみてさ…なんか興味持ったんだよね」

模話2「結局、ロッキングオンの影響はあったってことだね(笑)」

模話1「うちの世代で、ロッキングオンを無視してロックに物言う人って…ミュージックマガジン系やフールズメイトだとかのハードな系統等以外はいなかったくらい…影響はあったんじゃないのかな? 違ってるかもしれないけどね(笑)」

模話2「松村さんの小説も読んだけど、優しい視点感じるよね。少年少女的なさ…たけしさんの小説にも通じる、熱い感じ…いい意味で青臭い…もわくんの大好きな感じ(笑)」

模話1「(笑)そうだね。村上龍さんの69を借りた後に、電車での寮への帰り道、没頭して大泉学園の駅のホームで最後まで読み切ったあとに、おおー!って叫んだりする人間が好きそうな青臭さね」

模話2「渋谷陽一さんはピートタウンゼントの被害者意識の強さに閉口している発言をしていたけどね…結構、他人軸の頃には渋谷さん発言は影響されたんじゃないの?」

模話1「ないわけじゃないし、実際に被害者意識強いじゃん(笑)。でも、ボクもその被害者意識から抜けられなくて、そんな生きづらさにあって…似たような人(=ピートタウンゼントさんのことね)が〈それでもおまえはそこにいるのか?〉みたいに言うから…生きる気力というか、希望というかエネルギーを放射してるのに感応して感動してしまうわけさ。渋谷さんごもっとも、大人ですね…でも、Whoの音楽がなくてはならないのですよ…って感じかな」

模話2「渋谷さんに断って音楽聴く感じが生きづらい人の聴き方ってかんじだね(笑)」

模話1「そういう部分あったと思うよ。渋谷さんの大風呂敷があってより熱心に聴いた音楽はあったよ。確実に」

模話2「あこがれのあの人って…実は渋谷陽一さんなのか?(笑)」

模話1「おお。確かに。そうだね。だって…ミュージックマガジン系に投書してた人が、同人誌みたいな雑誌出して、ミュージックライフを抜くという有言実行。さらに、ロッキングオンジャパンや他のジャンルにまで手を広げ、成功したわけじゃん。中学生の時初めて聴いたサウンドストリートのDJのあの人が…っていう立身出世物語だもん。そうか、確かに…渋谷さんはアイドルの一人、「あの人」だよね(笑)。ありがとう。気づきが生まれました(笑)」

模話2「ピートタウンゼントの話続けようか(笑)」

模話1「そうだね。松村さんの影響はあった。あの松村さんの小説の主人公のような純粋な感じで、ピートタウンゼントという人をとらえたところがあるかも。最初はキースムーンが死んだ後の時期のWhoのアルバムしか知らないときに、先輩からかな? 『キッズアーオールライト』の映画のダビングしたビデオを借りたんだったかな? もう、どはまりでさ…Whoを自分が好きになるって、確信した」

模話2「発言とかなの? アクションとかギター破壊とかの過激な部分に引かれたの?」

模話1「確かに、最初の頃はアクションにしびれました。噂にはきいていたけど…まさかほんとに本物のギターをあんなにたくさん壊してるのかなって、思ってたわけよ…。リッチーブラックモアは破壊用のギターがあったんだよね。リッチーブラックモアがあんまり好きじゃなくなったのって、破壊用のギターがあるって知ったこともあるのよね。なんだ演出かよ。はったりかってさ(笑)」

模話2「本物のギター壊してたのがいかしてたってことじゃないよね(笑)」

模話1「うーん。うまく説明できないけど…ずっと後に知ったことや理解したことでもあるけど…当時は言葉でうまく説明できなかったけど」

模話2「アイキャントエクスプレインだね」

模話1「そうだね。マーキークラブ時代、出演料より、ギターとドラム壊したり衣装代金のほうが高くてってきいてさ。ばかなのかって(笑)。やけくそなのか、めちゃくちゃなのかでたらめなのか…ほんとうにこの人は狂ってるのかなって…。後に判明したことだけど…メツェガーってハプニングで有名な前衛芸術家の影響でアートとして破壊行為を行ったって…。なるほどなっておもったけどね…今見ても壊し方も、結構冷静ってのか…スタイリッシュだし、他のアーティストのギター破壊ってもっと雑っていうか、粗野な感じだけど…ピートタウンゼントの破壊は腰は弾けてないし、自分も結構危険なはずなのに…死んでもいい感じがしてさ…に静かな狂気ってのか…顔は結構にこやかなときあるし、ウインドミル奏法にしても、スクラッチにしても勢いがあって迷いがない。確かにアーティスティックな破壊だなあって(笑)。動きがシャープで…キースムーンとの破壊合戦がやっぱりドキドキしました。言ってみれば、恋に落ちたかんじだったのよね(笑)」

模話2「モンタレーのギター破壊のエレガントな感じと、キースムーンのドラム破壊のビジュアルのすごさって…あの映画のハイライトのひとつだもんね」

模話1「いまみても脚本あってもあんなうまくいかないよ(笑)。キースムーンがフロアタムかな? 両手でスローイングするように投げようとして失敗してずっこけるとかさ…コントなのかなって…キースムーン全盛期のWhoって、なんか明るいのよ…明るい狂気っていうかな? 陽気な破壊者かな?(笑)」

模話2「もわくんの〈ロック界憧れのあの人〉は…渋谷陽一さん、ピートタウンゼント、キースムーンでした~(笑)。続く~」