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猫がキライ。

 一人は好きだけど、独りぼっちは好きじゃない。猫が「ツンデレ」とは限らないし、カギッ子には憧れがあった。奥さんは、扉は中から開けるものと信じていて、鍵のピアスを切らさない。

り、ぼ、ん、は、あ、か、ね 〜♪♪♪

鰹のネコ缶を棚から買い占めてご機嫌の彼女は、喧嘩をすると必ず言った。

「猫がキライ。」

やれやれ。ボクは煙草を吸いにベランダに歩き出す。猫が灰皿にじゃれる。だめよ、と捕まえられた。

  ボク達には子供がいない。

 眼鏡を外すと世界がぼやけた。それが心地良くなったのはいつからだろう。見下ろすオリオンが笑い続けている。


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