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スターウォーズ直撃世代のジョージルーカスコンプレックス

先日、ビートルズ直撃世代の人たちが羨ましいと書きました。
第3種ビートルマニアの第4次ビートルズブーム

多感な十代の頃に新しいカルチャーの洗礼を受けることを「直撃」と呼ぶのであれば、自分は何の直撃世代なのだろうと考えると、やっぱりこれです。
スターウォーズです。

1作目公開が中学1年生でした。最初に観たのは大阪梅田の阪急プラザだったと思います。OS劇場だったかな。3回ほど映画館で観ているし、その後の2作品の記憶も交錯して曖昧です。2館とも今はありませんね。
中学から高校時代にかけて初期3作、エピソード4、5、6が公開されました。
当時、字幕では「フォース」を「理力」や「原力」などと翻訳してました。

それはともかく、スターウォーズには完全に心を撃ち抜かれました。
この世界には映画という、とても素敵でワクワクするものがあるんだということを大発見したのです。
人生に多大な影響を及ぼしたと言っても言い過ぎではありません。

高校の時、映画好きが高じて友人たちと映画を作るようになりました。
8ミリフィルムです。シナリオを書いて監督もして30分の作品を1年かけて作りました。
この時の経験は人生最大のエポックでした。
仲間たちと一緒に創作物を作り上げていくという快感を知ってしまいました。

ところで8ミリフィルムって、今のスマホ動画のようなカジュアルなものじゃなくて、撮り直しができない上に、現像しないと確認もできない面倒なものでした。
1巻3分ほどのフィルムを買って、撮ったフィルムを現像に出して、数日後取りに行って現像代払って、時間もお金も結構かかったのです。
OKテイクかNGテイクかはすぐにはわかりません。
編集も、フィルムを物理的にカッターで切って、物理的にテープで貼って繋ぐのです。
その後、編集を終えたフィルムに磁気トラックを塗って、後から音声を入れる”アフレコ”もあるのです。
今思えばメチャメチャ面倒です。その面倒ゆえに思い入れが違います。

好きなビートルズの曲をふんだんに入れました。
Michelle、A Hard Days Night、Yesterday、Blue Jay Way、
All You Need Is Love、などなど。

もちろん高校の文化祭で上映しました。
ぴあフィルムフェスティバルというところへ応募したりしました。1次選考通過でした。
今思えば、かなり拙い出来でしたが、数々の強烈な体験のせいで、いつかは映画監督かシナリオライターになりたいという淡い夢を抱いてしまったのです。

しかし大学生になって自主映画製作のサークルに入ると、自分にはそんな才能もバイタリティもないことに気づくのでした。情熱が足りなかったのでしょう。
それでもくすぶった火が心に残り続けました。
おそらくその思いが原因でロクに勉強する気になれず、2年もモラトリアムをしてしまいました。

そして就活です。そういう現実が見えないバカは、映画の世界に近いテレビ局を受けようとします。
もちろん、そんな世間知らずな劣等生は受け入れられるはずもなく、受けた局はすべて落ちてしまいました。

大学6回生、もう秋でした。
仕方なく学科の就職の資料を見ていると、松下電器という会社名がありました。
現在のパナソニックです。
おお。ジョージルーカスだ。
当時の松下電器は、スターウォーズの映画監督であるジョージルーカスを企業CMに起用していました。
宣伝ポスターにはスターウォーズのキャラクターが映っています。
「いつも SOMETHING NEW」というコピーが秀逸でした。
もうここしかないと思って、松下電器に就職することに決めたのです。
入ったところで、ジョージルーカスと一緒に仕事ができる訳でも映画が作れる訳でもないのですが、何かしら関わりがあるかもと思ったのでした。
中学生のような理由です。

当時はバブル真っ盛りで、こんな怠惰で超テキトーな劣等生でも、世界に冠たる大企業にすんなり入れたのです。
数年先以降に生まれて就職に苦しんだ方々には本当に申し訳ない。

スターウォーズが人生に影響を与えたという言い方は、言い過ぎどころじゃないでしょう。
あのタイミングであの会社に入ったから今のボクの家庭や人生があるのです。

ところで、映画好きの若い後輩などと話していると、スターウォーズ1作目(EP.4)の評価って、ちょっと古臭くて間延びしたSF映画という位置付けのようです。
彼らからしたら、物心ついた頃から存在する数多のSF特撮映画のうちの一つ、ワンオブゼムでしょう。
しかし直撃世代のボクにとってスターウォーズは特別の枠にいるので、他の映画と同じ土俵では比べにくいのです。
直撃って、そんな威力があります。

I have a bad feeling about this.
何だか嫌な予感がするな。
(いちおう注釈;スターウォーズではおなじみのセリフです)
ジョージルーカスコンプレックスについて、大して書いてないじゃないかという怒りの声が聞こえます。
これに興味を抱いて読み進めてしまった人がいたら、すみません。
そこは深く書きません。就職にまつわる個人的な話だけとなりました。

「スターウォーズ直撃世代のジョージルーカスコンプレックス」と、
先日書いた記事の「第3種ビートルマニアの第4次ビートルズブーム」は、
対(つい)の記事にしたかったのでタイトルのリズムを同じにしたのです。
そしてフックのタイトルでもありました。
堂々と言っている。
釣られる人はいないか。ボクには足りない情熱というフォースを使わないといけないのかも。それではまた。

※以前にスターウォーズに絡めて記事を書いています。
↓ご興味あれば。ないか。
恐怖のともにあらんことを

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