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秋に好かれない

もうそこまで秋が近づいてきている

私は秋が好きだ

でも
気分は上がらないまま


なぜか?


私は秋に好かれていないからである


毎年秋が来ると一年の中で
一番と言っていいほどの挫折をする
もしくは、メンタルの状態が悪くなる


恋が終わるタイミングも必ず、秋
進路や将来の不安が募るのも、秋


秋は憂鬱になりやすいと
英語の授業で読んだ長文に書いてあった


そういう季節の変化なんだとは思う


でもここまで毎年秋に不調が続くと
秋が私一人に悪影響を及ぼしているのでは?
と自己中心的な考えに至ってしまうことも
おかしくはないのだろう


それでも私は秋を嫌いになれない


なんだか屑男に依存している女のようだが。


私を苦しめていること以外
すべてが好きなのだ


暑さを残しつつも、
頬を掠める風の温度が心地よい

金木犀の香り、枯葉の香り
そこらじゅうを包み込む秋のかおり

秋は目にもやさしい
グラデーションを描く紅葉が
なんとも言い難い多幸感を与えてくれる


そして私は秋生まれだ。


自分が生まれた季節に毎年苦しめられている
なんて少し悲しいような気もするけれど

それが私らしいと思っている


秋に好かれなくても
今年は自分らしく生きたい
見失うことはしたくない


秋の匂いをいっぱい吸い込んで
ふーっ、と吐いて
少し立ち止まってもいいから

しあわせに向かって歩きたい


だから秋もこんな私を
少しは好きになってくれないかな


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