鮪ニギリ(かぽとた)

探究心はめいっぱい。抱き枕セキセイインコ柿の種。

鮪ニギリ(かぽとた)

探究心はめいっぱい。抱き枕セキセイインコ柿の種。

マガジン

  • とたかぽえむ。

    詩詞紙史私(ししししし)。ライバルはカポタスト。

  • つれづれズレズレ

    ベッドで新聞を読む。右手にはアメリカン。優雅な朝だ。

最近の記事

Suomiの森

森の中を風がやわらかに通り過ぎた それはSuomiの国の森 北の北の北の果て 冬は雪の女王が支配する ほんの一瞬つかの間の夏が あっという間に秋になり凍てつく冬がやって来る 「また春になったらキミに逢いに来るヨ」 風は言った それはSuomiの国の森 北の北の北の果て やさしい囁き 僕の頬をさあッと撫でる まるで遠い昔、もう会えなくなってしまった友達みたいに 風は言った 「また春になったらキミに逢いに来るヨ」 懐しい微笑みをした大地を覆う 針のような

    • 月夜のキミと僕のイヴ

      そう言えば煙草あと1本だっけ 買いに行けネェ 君がいるから今日は我慢しよう ホントはやめて欲しいんでしょ? キミはクチにしないけど クシュンと君がくしゃみをした 寒いからもう寝ようか 何度も見たはずの夢を 今夜また一緒に見よう Merry Xmas ❤️ with you. Lovin' you forever.

      • 月夜のキミと僕のイヴ

        起き上がったキミの影が 月に照らされて壁に映る 背中のラインがえらく綺麗でつい見つめた さっきまで無邪気だったコドモの君が 髪をほどいただけでぐんと大人の女性(おんな)になる ちょっと、眼鏡盗らないで コレが無いと君が見えない 「掛けたって見えてないじゃない」 「…ゴメン。」あ、笑ってら。 キミの方が一枚上手だ ボクは駄目な男だなあ

        • 猫がキライ。

          「餃子ありがとうございました。」 赤い首輪が似合っている。モノトーンにコントラストが付いた。Amazonに合わせて彼女が奏でるスキャットに僕の記憶が反応し出す。 「その曲さっきさぁ…」 「ショパン。子犬のワルツ。」 「...」 実家のピアノは、悪戯で鍵を捨てた。綺麗な白が憎かった。ペットは先に逝ってしまう。  明日も彼女は夕陽を見るのだろうか?猫を抱いて、一緒に微笑むのだろうか?下駄箱に傘を放る。今度はふたりでギョーザを焼こう。     ネコの名前は「茜」にな

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        • とたかぽえむ。
          3本
        • つれづれズレズレ
          6本

        記事

          猫がキライ。

           一人は好きだけど、独りぼっちは好きじゃない。猫が「ツンデレ」とは限らないし、カギッ子には憧れがあった。奥さんは、扉は中から開けるものと信じていて、鍵のピアスを切らさない。 り、ぼ、ん、は、あ、か、ね 〜♪♪♪ 鰹のネコ缶を棚から買い占めてご機嫌の彼女は、喧嘩をすると必ず言った。 「猫がキライ。」 やれやれ。ボクは煙草を吸いにベランダに歩き出す。猫が灰皿にじゃれる。だめよ、と捕まえられた。   ボク達には子供がいない。  眼鏡を外すと世界がぼやけた。それが心地良く

          猫がキライ。

          奥さんは天然だ。学生時代、地毛証明書をしぶしぶ出したと聴いている。魔女が飼うような隣りのクロネコは、確かに足の先だけ白かった。…が、何故か後ろの左が脱げている。 落っことしちゃったんだね、一緒に探すかね。悲しそうに妻は言うが、僕は焦げてゆく餃子が気の毒でしょうが無い。 「猫はいいな。ねこってだけで愛されて。」 義両親はねこが好きだ。ギョーザが旨い。奥さんがファミマに行くと言い出した。スマホの替わりに僕の臍を握り締める。24時間、ハイソが買える。便利な時代になったもんだ。

          猫がキライ。

          ジュウゥウウウゥぅう...ッ。 「いいじゃん。一軒家じゃん。」 元は平屋だったそうだ。今は小さな三階建てがパズルのようにひしめき合う。まるで1LDKのマンションを縦にしたような家。去年、買ったばかりだ。 「乾燥機があるので…」 梅雨の嫌いな奥さんが、西日しか当たらない北向きの物件を迷わず選ぶ。不動産ヤは笑顔だった。同じ顔で猫がボクを見上げている。 「いっこ靴下が無い。」

          猫がキライ。

           ネコには弱い。見るんじゃない。夕飯はギョーザなんだ。早く帰るんだってば。餃子は美味しい。お前は知らんだろ。 「ギョーザちょうだい。」 確かにウチの餃子はうまい。でもきみは、猫だ。あきらめろ。着いて来ないで...!! 雷が、落ちた。 「バカじゃないの?!?!?!」 玄関には人間2人、ギョーザが食べたい猫一名。

          猫がキライ。

           100均の傘を初めて買った。ウチは駅から遠くない。何時もは走って通り過ぎる。冷たい雨だ。月曜日、昨日届いたワイヤレスの白いイヤホンでradikoを聴く。クラシックには疎い。  ビニール越しにピアノの音が降る。猫の声が重なって入る。最近の曲なのかも知れない。「にゃあ」が増えていく。斬新ですネ...DJ気分で呟くと、Facebookに-いいね-が付いた。  目を上げる。子猫と、視線が、ぶつかった。